[ワールドサッカーキング0905号掲載]
10歳でアカデミーに入り、20歳でトップチームの10番を託された男には、クラブの未来が委ねられている。アーセナルを知り尽くすジャック・ウィルシャーが、愛する“ガナーズ”への思いを語る。
インタビュー・文=浅野祐介 Interview and text by Yusuke ASANO
協力=大川 佑 Cooperation by Tasuku OKAWA
写真=山口剛生 Photo by Takeo YAMAGUCHI
僕にとって本当に誇らしいこと
――あなたにとって、アーセナルというクラブでプレーすることの意味を教えてください。
ウィルシャー アーセナルのユニフォームを着てプレーすることを、本当に誇らしく思っている。僕は小さい頃からこのクラブでプレーしている(10歳からアーセナルのアカデミーに所属)し、ファーストチームのユニフォームを着てプレーするのはずっと夢だった。このユニフォームを着るたびに誇りに思うんだ。僕はアーセナルとともに成長してきた。自分と同じようにアカデミーから上がってきた選手の中には、理由があってチームを離れた選手もいる。だからこのクラブでまだプレーできていることは、僕にとって本当に誇らしいことなんだ。
――アーセン・ヴェンゲル監督はどんな監督ですか?
ウィルシャー ボス(監督)からは実にたくさんのことを学んだ。特に、若手を育成する手腕に長けた監督だし、セスク(ファブレガス)やセオ(ウォルコット)たちを10代半ばの頃からチームに少しずつ溶けこませた功績も素晴らしいと思う。セスクは移籍してしまったけど、セオは今、トップチームで大活躍している。そういった環境に若い頃からいられたこと、ボスの指導を受けられたことは、僕の成長のためにもとても良かったと思う。
――今シーズンのプレミアリーグの優勝争いについてはどう考えていますか?
ウィルシャー プレミアリーグはタフだし、勝利を手にするのがとても難しいリーグだ。シーズンは長いし、プレミアリーグだけでなく、3つの異なるカップ戦もある。選手層が厚くなければならないし、ローテーションもうまく組まなければならない。我慢強くならなきゃいけないんだ。厳しい試合でも、ビッグマッチでも、アウェーでの対戦でも、できる限り多くのポイントを稼がなければいけない。
――今シーズンは、ご自身のどんなプレーに注目してほしいですか?
ウィルシャー アーセナルのプレースタイルは、自分のプレーに非常に合っていると思う。パスを出して、動いて、時にはドリブルを仕掛ける。とてもプレーしやすい環境だと感じているよ。ボスは『こういうプレーをしろ』とは言わず、好きなようにやらせてくれるんだ。もちろん、組織としてのしっかりとした動きは必要になるけど、それさえできていれば選手に自由にプレーさせてくれるから、自分のスタイルにもとてもフィットしていると思う。
――日本でのプレシーズンマッチの感想を教えてください。
ウィルシャー 日本のクラブは、プレシーズンで戦った他の相手よりもレベルが高かった。日本人は技術的にも優れているし、運動能力も高い。僕らは良いプレーをしたと思うけど、日本のクラブとの戦いは厳しいものだったよ。
ウィルシャーが定位置獲得を目指す宮市を絶賛。インタビューの続きは、ワールドサッカーキング0905号でチェック!