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<5分で分かるイタリア代表>カテナチオからポゼッションへの変貌…新生イタリアのサッカーは

2013.06.14

若返りを推し進めるイタリア代表。チームを牽引するのはバロテッリとベテランのピルロ [写真]=Getty Images

イタリア

◆イタリア(ヨーロッパ代表)
FIFAランク:8位(6月6日発表)
日本との国際Aマッチ対戦成績:0勝1分0敗
日本戦開催日時:6月20日キックオフ(日本時間)

◆カテナチオからポゼッションへの変貌…新生イタリアのサッカーは

 2002年ワールドカップで、イケメン集団と騒がれたのも、今となっては遠い昔。今大会に臨むメンバーは、野性味溢れる骨太の選手達が揃った。

 代表格は、前線に君臨するマリオ・バロテッリ。ロベルト・バッジョ、アレッサンドロ・デル・ピエロ、フランチェスコ・トッティと続いた所謂ファンタジスタは不在となったが、代わりにテクニックとパワー、スピードと、三拍子を兼ね揃えた豪快なストライカーがエースを担う。

 前線に鎮座する選手の変化とともに、イタリアの代名詞だった“カテナチオ”という堅守を売りにした速攻主体の戦術も、ボールポゼッション重視のスタイルに移行。元日本代表MFの中田英寿氏がフィオレンティーナに在籍していた当時、指揮官を務めていたチェーザレ・プランデッリ監督の下、劇的な戦術転換を果たしてユーロ2012では準優勝という成果を挙げた。

 初優勝を目論む今大会は、GKジャンルイジ・ブッフォンやDFジョルジョ・キエッリーニ、DFアンドレア・バルザーリを中心としたリーグ連覇を果たしたユヴェントス勢が後方を固めることで、持ち味の守備力を維持。前線にバロテッリや今シーズンにブレイクを果たしたステファン・エル・シャーラウィといったミラン勢を据える。とは言え、『守って守って、あとは前線のタレント任せ』という戦術ではなく、あくまでもポゼッションサッカーを継続。心臓部の中盤では、優雅にパスを配給するアンドレア・ピルロの周りをクラウディオ・マルキージオとダニエレ・デ・ロッシが豊富な運動量で走り回ることでバランスを取らせる構成。

 大会に臨むメンバーには、ともに20歳のエル・シャーラウィとマッティア・デ・シリオを加えるなど、1年後のワールドカップを見据えた更なる若返りにも着手し、進行中のワールドカップ予選でも無敗でグループ首位を快走。大会前の調子の悪さやゴタゴタが好成績に繋がる奇妙なジンクスを持つだけに、いつになく順風満帆に進んでいる様子が、唯一の不安材料か。

◆基本システム・メンバー
4-3-3
GK:ブッフォン
DF:アバーテ、バルツァーリ、キエッリーニ、デ・シーリオ
MF:デ・ロッシ、ピルロ、マルキージオ
FW:チェルチ、バロテッリ、エル・シャーラウィ

◆キープレーヤー
FW|マリオ・バロテッリ(22歳|ミラン)
観客の度肝を抜く衝撃的なゴールを挙げたかと思えば、不要なファウルや暴言などで度々退場処分を食らう破天荒なスーパー・マリオ。チームメートや監督との揉め事は日常茶飯事など、私生活の問題行動は絶えないが、一度ピッチに立てば、自由奔放な態度から生み出されるプレーはまさに圧巻の一言。誰もが認める実力がありながら、時として暴走する危険性も併せ持っていることから、文字通りイタリアの行く末を左右する存在と言える。

MF|アンドレア・ピルロ(34歳|ユヴェントス)
インテル、ミラン、ユヴェントスとイタリアの3大クラブに在籍した経験のあるアズーリの心臓。選手生活も晩年に差し掛かってきたが、卓越した技術は衰え知らず。中盤の底から供給する長短交えた正確無比なパスで、攻撃を司る。2006年のドイツ・ワールドカップ制覇、ユーロ2012準優勝と、近年のイタリア代表が残した好成績に大きく貢献してきた。5月には「ブラジル・ワールドカップが最後の舞台」と語り、来年を最後に代表引退すると表明した。

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