新シーズンへの意気込みを語ったアルテタ
[ワールドサッカーキング0815号掲載]
過去2年間、タイトルと縁遠い時期を過ごしても、アーセナルの副キャプテンに焦燥感や悲壮感はない。2013年夏、日本を訪れたミケル・アルテタからはポジティブなオーラがにじみ出ていた。
インタビュー・文=国井洋之 Interview and text by Hiroyuki KUNII
協力=斎藤 兼 Cooperation by Ken SAITO
写真=ゲッティ イメージズ Photo by Getty Images
常に謙虚で、その語り口は冷静かつ知的。ミケル・アルテタの印象は、彼のプレーから抱くイメージと全く変わらなかった。クラブスポンサーを務めるエミレーツ航空主催で行われたサッカークリニックでも、終始笑顔で子供たちを熱血指導。「日本のファンをハッピーにしたい」という言葉にうそはなかった。
アーセナル加入から2年、アルテタは持ち前の献身性で苦難の時期にあったチームを陰ながら支えてきた。そして数々の試練を乗り越えた今、彼の献身が報われる日は確実に近づいている。
新シーズンを戦う準備はできている
――あなたはアーセナルに加入して以来、守備的な役割を担うことが多くなりました。どのように感じていますか?
アルテタ アレックス・ソングがチームを去ったことで中盤にギャップができてしまい、監督にその穴を埋めてくれと頼まれた。僕はその要望に応えたまでさ。ちょっと順応すればいいだけの話だし、ベストを尽くし、チームに貢献できればいいと考えている。
――あなたが欠場すると勝率が下がるというデータがあります(過去2年間でアルテタが欠場したリーグ戦の戦績は2勝4分け4敗)。これについてはどう思いますか?
アルテタ 興味深いデータではあるけど、あくまでもデータだよ。僕がいなくてもチームには勝つ力がある。まあ、新シーズンはケガをせずに全試合でプレーしたいけどね。
――中盤でコンビを組むジャック・ウィルシャーやアーロン・ラムジーをどのように評価していますか?
アルテタ 彼らを評価するのは僕ではなく監督だ。まあ、彼らとプレーする時はとても安心していられるけどね。中盤には他にも(トマーシュ)ロシツキやサンティ(カソルラ)のような素晴らしい選手がいる。みんな違った特徴を持っているけど、どの選手とでもうまく連係できると思っているし、お互いに助け合っているよ。
――あなたはクラブに加入した直後から副キャプテンを務めています。何か心掛けていることはありますか?
アルテタ 監督が副キャプテンに指名してくれたことはとても光栄だった。加入して間もなかったけど、それで自信が生まれたし、チームに貢献しなければいけないという責任感も芽生えた。今はピッチ内外で少しでも自分の経験を生かせるよう心掛けている。
――加入当時、アーセナルは苦しい状況にありました。それから2年間でチームの成長を感じますか?
アルテタ すごく成長したと思う。良い補強もしたし、今は素晴らしいチームになった。この夏もいろいろと補強の話が進んでいるようだしね。新シーズンを戦う準備はできている。とにかくベストを尽くして、ライバルとの差を縮めたいと思っているよ。
――新シーズン、最大のライバルはどこになると思いますか?
アルテタ やっぱり(マンチェスター)ユナイテッドだろうね。彼らは常に優勝候補だ。監督が代わって多少戦い方は変わると思うけど、引き続き強力なチームだろうね。ジョゼ・モウリーニョが戻って来たチェルシーもより手強い相手になると思うし、毎年ビッグネームを獲得している(マンチェスター)シティーも忘れてはいけない。タフな1年になることは間違いないよ。
――アーセナルがタイトルを取るために、足りないものがあるとすれば何ですか?
アルテタ 「勝利」かな。ただ、勝ち負けは本当に紙一重だから、具体的に何が足りていないかなんて言えない。過去数シーズンは早々に優勝争いから脱落しているけど、これ以上同じ過ちは繰り返せない。新シーズンは取れるタイトルはすべて取ろうと思っているし、監督もそれを目指している。すべてがうまくいくように願っているよ。
アルテタがスペイン代表、チームメートに言及。インタビューの続きは、ワールドサッカーキング0815号でチェック!