FOLLOW US

11日クラブW杯開幕。クラブ世界一決定戦は、史上初のアフリカ開催…“マグリブ”で最も輝くのは?

2013.12.11

TOYOTA プレゼンツ FIFA クラブワールドカップ モロッコ 2013


文=白坂隆三 写真=FIFA via Getty Images

 クラブ世界一を決めるFIFAクラブワールドカップ2013が、いよいよ12月11日(水)に北アフリカのモロッコで幕を明ける。

 出場するのは6大陸(北中米カリブ海、オセアニア、欧州、南米、アジア、アフリカ)の各予選を勝ち抜いた代表チームに、開催国代表の1チームを加えた計7チーム。過去9大会では欧州代表が5度、南米代表が4度頂点に立っており、今大会でも欧州代表のバイエルン(ドイツ)と南米代表のアトレチコ・ミネイロ(ブラジル)が有力な優勝候補と目されている。

 中でもバイエルンが絶好調だ。国内リーグでは12月7日に行われた第15節ブレーメン戦で7ー0と大勝し、昨シーズンより続くリーグ戦での連続無敗記録を40試合まで伸ばした。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でも5戦5勝(11月末現在)と無敗のままだ。前線のマリオ・マンジュキッチ、トーマス・ミュラー、中盤を率いるアリエル・ロッベン、フランク・リベリーに加え、“ドイツ史上最高の逸材”マリオ・ゲッツェも新加入ながら前評判どおりの実力を発揮。どこからでも点が取れる攻撃陣の破壊力は今や世界屈指と言っていいだろう。伝統の堅守も健在だ。センターバックのダンチ、ジェローム・ボアテングを中心にリーグ戦では7失点、CLでもわずか2失点と鉄壁を誇る。今シーズンから指揮を執るジョゼップ・グアルディオラが完全にチームを掌握している点も心強い。大会までの過密日程を懸念する声もあるが、FCバルセロナ(スペイン)監督時代に、09年、11年と2度、FIFAクラブワールドカップを制覇した実績があり、ビッグトーナメントの戦い方も経験済み。世界制覇に向けて、ほとんど死角は見当たらない。

 準決勝から登場するバイエルンに挑戦するのは、アフリカ代表のアルアハリ(エジプト)とアジア代表の広州恒大(中国)の勝者。2年連続5度目の出場となるアルアハリは、北アフリカ開催という地の利を最大限に活かし、2006年大会の3位以上の成績を目指す。一方の広州恒大は、潤沢な資金をバックに補強したコンカ、エウケソン、ムリキといった南米出身のアタッカー陣が目玉。指揮を執る元イタリア代表監督のマルチェロ・リッピの下で、アジアのレベルを超えた攻撃力を武器に“ジャイアント・キリング”を目論む。

 初の南米王者となったアトレチコ・ミネイロも虎視眈々と世界一の座を狙っている。12月8日に全日程を終えたブラジル全国選手権では8位に終わったが、11月以降は3勝3分1敗。大会に照準を合わせ、尻上がりに調子を上げてきた。チームの顔は何と言っても元ブラジル代表のロナウジーニョ。FCバルセロナ在籍時には04年、05年と2年連続FIFA最優秀選手賞を受賞するなど、まさに世界のサッカーシーンの中心的存在だった。その後、低迷し“過去の選手”になりかけたが、母国に戻って復調すると、今年のコパ リベルタドースでは大車輪の活躍。パス、ドリブルと全盛期の切れ味を取り戻し、優勝の原動力となった。33歳になったが、来年ブラジルで開催されるFIFAワールドカップへの出場を諦めておらず、今年4月以来となる代表復帰を果たす上でも今大会は重要な試金石となる。ロナウジーニョ以外にも戦力は充実。189センチの長身FWジョー、進境著しい右サイドバックのマルコス・ローシャ、超攻撃的なセンターバックのレーヴェル、そして守護神ヴィクトルと、今年代表に招集されたメンバーが揃う。FIFAワールドカップ出場歴のあるジョズエ、ジウベルト・シウヴァといったベテラン勢も控えており、個々のタレントではバイエルンにも決して引けを取らない。また、前大会の覇者コリンチャンス(ブラジル)同様、駆け引きに長けた試合巧者という側面は、バイエルンにとっても見えない脅威として重圧になるだろう。

 国内随一のビーチリゾートで名高いアガディールで行われる開幕戦は、モロッコ屈指の強豪ラジャ・カサブランカと、オセアニアを3年連続で制し、昨年に引き続き、岩田卓也(元FC岐阜)も出場するオークランド・シティーFC(ニュージーランド)が対決する。その勝者が準々決勝で、北中米カリブ海で3連覇を果たしたCFモンテレイ(メキシコ)と対戦し、その勝者が前述のアトレチコ・ミネイロと準決勝で激突する。

 12月21日(土)に行われる決勝の地は、モロッコを代表する商都であり古都であるマラケシュ。戦前の予想どおり2強が勝ち進むのか、番狂わせは起こるのか。アラビア語で「日が沈む大地」を意味する“マグリブ”で輝きを放つのはどのチームだろうか?

