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新天地について語るテベス「ユーヴェでは成功だけが認められる」

2013.09.18

Carlos Tevez (Juventus), JULY 23, 2013 - Football / Soccer : Trofeo TIM 2013 match between Juventus 0(6-7)0 AC Milan at Stadio Citta del Tricolore in Reggio Emilia, Italy. (Photo by Maurizio Borsari/AFLO) [0855]

[ワールドサッカーキング0919号掲載]

セリエAデビュー戦でいきなりの決勝ゴール。ユヴェントスの“新たな10番”は最高のスタートを切った。成功に満ちた歴史を誇り、成功だけが認められる新天地で、カルロス・テベスは、がむしゃらに栄光を追い求める。
テベス
インタビュー・文=グイド・ヴァチャーゴ Interview and text by Guido VACIAGO
翻訳=高山 港 Translation by Minato TAKAYAMA
写真=ゲッティ イメージズ Photo by Getty Images

「パーフェクトな夜だ」

 セリエA開幕節、王者ユヴェントスを勝利に導いたのは“新たな10番”だった。この日がセリエAデビューとなったカルロス・テベスは後半13分、ポール・ポグバのお膳立てからセリエA初ゴールをマーク。昨シーズン、ユヴェントスから唯一、2勝したサンプドリアを相手に決めた決勝点を振り返り、テベスは「完璧な夜」と喜びを表現した。

 リーグ3連覇、そして更なる栄光に向けて、頼れる“新10番”が誓いを立てる。

ユヴェントスでは成功だけが認められる

――まず、改めてこの質問からさせてもらおう。君はなぜ、ユヴェントスを選択したんだい?

テベス 俺はこれまでにボカ・ジュニオルス、コリンチャンス、それからマンチェスター・ユナイテッドでプレーした。世界最高峰のクラブでプレーするという幸運に恵まれた。そして、誰もが知っているとおり、ユヴェントスは世界最高のクラブの一つだ。ユヴェントスの歴史と伝統はよく理解しているし、ユーヴェからオファーが届いた時は、すぐにでもユーヴェに行きたいと思った。ユーヴェとマンチェスター・シティが合意に達することを心から願っていたよ。

――ミランはどうだったんだい? 君の友人でもあるアドリアーノ・ガッリアーニ副会長が獲得に乗り出したと報じられていたけど、実際のところはどうだったの?

テベス 確かに俺はガッリアーニをよく知っているし、俺は彼を親友だと思っている。ただ、正直なところ、彼とはこの数カ月、会ってもいないし話もしていない。恐らく、ミランの強化リストに俺の名前は入っていなかったんじゃないかな。まあとにかく、ミランからのコンタクトが一切なかったことは事実さ。俺にオファーを出してくれたのはユヴェントスだけ。そして、俺はユーヴェ入りを望んでいた。それが、うそ偽りのない本当の話だ。

――ユヴェントスの歴史についてどんなことを知っているの?

テベス 一言で言えば、それは勝利の歴史だ。ユヴェントスでは「成功」だけが認められる。俺たちは常に成功することを考えなくてはならないんだ。ユヴェントスには成功に満ちた長い歴史がある。イタリア国内だけでなく、ヨーロッパの舞台でも長期間に渡って勝利の歴史を築いている。イタリア代表にもたくさんの選手を送り込んでいるし、近年のイタリアサッカーを彩った名手も多い。(ミシェル)プラティニ、(ジネディーヌ)ジダン、(アレッサンドロ)デル・ピエロ、今で言えば(ジャンルイージ)ブッフォンもそうだ。本当に多くのフオリクラッセがビアンコネーロのシャツに袖を通している。できることなら、俺も栄光のプレーヤーの仲間入りがしたいと思っているよ。

――デル・ピエロの名前が出たけど、君は彼の背番号だった「10番」を引き継ぐ形になったね。

テベス デル・ピエロがつけていた10番を身につけてプレーできることを、すごく光栄に思っているよ。デル・ピエロは偉大な選手だ。ユーヴェの栄光に多大な貢献を果たした選手でもある。そんな選手と同じ番号をつけることに誇りを感じているよ。ただ、それをプレッシャーに感じることはない。俺はボカ時代、ディエゴ・マラドーナがつけていた10番を着用してプレーしたことがある。アルゼンチン代表でもマラドーナの10番をつけて何度かプレーした。10番のプレッシャーには、それなりに慣れているつもりだし、むしろ、モチベーションが高まるという感じだよ。

――アントニオ・コンテ監督からは何か特別なことを言われているの?

テベス 彼からは最初に「ユヴェントスの一員でいる限り、常に勝利のみを考えろ」と言われた。勝利を収めることの重要性、相手を凌駕することの大切さを熱く語ってくれた。彼の闘争本能の強さが伝わってきたよ。

――戦術面ではどんな指示を受けているんだい?

テベス 戦術的な指示についてはちょっと答えにくいけど、俺がこれまで一緒に仕事をした監督と比べて、FWにオフ・ザ・ボールの動きの質の高さを、より強く求めてくるタイプの監督だね。それからコンテは、とにかく走ることを要求する。練習でどれほど走らされていることか……今まで俺が経験した練習とはえらい違いだよ(苦笑)。

――もちろん、監督は君にゴールの量産も期待しているんだよね。

テベス FWとしてプレーする以上、それは当然のことだ。ただ、俺はゴールに飢えているだけの選手じゃない。俺が望むのはチームプレーだ。ゴールも好きだけど、チームメートのゴールを演出することにも喜びを感じるのさ。もちろん、俺にチャンスが回ってくれば、ボールをゴールネットに突き刺す自信はある。でも、俺は決してセルフィッシュな選手じゃない。コンテも俺がチームのためにプレーすることを期待しているんじゃないかな。

――チームの印象はどう?

テベス 最高だね。偉大なプレーヤーが偉大なグループを形成している、そんな感じだ。トリノに来たばかりの頃、チームメートから「ようこそユーヴェへ!」というメールをたくさんもらったよ。おかげで、すぐにこのチームになじむことができた。素晴らしいメンバーの一員になれたことをすごく喜んでいるし、ファンも俺を大歓迎してくれた。ユヴェンティーノのためにもベストを尽くすつもりさ。

――夏のキャンプで、ファンからのサインに応じた数は君がチームナンバーワンだったようだね。

テベス 確かに、相当な数のサインをしたと思う。でも、応援のためだけにわざわざ遠いキャンプ地まで足を運んでくれたファンに対してサインをするのは当然のことだろう? ただ、俺のサインを欲しがる人があんなにいるなんて少し驚いたけどね(笑)。

――でも、夏のキャンプだけでなく、トリノの練習場でも君は練習後、ファンのサインに応じている。新加入の君にとって相当きついのでは?

テベス コンテの練習メニューに比べれば、なんてことはないよ(笑)。

――イングランド時代の君は「怒りっぽい男」という印象だったけど、今は「いいヤツ」という印象を周囲に与えているね。いったい、君に何が起こったのかな?

テベス イングランドに渡ったばかりの頃、確かに俺は「怒りっぽい男」だったかもしれない。交代を命じられるたびに、監督に悪態をついてばかりいたしね。でも、今の俺は違う。俺なりに“サッカー選手のマナー”を学んだつもりだ。そう、人間は成長するのさ(笑)。

ユヴェントスでの活躍を誓うテベスが、今シーズンの目標を語る。インタビューの続きは、ワールドサッカーキング0919号でチェック!

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