2013.09.13

[スペシャル対談]中田英寿と風間八宏が語るUEFAチャンピオンズリーグとは?

欧州最強クラブを決めるUEFAチャンピオンズリーグ。この大会の魅力について、中田英寿氏が風間八宏氏とともに大いに語った。日本を世界に導いた男の言葉をヒントに「世界最高峰」と呼ばれる“夢の舞台”をNOTTV(ノッティーヴィー)で気軽に楽しもう。


インタビュー=岩本義弘 写真=佐山順丸

――サッカーの「最高峰の舞台」としてはワールドカップ(W杯)とチャンピオンズリーグ(CL)が挙げられると思います。この2つの大会の違いについて、お2人はどう思いますか?

中田英寿 W杯は、より「勝つためのプレー」をすることが多いかなと思います。もちろん、CLも「勝つため」ですが、どちらかというと、選手が自分の主張を表現するプレーが多いのではないかなと感じます。「どちらのレベルが上か」というテーマはよく耳にしますが、CLのほうが、よりアグレッシブにいくプレーが多い。W杯は4年に一度ということもあるし、負けないプレーをすることのほうが多いと思います。その点で言うと、CLのほうが見ていて面白いプレーが多いのではないかと個人的に思っています。

――風間さんはいかがですか?

風間八宏 W杯というのは国を背負う戦いであり、しかも時間が短い。4年に一度というスパンでピークをどう合わせるかとか、チームとして毎日練習できるわけでもないですし、一試合一試合の責任も大きくなってくる。ヒデが言ったとおり、戦い方として「前に行く」よりも「少し後ろに引っ張られる」大会だと思います。CLは、世界中のうまい選手たちが集まって、自分の欲求で生きている世界。「ここで目立ちたい」、「このチームで優勝したい」という欲求です。しかも、チームとして毎日練習できるわけですから、プレーの中でも「俺はこういうプレーヤーだ」と、どんどんアグレッシブにやっていくと思う。どちらが上かという比較は難しいですが、大会の違いはそこにあると思いますね。CLがあるからヨーロッパには世界中から選手が集まってくる。ヒデはイタリア、イングランドでプレーしたけど、選手たちからそういう意識は感じた?

中田英寿 ある意味ヨーロッパの頂点だし、そこでいかに個人として活躍できるかがステップアップへの一番の近道だと思っていますね。

風間八宏 もちろん、チームの知名度が世界的に上がれば財政も潤う。いい言葉かは分からないですけど、「欲求のすべてが集まっている大会」であって、そこにみんなが目を向けている。言い換えると、そこには夢もあると思います。CLには、夢と欲求が集約されている。世界中からたくさんの選手が集まって、今は日本の選手も数多く行っている。好きなだけ欲を出してもいい、それがCLの魅力の一つかなと思いますね。

――ヒデさんから見て、CLの魅力はどういうところにありますか?

中田英寿 意外と面白いのが、今どの国がヨーロッパの中で主流なのかということが顕著に表れる。その点が、最近は見ていて特に面白いですね。昨シーズンはドイツの2チームが決勝に進みましたが、それまではスペインがずっと強かった。そうすると、スペインは国としても強くなる。この流れがドイツに移ってきていて、ドイツはリーグとしても成熟してきていますし、国としても強くなる。少し前にさかのぼると、イタリアが強い時期もあり、やはりその当時はイタリアに選手が集まっていて、という感じで、そういった全体の動きがCLを見ると顕著に表れています。そういう試合以外のところも非常に面白いと思います。

風間八宏 「続くだろう」と思われた流れが、1、2年で変わってしまう。トップを維持することが、どれだけ難しいかということの表れだよね。

中田英寿 一時期のバルセロナなんかは「絶対に倒せないだろう」という時があったけれども、それが翌年になると変わってしまうことがある。それがどういった原因で起こっているのかというところは、単純に試合を見るということ以外に、すごく面白い部分だと感じます。

