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【インタビュー】岩波拓也×鈴木武蔵×中島翔哉「リオ五輪ではメダルを獲るしかない」

2015.03.26

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写真=兼子愼一郎 インタビュー=小谷紘友

3月11日、U-22ミャンマー戦。国内初披露となった手倉森ジャパンに名を連ねた3人は、
揃ってゴールを挙げ、その存在感を知らしめた。長らく同じピッチで戦い続ける彼らが、
互いについて、そして、リオ五輪に懸ける想いを語る。

U-22ミャンマー戦の反省点を次に活かす

――まずは3人で9ゴールを挙げた3月11日のU-22ミャンマー戦を振り返っていただけますか?
鈴木 いろいろな形で点を取れたのは良かったと思いますが、僕も含めて中盤でミスが多かったですね。もっともっと相手を圧倒できた試合だと思います。
中島 あの試合のようにポンポンと点が入ってしまうと、それはそれで難しさがあるのですが、(鈴木)武蔵の言うとおり、いつもよりミスが多かったです。自分たちでもっと試合をコントロールしないといけないと思います。

――鈴木選手、中島選手はともに4ゴールを挙げましたが、互いに意識する部分はありましたか?
鈴木 試合中は特に感じませんね。
中島 ライバル意識というのは全くありません。武蔵の良さを自分が活かさなければいけないと思いますし、一方で武蔵の良さを活かすことで自分が活きる場面も多い。試合中はそのようなことを考えてプレーしています。

――岩波選手も1ゴールを挙げましたが、チームのゴールラッシュを後ろで見ていて、どう感じましたか?
岩波 点をたくさん取ったことも、勝てたことも良かったと思います。ただ、自分たちはあのレベルの相手に勝つためにサッカーをしているわけではない。それを忘れてはいけないと思います。後半は2点しか取れませんでしたし、反省すべきことも多かった。とは言え、ああいう試合は、前線の選手がたくさん点を取って目立つべき試合だと思いますし、そこで(鈴木選手、中島選手が)4点ずつ取ったことは良かったですね。今後の(リオデジャネイロ・オリンピックの)予選もいい形で入れると思います。
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――3人は普段から仲がいいのでしょうか?
鈴木 僕は誰とでもよく話をしますね。
岩波 僕も皆と仲がいいと思います。ただ、ユースの時のように皆で部屋に集まったり、みたいなことは少なくなりましたね。皆プロになって、それぞれの過ごし方があるので。

――手倉森ジャパンのチームメイトとして切磋琢磨する3人ですが、ピッチ外でそれぞれの役割はあるのでしょうか?
岩波 僕はあまり年齢も気にしないので、誰に対しても何でも言える方だと思います。静かなタイプの選手が多いので、僕は食事の場などで誰かれ構わずイジりまくっていますよ。皆の良さを引き出してあげていると言うか(笑)。
中島 (笑)。
鈴木 僕はタク(岩波選手)にも(中島)翔哉にもイジられます……。

――岩波選手と中島選手から見て、鈴木選手はどんな選手だと思いますか?
岩波 誰からも好かれるタイプですね。キャラもいいし、いつも皆にイジられていて、すごい人気者です。
中島 常に人が集まっているよね。明るいし、羨ましい。

――中島選手についてはいかがでしょうか?
鈴木 ストイックですね。U-17ワールドカップの時に翔哉と(新井)純平の部屋によく行っていたんですけど、いつも小さいボールでサッカーをしていました。部屋で一対一をしてるんですよ。それが印象に残っています。
岩波 U-22ミャンマー戦の時も、壁越しにドンドン音がして。「翔哉がボールを蹴っているんだろうな」って思っていました。
中島 確かに蹴っていました。
岩波 普通にうるさいんでやめてほしかった(笑)。
中島 壁がちょっと薄かったかな(笑)。

――プライベートの時間でもサッカー漬けなんですね。
中島 そうですね。サッカーのことを考えている時間が長いです。そういう意味ではあまり休んでいないかもしれません。まだまだ上手くなりたいですし、そのためにやるべきことも多いので。

――鈴木選手から見た岩波選手は?
鈴木 さっき自分でも言っていましたけれど、先輩後輩は関係なく、グイグイ行けるところがタクのいいところですよね。そこで笑いも起きるし、さすが関西人という感じ(笑)。
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長い間ともに戦う僕らは、お互いを良く分かっている