出場国

●バイエルン(ドイツ/UEFAチャンピオンズリーグ 優勝)

1970年代にはフランツ・ベッケンバウアー、ゲルト・ミュラーらを擁して、UEFAチャンピオンズカップで3連覇を達成。その後、欧州の舞台では低迷した時期もあったが、2012-13シーズンにUEFAチャンピオンズリーグ決勝でドルトムント(ドイツ)を下し、12年ぶり5度目の欧州王者に輝いた。メンバーの大半が各国代表の主力クラス。DFフィリップ・ラーム(ドイツ)を筆頭に、MFアリエン・ロッベン(オランダ)、MFフランク・リベリー(フランス)といった豪華な布陣で、国内リーグでは昨シーズンから37試合無敗の新記録を樹立した。今シーズンから指揮を執るジョゼップ・グアルディオラ監督の下、王座奪還に燃える。

●アトレチコ・ミネイロ(ブラジル/コパ・リベルタドーレス2013 優勝)

ブラジルのミナスジェライス州の州都ベロオリゾンテを本拠地とする古豪で、1971年にスタートしたブラジル全国選手権の初代王者。国際的なタイトルとはほぼ無縁だったが、2012年にかつて2年連続でFIFA最優秀選手賞を獲得したロナウジーニョが加入し、現ブラジル代表のFWジョー、DFレーヴェル、GKヴィクトル、元代表のMFジョスエ、DFジウベルト・シウヴァといったタレントを擁して躍進を遂げると、今シーズンのコパ・リベルタドーレスでも快進撃。決勝でオリンピア(パラグアイ)を破り、クラブ史上初の南米王者に輝いた。大黒柱ロナウジーニョという傑物の下で結束し、世界一の座を狙う。

●広州恒大(中国/AFCチャンピオンズリーグ2013 優勝)
コンカ、エウケソン、ムリキといった南米出身の助っ人アタッカーを擁し、圧倒的な攻撃力を武器に中国勢として初の本大会出場を勝ち取った。指揮を執るマルチェロ・リッピ(元イタリア代表監督)の采配も注目される。

●アル・アハリ(エジプト/CAFチャンピオンズリーグ2013 優勝)
CAFチャンピオンズリーグ決勝ではオーランド・パイレーツ(南アフリカ)を破り、2年連続、大会最多となる8度目の優勝を飾ったアフリカ屈指の強豪。FWモハメド・アブートリカを軸としたカウンター攻撃は脅威。

●モンテレイ(メキシコ/CONCACAFチャンピオンズリーグ2012-13 優勝)
CONCACAFチャンピオンズリーグで3連覇を達成。エース的存在のFWウンベルト・スアソや、FWセサル・デルガド、MFネリ・カルドソといった連覇の立役者であるベテラン勢も健在。多彩なパスサッカーで初の決勝進出を目指す。

●オークランド・シティ(ニュージーランド/OFCチャンピオンズリーグ2012-13 優勝)
OFCチャンピオンズリーグで史上初の3連覇を達成。ニュージーランド代表のセンターバック、イバン・ビセリッチや、GKタマチ・ウィリアムズを中心とした強固なディフェンスが身上だ。元FC岐阜の岩田卓也も2年連続出場。

●ラジャ・カサブランカ(モロッコ/モロッコリーグ2012-13優勝/開催国枠)
モロッコ屈指の人気クラブで、2012-13シーズンの国内リーグを制し、開催国代表として出場権を得た。MFアブデリラー・ハフィディ、DFアディル・ケルヒー、DFモハメド・ウルハイといったモロッコ代表選手が中軸を担う。

FIFAクラブ・ワールドカップ 2013 モロッコ大会 試合日程

M1 12月11日(水)28:30 開幕戦 ラジャ・カサブランカ×オークランド・シティ
M2 12月14日(土)25:00 準々決勝 広州恒大×アル・アハリ
M3 12月14日(土)28:30 準々決勝 M1勝者×モンテレイ
M4 12月17日(火)28:30 準決勝 M2勝者×バイエルン
M6 12月18日(木)25:30 準決勝 M3勝者×アトレチコ・ミネイロ
M5 12月18日(水)28:30 5位決定戦 M3敗者×M2敗者
M7 12月21日(土)25:30 3位決定戦 M6敗者×M4敗者
M8 12月21日(日)28:30 決勝 M6勝者×M4勝者

日本テレビ系全国ネットにて独占中継!

FIFAクラブ・ワールドカップ 2013 モロッコ大会 放送予定

M1 12月12日(木)25:40 開幕戦 ラジャ・カサブランカ×オークランド・シティ
M2 12月14日(土)24:50 準々決勝 広州恒大×アル・アハリ
M3 12月15日(日)04:00 準々決勝 M1勝者×モンテレイ
M4 12月18日(水)04:00 準決勝 M2勝者×バイエルン
M5 12月18日(水)25:04 5位決定戦 M3敗者×M2敗者
M6 12月19日(木)04:00 準決勝 M3勝者×アトレチコ・ミネイロ
M7 12月21日(土)24:59 3位決定戦 M6敗者×M4敗者
M8 12月22日(日)04:00 決勝 M6勝者×M4勝者

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

SOCCERKING VIDEO