2014.12.16

フモフモ編集長の提案〜信じよう!アギーレ監督が八百長問題で告発された今こそ、団結してアジア杯優勝を目指すべきである件〜

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「その件について、私から申し上げることは何もない」【写真】=LatinContent/Getty Images

文=フモフモ編集長

 何!?八百長で告発だと!? 仕方ない、優勝しよう!

 15日、アジアカップに臨む日本代表メンバー23名が発表されました。率直に言って、無難。23人中22人までが「2014ワールドカップ日本代表+2014年Jリーグ優秀選手賞」で構成され、そこに海外で活躍をつづける乾貴士さんを加えただけという顔ぶれは、誰もが一定の納得感を持って受け入れられるものでした。

「4-3-3」「4-2-3-1」いずれのフォーメーションを考えても、各ポジションに2人以上ずつ当てはまる選手がおり、多少の怪我人が出ても対処ができる構成。もしここにもう一回坂井達弥さんあたりが入ってくるようなことでもあれば「金でももらってるのかな……」と不安になったかもしれませんが、まったくもって無難な陣容です。従って、特に言うほどのことはありません。よし、招集メンバーの話、終わり。

 さぁ本題はソッチではありません。同時に発表された、アギーレ監督の八百長問題での告発の件のほうです。これまで新聞をにぎわせてきた情報とは異なり、今回はスペインの検察当局が裁判所に告発をしたという話。事件として本気の捜査を始めるという正式なお知らせです。事実関係は捜査の行く末を待たねばわかりませんが、これで世間から「ヤオかも?」という疑いの目が向くことは避けられません。招集メンバーの話などしている場合ではありません。

↓もはや、アギーレ監督がこんな言葉でチームを鼓舞したとき、どうしても「やべぇ」感は拭えない!

●「どんなことをしても勝つぞ!」
⇒ヤオかも?

●「日本にはずる賢さが足りない」
⇒ヤオかも?

●「私には秘策がある」
⇒ヤオかも?

●「君たちの勝利を確信している」
⇒ヤオってるかも?

●「日本にはチカラがある!」
⇒金の話かも?

●「支えてくれる人々に感謝を忘れるな!」
⇒金を出したスポンサーのことかも?

●「向こうの監督の手の内はわかっている」
⇒すでに話ついてるかも?

●「どんどんシュートを撃て!」
⇒GKだけ話ついてるかも?

●「ここから逆転したら、面白いと思わんかね?」
⇒そういう筋書きかも?

●「どうした、みんな元気を出せ」
⇒現金を出せ、かも?

●「我々にはまだカードが残されている」
⇒キャッシュカードかも?

●「最後のカードを切るぞ」
⇒クレジットカードかも?

●「大丈夫!!我々は勝てる!!」
⇒我々は買ってる、かも?

 なるほど、選手たちも動揺ゼロというわけにはいかないかもしれません。しかし、本当にそれでいいのでしょうか。むしろ八百長問題が持ち上がっているからこそ、選手たちはより一層のチカラを発揮しなければいけないはずです。

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前回のアジアカップで優勝した日本代表【写真】=Getty Images

 今回のメンバーから、Jリーグ得点王&ワールドカップ日本代表の大久保嘉人さん、Jリーグベストイレブンの宇佐美貴史さんは漏れています。海外で奮闘をつづける選手でも、酒井宏樹さんや細貝萌さんが漏れています。メンバー選考が監督の戦術や好みに左右される以上、どれだけ活躍しても選ばれるかどうかはわからないのです。

 その点、今回の招集メンバーはアギーレ監督の戦術や好みに合っている……少なくとも現段階ではそう思われているはず。日本代表に選ばれることを名誉に感じたり、そこで活躍することに喜びを覚えるなら、自分を選んでくれる監督を大事にしないわけにはいきません。この監督がいる限り、自分にはチャンスがあるのですから。不安になったり、ましてや監督を疑ったりしている場合ではないはずです。監督を疑うのは、実際に金を握らされてお使いを頼まれてからで十分間に合います。

