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J美食倶楽部~すた飯をめぐる冒険~カシマサッカースタジアム編

2014.12.08

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 12月の昼過ぎ。寒空の下、観客で溢れ返ったスタジアムのコンコースで30分ほど行列に並んだ末、目当ての品にようやくありつけた。大ぶりにぶつ切りにされたモツがたっぷりと入った煮込み。立ち上った湯気を思いっ切り吸い込むと、振りかけられた七味唐辛子の香りが鼻孔を通して、食欲を大いに刺激してくる。

 見ているだけで、口の中にダラダラと涎が溢れ出てきた。我慢できずに、早速ズズーッとすすると、味噌で煮込まれた濃厚な汁がガツンと脳天を直撃する。モツの脂が十分に染み出て、舌にねっとりと絡みついてくる濃厚なコクとうま味。溶け出た脂はもちろん、大根と人参の甘さも絡み合い、様々な味覚が口内に押し寄せてくる。

 たまらず一気に飲み込むと、五臓六腑はもちろん、汁が血管を通って冷え切った体中にジュワーッと染み渡っていく。一息つけば、汁の甘美な匂いが勢い良く鼻から抜けていく。気体になることすら、惜しいばかりだ。

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 もはや止めることのできない食欲に任せ、プリッとしたモツを一気にかっ込む。口いっぱいに、ねっとりとしたモツを詰め込み、ムシャムシャと噛みしめる。ひと噛むするたびに、柔らかいモツからコクとうま味がどんどん溢れ出る。グニャッとした歯応えとともに、脂の甘みが口中に充満する。嗚呼、白米が欲しい。

 モツをゴクリと飲み込むと、次は煮崩れした大根と人参。形なんて関係ない。サクッと噛めば、野菜本来の味とともに、しっかりと染みたモツの脂とうま味が滲み出てくる。

 周囲の喧騒も耳には入らず、ガシガシと箸を進める。一心不乱の食の戦いも、いよいよ終盤戦。具材はすっかり食べ切った。最後に、モツと野菜のうま味とコクと甘みとが濃厚に凝縮された汁を一気に飲み干す。

 カシマサッカースタジアムのモツ煮込む、500円。ワンコインで味わえる幸福。惜しむらくは、行列のためにシャキシャキのネギが既に切れてしまっていたことか。全国津々浦々、美食をめぐる冒険は続いていく。

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