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バルセロナ留学生便り 第3回「肌で感じたカンプ・ノウ」

2014.11.07

文●アルビレックス新潟バルセロナ:西畑 勇佑

カンプ・ノウ外観。スペインでは21時前後のキックオフも当たり前で夜には明かりによる違った良さも見られる。

 リーグ優勝22回、国王杯優勝26回、UEFAチャンピオンズリーグ優勝4回――輝かしい戦績を残し続ける世界最高のフットボールクラブ、FCバルセロナ。そのホームスタジアムであるカンプ・ノウは、欧州最大クラスの約10万人を収容し、選手にこれ以上ない力を与えていました。肌で感じた最高のスタジアムの雰囲気を伝えられたらと思います。


試合一時間前。綺麗に整備されたピッチのセンターサークルにはCLのロゴ

 初めてカンプ・ノウに行ったのは、チャンピオンズリーグ第1節アポエル戦。最寄駅からの道筋は赤と青の縦縞のユニフォームを着た数多くのサポーターが示しています。会場の中に入ると、美しい景観、そして規模の大きさに驚愕しました。


バルサのカンテラ(下部組織)からの完全な生え抜きセルジ・サンペールがCLでスタメンデビューとなりました

 選手たちの試合前のアップが始まっており、メッシ、ネイマール、シャビ、世界のスーパースター達はウォーミングアップですら観客を魅了します。興奮が冷めやらぬ中、気付けば試合開始10分前。にもかかわらず、観客の少なさが気になりました。バルセロナというクラブの、CLでさえこの空席を埋めるのは難しいのか。と思っていました。選手がアップを終えて入場、整列しCLアンセムが会場に流れ感動していた自分の目に飛び込んできたのは、5分前まで座席に描かれた広告さえ見えていたはずの観客席がビッシリ埋め尽くされている光景でした。


試合開始直前。観客が一気に増え大合唱が始まりました。右上最上ブロックにアポエルサポーターの姿も

 試合開始直前に座席が埋まり、試合が始まるとゴール裏サポーターに呼応するかのようなスタジアム全体からの大合唱。楽しみ方を知っているとも言えるのかもしれません。良いプレーに対してはスタジアム全体からの拍手が絶えず送られます。フットボールを観る人にとって最高の瞬間、ゴール。それだけではなくDFの献身的な守備や何気なく流してしまいそうな気の利いた細かいプレーに対してのリアクション、また少なからず緊張を抱えているであるだろう若手選手のプレーに向けられた温かい拍手、チームの象徴とも言えるベテラン選手の交代時のスタンディングオベーションなど……。スペインという国の目の肥えた観客によって作り出される空気を肌に感じると彼らを観客と言うには失礼に当たる気がしました。

1-0で試合終了。メッシのFKからピケのヘディングシュートが決まり、サンペールもデビュー戦フル出場

 これこそが「サポーター」なのだと思わせられた、そんな感覚でした。スタジアムが1つの「チーム」となり、代表されたイレブンがピッチで感動を生み出します。バルセロナのサッカーが好きな人、いや、フットボールを愛する人であれば必ず味わってほしいこの空間。きっと、もっと好きになります。

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