2015.01.15

グループD最大の難敵イラク、日本が警戒すべき注目選手とシステムの相性は?

日本代表と対戦するイラク代表の注目選手とシステムの見方
AFCアジアカップ2015に挑む日本代表の対戦国(2)


Photo by Getty Images

 日本代表は、16日にアジアカップの2戦目をイラク代表と行う。日本は、12日にパレスチナ代表と戦って4-0で勝利した。同日に日本と同じクループDに所属するイラクは、ヨルダン代表との試合を1-0で終えた。

 対ヨルダン戦で決勝点を挙げたのはイングランドの3部リーグのスウィンドンでプレーするCHのヤースル・カシムである。ドリブルでゴール前まで侵入し、左足からのシュートが相手のDFに当たってボールがゴールに吸い込まれた。

 日本と対戦するイラクのサッカーを知るために、システムと注目選手、さらに日本のシステムとイラクのシステムをマッチアップさせて、そこから見えてくるポイントを記したい。

イラク代表のシステム

 イラク代表は、前監督のハキーム・シャケル氏によって築かれたチームだと言える。元日本代表監督だったジーコ氏の後を引き継いで、2012年12月に代表監督に就任した。2013年はU-20W杯で4位に入るなど若手の指導に定評がある。しかし、ガルフカップの成績不振を理由に11月30日に解任された。

 シャケル氏の後任として監督になったラディ・シェナイシル氏は、1993年10月のW杯アジア予選で「ドーハの悲劇」と呼ばれた日本戦にDFとして出場した。2014年9月にカタールリーグのカタールSC監督に就任し、同年12月13日に代表監督に呼ばれた。

 シェナイシル監督になってからのイラクは、アジアカップ前の親善試合で、クエート、ウズベキスタン、イランと戦って勝利を挙げることができなかった。招集されたメンバーも、サラム・シャキルを含めて4人の選手以外は、23歳以下の若い選手で固められている。

 イラクは[4-2-3-1]が基本的なシステムである。おそらく日本戦でも同じシステムを組んでくるだろう。

 攻撃に関しては対ヨルダン戦を見ると、右サイドを起点にして攻撃を仕かけてくる。SBのモラムブエナ、MFのサハラとカラフのコンビネーションからゴールに迫っていく。イラクの右サイドに注目して試合を見れば、日本をどうやって攻略しようとしているのかがわかってくる。

 それでは、イラク代表の注目の選手を簡単に紹介しよう。

イラク代表の注目選手たち

注目選手 背番号10 FWユニス・マフムド

 イラク代表として100試合以上に出場する絶対的なエースストライカーである。かつてバロンドールの候補に名前を連ねたことがあった。昨年、サウジアラビアのアル・アハリに所属していたが、今は同クラブを退団して所属先が決まっていない。

 2007年のアジアカップでの優勝に貢献して大会MVPを獲得した。ベテランとなった今大会も、1トップでチームのキープレーヤーになっている。

注目選手 背番号14 DFサラム・シャキル

 所属するイラクのクラブであるアル・ショルタから今大会は、9人の代表選手が選ばれていて、そのクラブでも中心選手となっている。28才にして代表選出100に到達するCB。191cmの長身を活かした懐の深い守備力で相手の攻撃を阻止する。シャルキは、CHとしてもプレーするDFの要である。

注目選手 背番号11 MFフマム・タリク

 仁川アジア大会で攻撃の中心を担ったのは、18歳のタリクだった。イラクと戦ったU-21日本代表は、タクリの動きとカウンター攻撃に圧倒されて力を発揮できなかった。タクリは、日本戦でゴール前のこぼれ球を決めて先制点を挙げている。ヨルダン戦では、左MFを務めたが本来の動きは見られなかった。

[4-3-3]と[4-2-3-1]の対比

【日本がボールを持っているとき】
(1)日本のCB2人に対してイラクのFW1人なので、2対1で数的優位になれる。
(2)日本の両SBはフリーでボールを持てる可能性がある。
(3)中盤を見れば、日本の逆三角形にはCH1人とインサイドハーフ2人に対して、イラクはCH2人と真ん中にMF1人なので3対3でマッチアップ状態になる。日本とイラクは数的同数である。
(4)日本のFWのうち両サイドの2人と、イラクの両SBが1対1でマッチアップする。

【日本がボールを持っていないとき】

(1)イラクのCB2人に対して、日本は真ん中のFWが1人なので、1対2の数的不利になる。
(2)イラクの両SHの2人ともフリーになれる可能性がある。日本は、イラクのSHに何らかの対応をしてこないとならない。
(3)日本のCB2人の間にイラクの1トップのFWがいるので、数的には2対1で日本に優位なのだが、CBのマークのズレが生じる場合がしばしばある。日本のCBのどちらかがマークをするのかはっきりさせないとならない。CB2人の間にイラクのFW1人が立っていることになるので、ファーストポジションはフリーでいられる。

 システムの組み合わせで見れば、ポイントとして2つの点を特に指摘しよう。

1)日本のSBがフリーでボールをもてるのかどうかに着目する。イラクは、サイドを起点にゲームを組み立ててくる。右のカラフや左のタリクが中心となって攻撃にスイッチを入れる。
 日本のSBの長友が前線に上がっていけば、対面するイラクの右サイドのSHやSBがどうやってケアするのか。あるいは、長友にボールを持たせるのか。どういう対処をするのかを見る。

2)システム上は、中盤がマンツーマンの3対3になる。そうした状態を嫌って、どちらのチームがどのように対処してくるのか、あるいは、対処してこないのかを見る。

 ヨルダン戦ではお互いがラフプレーで応酬する場面があったように、イラクのフィジカルコンタクトには注意する必要がある。ボールを持ったときの日本の守備陣に、イラクの1トップのアフムドや彼の後ろにいるMFがどうやってプレスをかけてくるのかを、まずは注目しよう。

(表記の説明)
GK=ゴールキーパー
DF=ディフェンダー
CB=センターバック
SB=サイドバック
WB=ウイングバック
CH=センターハーフ
MF=ミッドフィールダー
WG=ウインガー
FW=フォワード
CF=センターフォワード

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