 では、どの程度チカラを発揮すればよいのか。

 当面の大目標であるワールドカップ・アジア最終予選突破を考えるに、今回のアジアカップでも「アジアの3.5~4.5枠」に入っていることは求めたい。その位置にいれば、最終予選を勝ち抜くチカラもあると推認できるでしょう。つまり、アジアカップで「ベスト4」に入れば、何となく大丈夫なんじゃないかと思うわけです。「ベスト4に入ったな」「最終予選も大丈夫そうだな」「よし、アギーレ続投だ」となるであろうと。

 しかし、こと八百長となれば世間の持つイメージや、スポンサーからの毛嫌いという問題も生じます。ベスト4では、前回大会より悪くなっていると言われかねない。八百長問題を踏まえて、「アギーレ安全圏」のハードルは上がったと言わざるを得ません。

「アギーレ安全圏」の目安となるのは、ズバリ優勝です。これなら前回大会の成績と同じですし、これより上はありません。ベスト4程度だと、ちょっと親善試合で負けが込めば「八百長問題もあるしクビにしましょう」と言い出す輩が出てくるでしょうが、優勝ならさすがに大丈夫でしょう。「優勝すると逆にヤオっぽい」という意見は無視です。前も、その前も、日本は優勝しているんです。ヤオっぽくなどない!

 雨降って、地固まる。

 八百長問題で、むしろ強くなる。

 今回の八百長問題は、逆に日本代表にいい影響を与えるように思います。成績いかんではすぐに監督解任論が持ち上がりかねない状況、安全圏に突入するには優勝を目指さなければいけない状況は、選手たちにピリピリとした緊張感を与えることでしょう。そして、八百長疑惑があることで、どうしようもない劣勢のときでも「もしかして買ってくれてるかも?」という最後の希望がチームに生まれ、諦めない強さを引き出すことでしょう。

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前回のアジアカップ準決勝、最後まで諦めずPK戦を制した日本代表【写真】=Getty Images

 よしんば裁判の結果、八百長による処分がくだったとしても、それまでに積み上げたアギーレJAPANとしての活動までフイになるわけではありません。もちろん4年間同じ監督で順風満帆ならベストではありますが、監督交代にはそれはそれでイイ面もあるのです。

 ザックJAPAN時代には、4年間同じコンセプトでチームを熟成させることによって強化を図った反面、主要メンバーの怪我や不調に対処するだけの層の厚さを欠いた面は否めません。もし4年間で2人の監督、2つのチームが生まれる事態となれば、それは2倍の層の厚さを持つチームへの成長と考えることもできるのです。ちょうど今のチームが、「アギーレ流のやりかた」と「ザック流のやりかた」の両方を兼ね備え、試合の中で流動的に変化できるように。

 仮にアギーレ監督が八百長をやっていたとしても、日本代表が手を染めなければいいだけのこと。今、日本代表が意識すべきなのは、「日本代表は仲間をどれだけ信頼できる組織なのか」という方向からの視線です。報道に左右されて、チームが揺れたり、協会内部がバタついたりするのが一番よろしくない。「痴漢冤罪ですぐクビ切るタイプの組織なんですね」と思われれば、今後の交渉事においても不利です。僕が監督候補なら、そういう実績のある組織との契約は、若干ためらいますからね。

 ドンと構えて、捜査の行く末を見守ろうじゃありませんか。

 監督を解任するのは、大本番での結果を受けてから。

 社員を解雇するのは、裁判で有罪判決が確定してから。

 疑いの段階で行動を起こすのは拙速です。

 信じよう、アギーレを。信じよう、JFA技術委員会を。

「アジアカップで惨敗すれば、裁判を待つことなくすっきりクビだな」などという、上手いアイディアを思いついてはいけません!!