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不動の地位を築いた清武弘嗣がドイツ2年目のシーズンで求められること

2013.08.09

[ワールドサッカーキング名鑑・開幕版掲載]

清武弘嗣を獲得するために準備された巨額のオファー。しかしニュルンベルクは迷うことなく「ノー」と答えた。日本人の絶対司令塔はチームにとって不可欠な存在であり続ける。
清武弘嗣
文=キム・デンプフリング Text by Kim DAEMPFLING
翻訳・構成=EIS Translation and Organisation by EIS
写真=アフロ Photo by AFLO

清武の価値は1000万ユーロ

「プレースキックの神様」

 昨シーズンの清武弘嗣がそう呼ばれたのも不思議ではない。ニュルンベルクの司令塔として記録したアシストは「10」。清武はセットプレーのキッカーとしていくつもの決定機を生み出し、チームにとって値千金のゴールを何度も演出した。

 しかし一方では、彼自身に関する「決定力不足」が指摘された。相手ゴールに近い攻撃的なポジションでプレーしながら、自らゴールネットを揺らしたのは4度のみ。シーズン開幕前に彼自身が宣言した「10得点10アシスト」のノルマには遠く及ばなかった。

 それでも、昨シーズンのパフォーマンスで清武のネームバリューが上がったことは間違いない。その証拠に、かつてドルトムントのMFとしてチャンピオンズリーグ制覇を経験したポール・ランバート率いるアストン・ヴィラがこの夏、清武獲得のために1000万ユーロ(約13億円)の資金を準備したのである。

 もっとも、ニュルンベルクのスポーツディレクターを務めるマーティン・バーダーは、迷うことなくこのオファーを断った。

「放出するつもりはない。オファーが届いたことはうれしいが、ヒロシは必ずチームに残る。契約はまだ2年も残っているんだ」

 恐らく、ニュルンベルクほどの小さなクラブがこれほど高額のオファーを断ったことは史上初めてのことである。

 この一連の事実によって明らかになったのは、ニュルンベルクというクラブの健全な金銭感覚だけでなく、このチームにおける清武のポジションが不動であるということだ。昨冬からチームの指揮を執るミヒャエル・ヴィージンガー監督からの信頼も厚い。

「彼の存在は試合の決め手となる。攻撃的なポジションのすべてでプレーできるし、非常にクレバーな判断力を伴ってボールをコントロールできる。運動量にも不足はない」

ニュルンベルクで迎える2年目も、レギュラーの座は揺るぎないものと予想されるが、唯一の懸念材料が存在……。続きは、ワールドサッカーキング名鑑・開幕版でチェック!

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