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シャルケコーチに観客の投げたライターが直撃/ドイツ現地直送コラム

2014.12.16

+++ during the Bundesliga match between FC Schalke 04 and 1. FC Koeln at Veltins Arena on December 13, 2014 in Gelsenkirchen, Germany.

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ケルンに1-2で敗れたシャルケ [写真]=Bongarts/Getty Images

 13日に行われたブンデスリーガ第15節、日本代表DF内田篤人のシャルケは、ホームにFW大迫勇也とMF長澤和輝の所属するケルンを迎え1-2で敗れた。

 加えて、この試合のロスタイム中、観客席からシャルケベンチにジッポライターが投げ込まれ、コーチのスヴェン・ヒュブシャー氏が頭部に裂傷を負うという事件まで起こっている。

 14日、ドイツ紙『ビルト』が報じた内容によると、右前頭部にジッポライターが直撃したヒュブシャー氏はピッチ脇に倒れ、流血した患部にガーゼを押しあてられながら関係者とロッカールームに消えていったという。

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ジッポが頭部に直撃し、うずくまるヒュブシャー氏 [写真]=Bongarts/Getty Images

 チームマネージャーのホルスト・ヘルト氏は同紙に対し「今スヴェン(ヒュブシャー)は控室で横になっているが、かなり大きな傷ができている。我々はチケット購入者の確認や、監視カメラの映像など、全ての手段を用いてでも犯人を捜し出す。投げた人間の近くにも多くの人が座っていたはずだ。彼らからの情報提供も待っている」とコメント。電話とEメールで、目撃者からの連絡を受け付けている。

 ちなみにこのシーンは『Eurosport.de』の公式ツイッターでも映像がアップされており、ヒュブシャー氏の頭部に当たった瞬間ライターが割れ、オイルが飛びだすなど、その衝撃の強さは目を覆いたくなるほどだ。

 しかし『ビルト』によれば、監視カメラから犯人を割り出すのは極めて難しいとのことだ。

 なぜなら犯人がいたと思われるエリアは関係者やVIPなど、いわゆる過激なファンとは一線を画す観客が陣取っており、そこに設置されたカメラは事件発生当時、付近の観客席ではなく、より危険性の高いゴール裏席を撮影していたという。

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シャルケ陣営との口論から第4審判に注意を受けるシュテーガー監督(右) [写真]=Bongarts/Getty Images

 ただし、ジッポライターが投げ込まれた93分には、シャルケのGKラルフ・フェールマンがペナルティエリア内でケルンのMFトーマス・ブレーカーと激突。同GKのファウルだと主張するケルンのペーター・シュテーガー監督が、シャルケベンチに抗議のため近付いた直後の事件だったことから、犯人は敵将を狙って投げ入れたという見方もあり、同監督はこの件について「可能性はフィフティー・フィフティーだ。我々に向けて投げたかもしれない」と話している。

 なお、ヒュブシャー氏に命の危険はなく、頭部を3針縫うだけで済んだことは、不幸中の幸いだったかもしれない。

鈴木智貴(すずき・としき)。1981年生まれ。静岡県天竜市(現:浜松市天竜区)出身。日本での社会人生活を経て、2010夏よりドイツ在住。現在デュッセルドルフのアマチュアクラブでU-12監督を務め、プロチームの指導者になるべく修行中の身。ドイツサッカー連盟公認C級(UEFA-B級)指導者ライセンスを取得。

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