――プレー面についてもお互いの印象を聞かせてください。攻撃を担う鈴木選手、中島選手から見て、岩波選手はどんなDFですか?
鈴木 ビルドアップする時の対角線に出すボールは精度が高いですよね。あとは予測。自分の背後にボールが出る時の予測が早い。対戦する側としては嫌な選手です。
中島 ヘディングも強いし、ゴール前で体を張るので、シュートブロックも上手い。それに、僕たちが前線で守備をする時は正直面倒な相手ですね。嫌なところにいいパスを通すので。

――チームメイトとしてプレーする際、岩波選手がボールを持った時にどんな動きを意識していますか?
鈴木 タクはまっすぐのボールも、曲げたボールも蹴れるので、どこに走ってもいいボールがもらえると思っています。
中島 武蔵の動きによっても違ってくるのですが、僕は相手DFの前でボールを受けることが多いので、とにかくフリーになることを心がけています。フリーになりさえすれば、グラウンダーのボールでも、浮いたボールでもパスを通してくれるので、すごくやりやすいです。

――岩波選手は、鈴木選手、中島選手とともにプレーする時に、どんなことを意識していますか?
岩波 武蔵とは「相手DFの背後に走ってくれれば、いいボールを出せる」と、いつも試合前に話をしています。翔哉は(相手MFとDFの)間でボールを受けるのが上手いし、そこからのドリブルもパスもある。相手としてもそこにボールが入ることが一番嫌だと思うので、常に翔哉のポジションは気にしていますね。

――DFの岩波選手から見て、2人の「ここがすごい」と感じる部分はどんなところですか?
岩波 武蔵は身体能力が優れていて、裏に抜ける動きも、シュートもいい。僕はスピードのあるタイプがあまり好きじゃないので、そういうやりにくさはありますね。ただ、(2014年の)Jリーグで対戦した時は2試合とも完封しているので、まだまだ怖くないかな。
鈴木 まだまだです。
岩波 もっと怖い選手になってほしいです。僕くらい軽く交わせる選手になってほしい。

――中島選手についてはいかがでしょうか?
岩波 翔哉はシュート意識がすごく高いし、ドリブルなりパスなりで、確実にゴールに迫る力がある。攻撃の起点になるので、僕に限らず誰かが常にマークしていないといけない選手ですね。敵としてやることはあまりないんですが、紅白戦でプレーするとすごく嫌な選手ですよ。

――普段、こうしてお互いについて話をすることはありますか?
中島 まずないですね。ただ、僕たちは長い間一緒に戦っているので、いいところも悪いところも分かっていると思います。
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――3月27日からは、リオデジャネイロ・オリンピックの一次予選も兼ねる、AFC U-23選手権の予選が始まります。世界大会にかける思い、意気込みを聞かせてください。
鈴木 僕がプロ1年目のときに、当時アルビレックス新潟のチームメイトだった鈴木大輔くんがロンドン・オリンピックの舞台に立っているんです。すごくいい場所で、いい相手と戦うその姿が輝いて見えましたし、チームに戻ってきたら一気にベテランっぽい感じになっていました。その姿を見て「同じ舞台に立ちたい」って強く感じました。
中島 ゲームのスピードだったり、海外選手とのマッチアップだったり、高いレベルでしか経験できないことも多いので、絶対に出たいです。それに、注目も大きい。世界の舞台で活躍すれば、その後の道も広がってくると思っています。
岩波 僕はU-17ワールドカップに出場しましたが、やっぱり世界大会じゃないと得られないことはたくさんあると思います。アジアのレベルは少しずつ上っていますが、世界のレベルを体感することで、自分の経験値も上がっていく。ロンドン・オリンピックは4位に終わっているので、次はメダルを獲るしかないと思っています。

――リオデジャネイロ・オリンピックへの出場が決まれば6大会連続出場になりますが、プレッシャーはありますか?
鈴木 それはもちろんありますね。出場して当たり前、という感じになっていると思いますし、期待も大きい。だからこそ、僕たちが必ず出場を決めないといけないと思っています。
岩波 プレッシャーはあります。これまでホーム&アウェイで試合をしていた予選が、今回から一箇所での開催に変わりました。予選方式が変わって一発目なので難しい部分もあると思いますが、いい形で突破して世界の舞台に行きたいという気持ちが強いですね。
中島 僕はあまりプレッシャーを感じるタイプではないんですけど、プレッシャーも含めて楽しめればと思います。僕はその方がいいプレーができるタイプなので。日本代表は特別なんですけれど、自分の能力を出すには“いつも通り”というか、そういうスタンスが大事なのかなって。いつも通り楽しめれば、きっと結果もついてくると思います。

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