風間八宏 いろいろな理由があるからね。リーグの繁栄の度合いも間違いなくあるだろうし、年齢を含めた選手の入れ替わりもあるだろうし。新陳代謝をしながら高いクオリティーを保つということは、経営陣も含めてどれだけ難しいことなのかと思うね。

中田英寿 例えば、マンチェスター・シティにお金が流れた途端、彼らは強くなったし、今はパリ・サンジェルマンも面白くなっているから、そういったこともまた、今までのサッカーの流れとは少し違うし、そういう意味でもどうなっていくんだろうかと興味深いですね。イタリアも僕がいた頃に比べると大きく変わり、リーグ自体の活気が少しなくなっている部分もありますが、僕はイタリアに長くいたので、個人的にはもう少し頑張ってほしいなと思っています。

風間八宏 ユヴェントスやミランといった「勝つことを知っているチーム」があるリーグは、また上がってくると思うよ。もちろん、そのためにはクラブの努力が必要になってきて、土台の部分というか、そういった意味で大きな努力が必要だし、そういうところを見ると面白いよね。

中田英寿 昔は選手の移籍しか取りざたされなかったけど、今は監督の移籍も大きく扱われている。その注目の仕方も面白いですよね。

風間八宏 今シーズンもチェルシーなんかはガラッと変わったよね。(ジョゼ)モウリーニョのサッカーは、昔のチェルシーだと「みんなで守って速いカウンター」だったり、「(ディディエ)ドログバに合わせて」だったりと、力強さがあるサッカーをしていた。でも、今のメンバーだとサッカーが違ってくると思う。実際、見ていても、きれいなサッカーをするし、面白い。変化という意味では、バイエルンも興味深いね。

――ヒデさんはジョゼップ・グアルディオラとも面識がありますよね。すべてのタイトルを取ったバイエルンで指揮を執るのは本当に大変なことだと思うのですが、彼の挑戦をどのように見ていますか?

中田英寿 バルセロナであらゆるタイトルを取りましたし、次の挑戦という意味では、違うリーグにチャレンジするのは当然の流れだと思います。彼のサッカーのやり方であれば、僕個人の感想としてはイタリアでは少し選手が不真面目かなと(笑)。他の国で考えた時に、イングランドではないなと思いますし、やはりドイツは国として合っていると思います。彼の真面目な性格でチームに規律をもたらす。ドイツはそういったことがすごく得意な国柄ですしね。だからこそ、僕は日本人選手はドイツに合うと思っています。バイエルンの話に戻ると、規律をもたらした上で、スピード感とキレをどうやってより出すことができるか。力強さやダイナミックさはもともとあると思いますし、技術のある選手もいますが、今度はそこにより高精度な動きの質をもたらすというか、選手個々が細かい部分で動きの質を高めて、チームとして相手が嫌がるタイミングや間をどうやって作っていけるかが彼の挑戦だと思いますし、そのためにはバイエルンというのは最適なチームだと思います。

――日本人という言葉が出ましたが、CLには今シーズンも日本人選手が挑戦しています。まずは、シャルケの内田篤人。コンスタントに試合に出続けていて、CLでも出場試合を重ねています。

風間八宏 一つは監督が認めているから。何を認めているかというとフィジカルを認めていると思いますね。内田は細い体で、体当たりをしたら負ける。でも、彼には当たらなくていいだけの読みとスピードがある。攻撃でもそうですが、ほとんど相手につかまらないですよね。彼のスピードは、向こうで認められている「フィジカル」だと思います。香川(真司)は今シーズンどうなるかまだ分かりませんが、ドルトムントにいた頃は、人よりも動けて人よりも速く走ることができ、なおかつ相手につかまらなかった。だから、彼のフィジカルとテクニックがものすごく評価されていた。(デイヴィッド)モイーズ新監督になって、そのフィジカルなどが認められるかどうか、それによって彼の出番が多くなるか少なくなるかも決まってくると思います。本田(圭佑)は強いフィジカルを持っていて、それは認められている。もちろん、本田も体を当てないでやったほうがもっともっと良くなると思います。日本人が向こうでやれるかどうかの一番のキーワードは、日本人が持っているスピードや俊敏性をフィジカルとして認めてくれる監督がいるかいないかだと思います。

――今シーズンの香川はマンチェスター・Uで苦しいスタートとなっていますが、それを打開するためには、選手目線から見るとどういうものが求められてきますか?

