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【スペシャル対談】C大阪 扇原貴宏×南野拓実「残りの試合を全部勝つくらいの勢いで」

2014.10.06

まずは結果を出し続けること。そこにこだわってやっていきたい

──まずは、セレッソ大阪での今シーズン、ここまでの戦いぶりを振り返っていただけますか?

扇原貴宏 今シーズンは監督交代を経てスタートを切りましたが、新しいサッカー取り組む中でなかなか結果がついてこず、正直これほどまでに苦しいシーズンになるとは思っていなかったです。当初は優勝を目標に掲げていましたが、今の現実的な目標は残留すること。自分たちが思い描いてたシーズンになっていないので、苦しいですが、前を向いてやっていかなければと思っています。

南野拓実 現時点では、やはり個人としてもチームとしても、誰一人満足していません。だからこそ、残りの試合を全部勝つぐらいの勢いでやりたいですし、みんなもそのつもりだと思います。まだ天皇杯は優勝できる可能性が残っていますし、そこで良い結果を出して良いシーズンやったなって終われるようにしたいですね。

――天皇杯で優勝するとAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権も得られます。セレッソは今シーズン、ACLに出場しましたが、選手としてACLに出場することにどのような意義を感じていますか?

扇原貴宏 日程的にタフな中で試合をこなすことによって、精神的にも強くなれると思いますし、アジアのチャンピオンになれば、世界と真剣勝負ができる舞台が待っています。そういった意味でもACLに出場すること自体に価値がある。選手としてもすごく良い経験が積めますからね。

南野拓実 そうですね。今シーズンもハードな日程の中でACLを戦いましたし、それは自分にとっても良い経験になりました。きつい日程の中、アジアの強豪相手にどれだけのプレーを見せられるか。自分の力が試される機会でもあります。アウェーの環境は日本とは全く違う。そういう過酷な状況で戦えるのは、すごく良い経験になります。だからこそ天皇杯で良い結果を残して、またACLを戦うチャンスを得られればと思っています。

――一方、J1リーグでは苦戦が続いています。低迷している原因はどういったところにあるのでしょうか?

扇原貴宏 原因が分かっていたら、こうはなっていないですよね(苦笑)。もちろん、全員が良い方向に向かえるよう必死にやっていますが、そんなに簡単に状況が良くなるわけでもありませんし。ただ、そういった中でも全員が一丸となって戦えた試合というのは、良いゲームができていますし、そういうゲームを残り試合で見せていければと思っています。

南野拓実 扇原選手が言うように、ここ最近の試合はみんなが一つになってやれています。チームは間違いなく良い方向に向かっていると思います。

──チーム全体の雰囲気も良くなってきていると感じていますか?

南野拓実 そうですね。どんなに苦しい状況に置かれても、チーム全員が「勝つためにはどうすればいいか」というのを考えながらやっていますし、その中でやっと勝つことができて(第23節柏レイソル戦でリーグ戦12試合ぶりの白星)、良い方向に向かっていると思います。どんなに苦しくても「常に前を向いて」というのはチーム全体から感じることができています。

――手応えを感じているのは具体的にどういう部分ですか?

扇原貴宏 守備の意識はチーム全体で高まっていると思います。球際の部分でも全員が気持ちを出して戦えているし、守備における連動性という部分でも以前より改善できているように感じています。そういった部分が改善されてきたことで、良い守備から良い攻撃につなげられる機会も増えてきているのかなと。

南野拓実 僕も守備に関しては手応えを感じていますね。チーム全体の守備意識が改善されてきたことで、90分を通して自分たちの理想とする試合運びもできつつある。攻守の切り替えも良くなっていると思います。

――そのあたりの精度をさらに高めていくことで復調できると。

扇原貴宏 そうですね。前からの連動したプレッシングでリズムをつかむ、このサッカーを高い精度でやり続けていければ、どんな相手にも負けない実力はあると思いますから。残りの試合で、しっかり質の高いサッカーを見せていければと思っています。

――今シーズンは、ディエゴ・フォルラン選手が加入しました。世界的名手と日々トレーニングする中で、彼から影響を受けたことはありますか?

