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バルサ再建を託されたルイス・エンリケ「“最高のメッシ”に会えることを願う」

2014.07.22

バルセロナの再建を託されたL・エンリケ

[ワールドサッカーキング1408号掲載]

タタ・マルティーノのバルセロナはあと一歩のところでタイトルを逃し、無冠でシーズンを終えた。代わってチームの立て直しを託されたのは、“決して屈しない男”、クラブOBのルイス・エンリケだった。
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インタビュー=ホセ・フェリックス・ディアス
翻訳=高山 港
写真=ゲッティ イメージズ

“最高のメッシ”に会えるよう願う

――こんなに早くバルセロナに戻って来れると思っていましたか? アンドニ・スビサレッタは、あなたはセルタの監督だから、すぐにバルサの監督に就任するのは無理だと言っていましたが。

L・エンリケ バルサのトップチームの監督になることは私の夢だった。ただ、バルサBを率いた後にクラブを去った私が、またここに戻って来られるとは思わなかった。栄光のバルサを率いることができるのだから本当に素晴らしい。バルサは世界最高のチームだ。一度このチームを体験した者は、誰もがここに戻って来たいと思うものだ。ただ、実際にトップチームの監督として戻って来るのは決して簡単なことではなかった。スビサレッタと(ジョゼップ・マリア)バルトメウ会長の尽力がなければ実現しなかっただろう。

――チームにどんな変化をもたらすつもりですか?

L・エンリケ もちろん、私自身のサッカー哲学を植えつけたいと思っている。だが、基本的にはこれまでのバルサのサッカーを踏襲するつもりでいるよ。チームを指揮する者の考えは明確であるべきだ。私もその点ははっきりさせるつもりでいる。監督の仕事で最も重要なのは、選手に適切なモチベーションを与えることだ。同時に、選手の能力を最大限に引き出すことも重視していきたい。

――選手の能力を引き出すということは当然、リオネル・メッシの力を最大限に生かすということですよね?

L・エンリケ それが私の目標の一つでもある。“これまでで最高のメッシ”に会えるよう願っているよ。適切なモチベーションさえ与えれば、今以上のメッシを見ることもできるはずだ。彼は世界最高のプレーヤーであり、そのことをピッチの上で再び証明してくれるだろう。昨シーズンのメッシは十分に力を発揮するには至らなかったようだが、もうそんなことはないと信じたい。新シーズンが彼のサッカー人生で最高のものになるよう期待している。

――あなたが率いるバルサは、この数年のバルサとはだいぶ違ったものになると噂されています。変革がなされると見ていいのでしょうか?

L・エンリケ チームに改革をもたらすには多くの決断が必要だ。私は選手たちに自分の考えを伝えるつもりだよ。ただ私の決断以前に、クラブがあり、クラブの決断がある。私はクラブの意向に反してまで自分の意見を押し通すつもりはない。もしも私のやり方に異議を唱える者がいたら、まずは話し合うつもりだ。話し合うことで解決策が見いだせるはずだからね。

サッカーの世界では“今”が重視される

――今夏は多くの選手がチームを去るのではないかと言われています。そのうちの一人がチャビですが……。

L・エンリケ チャビは私の友人であり、偉大なプレーヤーだ。チームの軸であり、強いバルサを象徴する“クラブの顔”でもある。彼とは既にじっくり話し合った。もちろん、彼には私の下でプレーしてもらいたいと思っている。ただ、彼が自分の将来について明確な考えを持っているのも確かだ。彼に限らず、バルサの選手たちは全員が大きな野心を抱いている。各人が各人の野望に向かって進む時、一人の監督がそれを止めることはできない。

――「L・エンリケは要求の多い監督だ。厳格に規律を求める」と恐れている選手もいるようです。その点に関してどう思いますか?

L・エンリケ 私は真摯に練習に取り組む姿が好きだ。それだけだよ。要求が多い? 今のサッカーではそれも当たり前だと思うがね。私が選手に要求するのは基本的に3つ。スピード、インテンシティ(激しさ)、そしてサッカーへの情熱だよ。選手にはこの3つを要求したい。この3つのうちどれか一つでも欠けたら、プロ選手としては失格ということだ。当然、バルサでやっていけるはずがない。これまでに実績を残しているベテランだろうと、昨日下部組織から上がって来た若手だろうと、そんなのは関係ない。サッカーの世界では“今”が重視されるんだよ。前の週で素晴らしいプレーをしたからといって、今日の調子が悪ければ私はその選手をベンチに引っ込める。監督としては当然のことだろう。

――今のバルサの戦力をどう見ていますか?

L・エンリケ 素晴らしいチームだよ。大きなポテンシャルを秘めたチームだと見ている。ただ、どんなに素晴らしい選手がそろっていても、チームが機能しなくなることもある。何か一つ欠けただけで、チームが不調に陥ることもあるんだ。昨シーズンのバルサを見れば分かるだろう。

――なぜ、昨シーズンのバルサは失敗したのでしょう?

L・エンリケ サッカーの世界では「2+2=4」になるとは限らないということだよ。

自身の哲学を語ったL・エンリケが、新シーズンを展望。インタビューの続きは、発売中のワールドサッカーキング1408号でチェック!

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