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三田アナと前田さんのここだけの話「連動した守備で相手の良さを消し、リーグ3連勝!」

2013.09.30

365日FC東京モバイル

<9月24日>
三田:21日に行われたアウェーの名古屋戦は、東京が2-0で快勝。見事にリーグ戦3連勝ですね!

前田:久しぶりに自分たちのやりたいことができたという感じだね。それは、しっかりつないで攻撃的なサッカーができたというわけではなく、しっかり相手の良さを消すところから入れたという点で良かったと思う。

 このところ、広島、浦和との試合でもそういうやり方で結果を出しているから、名古屋戦でも守備から入ったよね。まずは相手の良さを消すところから、徐々に自分たちのリズムをつくっている。チーム全体として、前線から最終ラインまで、守備の意識がすごく高くなっているというのが感じられたよね。

三田:この試合では東選手がコンディションを考慮して先発から外れましたが、ここ2試合と基本的には同じやり方でしたね。

前田:そうだね。ナオ(石川)が右サイドでスタメン入りして、アーリアがトップ下に入ったけど、やり方はそんなに変わっていない。相手の良さを消しながら、ボールを奪ったときには今まで自分たちがやってきたサッカーを生かした攻撃で、1点目のアーリアの得点につながった。

 2点目も、後半終了間際に前からのチェイシングでボールを奪って、そのままネマの個人技で決めた。今までは自分たちのサッカーをやろうと、後ろからボールをつないで崩そうとしていたけど、なかなか突破できなくて、逆に自分たちのミスを相手に突かれるような展開も多かった。

 でも今回はそうではなく、相手の良さを消す守備から入りながら、奪ったら効果的に攻撃につなげることができたよね。

三田:なるほど。攻撃的にボールを支配したという感じではありませんが、つなぐサッカーにこだわりすぎず、しっかりとした守備からチャンスを生かすことができたんですね。

前田:そうそう。立ち上がりから主導権を握っているのではなく、ちょっと受け身な感じもするんだけど、決してドン引きしているわけじゃない。

 前の選手がある程度ボールが入ってきたところでしっかりプレッシャーをかけているし、そういうところから少しずつ連動してプレスをかけられるようになっている。先制点も、中盤からルーカスが仕掛けて、アーリアがゴールを決めたよね。

三田:アーリア選手、落ち着いた見事なゴールでした。一方で、名古屋の調子の悪さも感じましたね。

前田:名古屋は良くなかったね。天皇杯も格下に負けてしまっているし、怖さが全く感じられなかった。ケネディ頼みみたいになっているんだけど、そこは森重と張が激しくマークして、相手が嫌がるほどのチャージでイライラさせていた。思うつぼだったね。

 玉田が抜け出した決定的な場面は1つあったけど、ピンチらしいピンチはそのくらいだったね。東京がすごくいい守備をして、相手をしっかり封じ込めていた。

三田:選手交代は後半途中から平山選手、ネマ選手、最後に三田選手を投入しましたね。

前田:ここ最近結果を出している平山を、比較的早めに入れたよね。好調な平山に相手の意識が集中したところで、ネマがうまくチャンスを生かせたというのもあると思う。

三田:ネマ選手、久々のゴールで存在感を見せてくれましたね。それにしても、3連勝は自信になりそうです。

前田:そうだね。広島、浦和と上位チームを破ったことによって、東京としても自分たちのやるべきことがチームとして見えてきた。あの2試合が、東京が上に行くか下に落ちるかの節目だったと思う。そこで勝てたのは大きいね。

三田:3連勝で、順位も6位まで上がりました。ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)圏内もすぐそこですね。

前田:そうだね。下もまだ混戦だから1試合負けると入れ替わってしまうけど、上との差も小さい。試合内容も名古屋戦で良くなってきたし、それも広島、浦和との厳しい試合を乗り越えて結果を出した成果だと思う。自信がついてきたよね。

三田:次は大宮との対戦です。シーズン序盤は快進撃を見せていた大宮ですが、今は9位まで下がってきましたね。

前田:ああいう形で、まだそんなに成績も下がっていなかったのに監督を突然解任したり、バタバタしたことが影響しているんじゃないかな。

 もちろん、選手たちとの間にもいろんな不協和音があったりしたからこそ、あの時点で監督交代に踏み切ったんだとは思う。だけど、結果的に成績が上向けば、これで良かったということになるけど、こんなふうにズルズル下がってくると、その判断はどうだったんだろうということになるよね。さらに事態を悪化させて、混乱を招くことにもなってしまう。

三田:ベルデニック監督の解任には、疑問の声も多かったですよね。

前田:いくらいろんな問題があったとしても、成績が特別悪かったわけでもないし、かなり不思議だったよね。まして大宮は、戦力的にも絶対に優勝を狙わなくてはならないとか、常勝軍団というチームではない。

 むしろ毎年残留争いをしているチームが今年の序盤はいきなりあれだけの成績を出せたんだから、すごいよね。そこまで勝てるチームにさせたということは監督も評価されるべきだし、選手たちの間で不満があったとしても、勝てるという結果が大事だと思う。

 僕も現役時代にベルデニックさんがフリューゲルスのコーチだったからよく知っているけど、すごく細かいし、確かに厳しい人なんだよね。

 でも、このサッカーをやれば勝てるという確信があった。もちろん悪いときもあったけど、加茂監督もやり方を変えないという強い信念があって、あのサッカーを完成させれば4、5年の間は強いチームでいられるという考えを持っていたし、実際にある程度の結果も出たから、選手たちも信頼していたんだよね。

前田治(まえだ・おさむ) 昭和40(1965)年9月5日、福岡市出身。現役時代は横浜フリューゲルスのエースFWとして活躍し、Jリーグ通算103試合29得点、日本代表では40試合12得点の成績を残した。引退後はクラブチームのジュニアユースで監督を務める傍ら、各地のサッカー教室にも出向いて指導力、育成能力に磨きをかける。2004年から東京中日スポーツの評論記事「東京論」を執筆中。
三田涼子(みたりょうこ) 昭和53(1978)年6月20日 千葉県柏市出身。元TOKYO MXテレビアナウンサー。2003年から8年間にわたり、応援番組「FC東京ホットライン」のキャスターやJリーグ中継ピッチリポーターを務め、その後もFC東京の取材を継続中。現在はフリーアナウンサーとして、JFN(ジャパンエフエムネットワーク)及びTOKYOFMでニュースなどを担当。趣味はフットサル。

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