扇原貴宏 彼はサッカーに対する意識も高いですし、練習から質の高いシュートをバンバン打っている。そういったレベルの高さには、やっぱり刺激を受けていますね。

南野拓実 同じです。トレーニングからシュート技術の高さが際立っている。自分も参考にさせてもらっています。

――7月には柿谷曜一朗選手がセレッソ大阪からバーゼルへと移籍。お2人も「いずれは海外で」という気持ちは持っていますか?

扇原貴宏 うーん……そうですね。この間、代表に行って海外組の選手と初めて一緒にやりましたが、そういう選手たちは海外で揉まれている分、精神的にも逞しさを持っています。そこはすごく感じたことで、そういった厳しい環境で自分もいつかやってみたいという気持ちはあります。そのためにも、まずはセレッソでしっかり結果を残さないといけない。とにかく今はクラブでしっかり頑張る。それが次につながっていくと思いますので。

南野拓実 僕もいつかは海外でプレーしたいという気持ちはあるので、曜一朗くんという身近な存在やった人がヨーロッパへ行ったというのは、すごく刺激になります。ただ、まずはセレッソで結果を残さない限り、海外挑戦だなんて言っていられないので、まずはJリーグでしっかり結果を出したいです。

――南野選手は、柿谷選手が付けていたセレッソのエースナンバー「8」を付けたいという気持ちはありますか? ファンの方は期待されている部分もあると思いますが。

南野拓実 現時点で、8番を付けたいとは全く思っていないですね。今の自分の背番号「13」を8番くらい重みのある番号にしたいと思ってやっています。ただ、何度も言うようにまずは試合で結果を残さないといけない。そこにこだわってやっていきたいと思います。

――結果とはゴールですね。

南野拓実 はい。もっともっとゴールを取れる選手になりたいですし、チームが苦しい時に点を取れる、そんな選手になっていきたいですね。

アギーレ監督は選手の考え方を尊重してくれるタイプ

扇原貴宏

――扇原選手はハビエル・アギーレ監督率いる新生日本代表に招集されました。代表合宿に参加してみての率直な感想を聞かせてください。

扇原貴宏 初めて一緒にやる選手が多かったですし、その中でたくさんの刺激を受けることができました。試合自体は出場機会を得られず悔しい思いをしましたが、自分にとってはプラスになる代表合宿でしたね。アギーレ監督の良さというか、トレーニングもこだわりを持ってやられていて、すごく楽しめました。また次、選ばれるようにセレッソで頑張っていきたいと強く思いました。

――アギーレ監督の目指すサッカーはどういうものだと感じましたか?

扇原貴宏 攻守のバランスを重視し、リスク管理を徹底する。細かくは指示を出さないですが、注意深く見ていて繊細な印象を受けました。攻撃に関しては自由というか、ある程度バリエーションはありますけど、アギーレ監督は選手の考え方を尊重してくれるタイプですから、攻撃陣はすごくやりやすいんじゃないかと思いましたね。

――個人的にアドバイスを受けましたか?

扇原貴宏 アドバイスはなかったですけど、良いプレーしたらすごく褒めてくれますし、選手のモチベーションを上げるのもうまい。

南野拓実

――南野選手は、ウルグアイ戦、ベネズエラ戦はご覧になりましたか?

南野拓実 はい。ただ、まだ2試合なので外から見ている僕からすると、全然分からないですね。だからこそ、早く“その場所”に行けるようにしたいです。そのためにも、まずはセレッソで活躍しないと。そこがすべてだと思いますし、結果を出すことを意識してプレーしていきたいです。

――もし、アギーレ・ジャパンに入ったら、ここのポジションでプレーしたいというイメージはありますか?

南野拓実 いや、ないですね。攻撃的なポジションなら、どこでもできると思っているので。自分の良さを出していければ良いかなと思います。

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