中田英寿 選手として「こういう風にしていきたい」ということと、風間さんが言ったとおり、監督が「こういう風にしていきたい」という方向性が合えばいいです。しかし、それがまったく違った場合に、選手として監督が言うことを優先するのか、自分がやりたいことを優先するのか、その違いもあります。ただ、長いサッカー人生ということで考えていくと、自分のやりたいことを大切にするべきだと、僕は思います。最終的に自分の特長、良い点を理解した上で出していく。それが一番大事だと思うし、選手として大成するかどうかという部分も関係してくると思います。チームに合わせて大成する選手はあまりいないけど、わがままを貫き通してだめになるか、良くなるかで分かれるから、記録よりも記憶に残るような選手になるためには、自分の特長を生かしたプレーをやっていくべきではないかなと。日本代表での彼のプレーを見ていても、個人の実力はあるし、マンチェスター・Uでももっとわがままにやっていいんじゃないかなと思います。マンチェスター・Uではシンプルなパスをつなぐことが多く、周りがそのシンプルさを生かし、自分を生かしている選手がたくさんいる。それを香川自身がやらなくてはいけないし、それをやってくれればいいと思います。彼ならできると思いますし、それを見たいですね。

――普段サッカーを見ることが少ない人も、『NOTTV』ではスマホやタブレットでCLを気軽に見ることができます。そういったライトなファンの方々に向けて、改めてCLの魅力をお願いします。

風間八宏 選手が夢見る一つの舞台だと考えていいと思います。そこには、うまくて強くて速い人しかいない。技術は楽しめばいいし、特にゴールに向かう姿勢は見ていてものすごく楽しい。それからもう一つ、もし自分があのスタジアムの中で見ているとしたら、どのような感じになるのかを想像して観客を見てもらうと、すごく面白いです。とにかく、いろいろな欲求、みんなの期待がかかっている舞台ですから、そこにいる日本人を応援するのもいいし、少し気持ちを入れて見てみるのも面白いかなと思います。

中田英寿 僕はサッカーをやっていた目線になるので、その選手にどういう意図があるかという見方をしてしまいます。単純に勝ち負けは見ません。プレーをしない人でも面白いと思う見方は、先ほど少し話に出ましたが、監督や選手が移籍してどうなったかという、これまでとの比較。それはサッカーを詳しく知らなくてもできることだから。あとは、どういう国籍の選手がいるか、国によって傾向がありますし、イタリア人やイギリス人はあまり他国でプレーしなかったりとか、国の特色が出ます。そういう点を考えながら見るのは詳しく知らなくても面白いかなと思います。例えば、僕が建築やアートを見に行っても詳しくは知らないわけで、だから単純に自分が感動できるかどうかしかない。それは好き嫌いであって、サッカーを見る時に「知らなきゃ分からない」わけではなく、単純に好きか嫌いか、面白いかどうかという視点で、面白いと思う選手やチームがあったら、それをフォローしてみると面白く見られるのではないかと思います。

風間八宏 自分だけの見方を見つければいいんだよね。プレーには絶対に驚きがあるから、プレーに関してはそれを探せばいい。「足でこんなことができるのか」と思うような選手が必ずいるので。そういう楽しみ方もあるから、見て驚いてもらいたいと思います。


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UEFAチャンピオンズリーグ13/14
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