2013.10.05

【前園真聖の日本サッカー強化論】代表であれ、クラブであれ日本はアジアの強豪でなければいけない

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世界への扉を開いた前園真聖氏が自身の経験と取材を基に日本サッカーがさらに強くなるための方策をちょっと辛口で提言。今回は、Jリーグ勢が5年連続で優勝を逃しているACLの在り方について自身の見解を語った。


 AFCチャンピオンズリーグ2013は、決勝トーナメントにJリーグ勢で唯一残った柏レイソルも、準決勝の1stレグは4-1、2ndレグは4-0と結果的には惨敗に終わった。日本代表はアジアでは敵なしと言っても過言ではないくらいに成長しているが、ACLでは、2008年のガンバ大阪の優勝以来、早々に負けてしまっているシーズンが続いている。なぜ、Jリーグ勢は勝てなくなった!?

 ひとつは、経済面だと思う。

 今回の広州恒大は、あのイタリア人監督リッピが指揮をとっていた。それを見ても明らかなのは、中国超級リーグは豊富な資金力で有力助っ人を買い漁り、中東勢はオイルマネーを背景にビッククラブへと変貌している。

 逆にJリーグは、資金面では完全に勝てなくなっている。今までブラジルが重要な移籍市場だったけど、ブラジルの経済発展でブラジルリーグが発展し、ブラジルの選手に高額な給料を払うようになり、欧州にいかなくなったばかりではなく、おそらく日本にも簡単にいい選手を獲得することができなくなってきたよね。

 もうひとつは、過密日程。

 Jリーグのスケジュールはアジア各国に比べて1部リーグのチーム数が多く、カップ戦を含めれば過密日程になっている。中国や中東のオーナーの道楽的なマネーベースのビッククラブとは違い、入場料がベースのJクラブにとっては、試合数、チーム削減などはあり得ないはず。現にこれらのことから、ポストシーズン導入が確定したとも言えるね。

 2010年ワールドカップ以降、有望な選手が海外に移籍するようになり、スター選手がJリーグからいなくなり、Jリーグ自体も戦力が均衡しているし、日本代表が全員海外組なんてことも起きている。昨シーズンのG大阪の降格が象徴的だが、今シーズンも磐田が苦しんでいる。

 それだけ上位と下位の差がさほどない、過酷なリーグともいえる中で、優勝してクラブワールドカップ出場権を得られればいいが、そうでなければ「経験」以外にさほどメリットのない大会に比重をおくクラブは少ないかもしれない。現在のJリーグの置かれている様々な環境を考えれば、リーグで結果を残しながら、ACLを本気で狙うことは難しいのが正直な意見だ。

 でも、どんな状況であれ、日本はアジアの強豪でなければいけないと思う。それが、代表でアジアを制した日本の国内リーグに所属するチームの目指す姿だし、使命だと思う。有望な選手が海外に流れてしまっているが、「ACL制覇を目指すためにJリーグに残りたい。」と思われるリーグでなければならない。海外の選手が「ACLを制覇するためにJリーグのチームを選んだ。」と言ってもらわなければならない。

 簡単ではない状況であることは周知のとおりだが、もう一度、名実ともにアジア最高のリーグであるために意識を持ち直さなければいけないと感じる。ACLという大会を通して、それを証明してほしい。その意識が、日本サッカーを強くさせ、リーグの発展に繋がっていくとおれは思う。

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