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何物にも代え難い「CR7」の存在価値

2013.12.14

[ワールドサッカーキング2014年1月号掲載]

入団以来、1試合1得点以上のペースでゴールを量産し、得点を奪ったリーガの試合で不敗神話を継続中。クラブの資産価値も加入を機に倍以上に跳ね上がった。“CR7”の存在価値は、何物にも代え難い。
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文=北川紳也 Text by Shinya KITAGAWA
写真=ゲッティ イメージズPhoto by Getty Images

彼を上回る選手が存在するのだろうか?

「クリスチアーノにバロンドールを!」

 11月10日に行われたリーガ・エスパニョーラ第13節のレアル・ソシエダ戦、レアル・マドリー加入後通算23回目のハットトリックを達成したクリスチアーノ・ロナウドに対し、サンティアゴ・ベルナベウのファンは「今年のバロンドールは彼こそふさわしい」と大合唱を始めた。

 今年9月にクラブと2018年6月までの契約延長に合意したC・ロナウドは、今まさにキャリアの絶頂期を迎えている。スペインに上陸してから約4年半が経過した現在まで、公式戦1試合1得点を上回るハイペースでゴールを量産。リーガの試合において、C・ロナウドが得点するとチームが負けないという「不敗神話」も依然として継続中だ(11月末時点で94試合負けなし)。

 リーガとチャンピオンズリーグの両方で得点ランキングのトップに立ち、代表でも11月のワールドカップ予選プレーオフの2試合で4ゴールを記録。ペドロ・パウレタが持つポルトガル代表の歴代最多得点記録に並んだ。この活躍を受け、スペイン紙『アス』は「C・ロナウドを上回る選手が存在するのだろうか?」という見出しを打ったが、もちろんこの記事には「彼を上回る選手などいない」という主張が隠れている(バルセロナのファンだけはそうは思わないだろうが)。

自身の存在感が際立ちクラブの価値も上昇

 もっとも、約4年半前の09年夏、C・ロナウドが当時の世界最高額となる9400万ユーロの移籍金でマンチェスター・ユナイテッドからやって来た際には、懐疑的な見方が多勢を占めた。時はリーマン・ショックに端を発する世界的不況の真っ只中。それまでの常識を超えた巨額投資は「博打」だと揶揄された。

 しかし、R・マドリーはその「博打」に勝利した。いや、2000年にルイス・フィーゴ、01年にジネディーヌ・ジダンを引き抜き、世界中のファンに“銀河系軍団”のイメージを植えつけることに成功していたフロレンティーノ・ペレス会長にとっては「博打」ではなく、最初から勝算があったのだろう。

 C・ロナウドの加入から1年後、クラブはマドリッド市内のユニフォーム売上だけで彼の移籍金を回収。また、今年4月にアメリカの経済誌『フォーブス』が発表した「フットボールクラブ資産価値ランキング」では、それまで8年連続でトップに君臨してきたマンチェスター・Uを抑えて初の1位に輝いている。資産価値33億ドル(約3372億円)は、C・ロナウドが加入する以前の09年4月時点と比べて約20億ドル(2040億円)も上昇。彼のピッチ上での存在感が大きくなるにつれ、クラブのブランド力も上昇するという、理想的な“Win-Win”の関係が構築されたのだ。

C・ロナウド獲得という「博打」に勝利したR・マドリー。一方で、今夏のギャレス・ベイルの獲得はC・ロナウドのケースとは異なり、「真の博打」だと言う。続きは発売中のワールドサッカーキング2014年1月号でチェック!

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