第四回「サラリーマンが戦う日、BFB決戦開始!」
31歳。東中野に住み、八丁堀に勤めるサラリーマン。そんなどこにでもいる男が鶴の一声で始めたのは、スマホ用ゲーム『バーコードフットボーラー』だった。サラリーマンライフの脇にゲームを携え、男は徐々にその世界へのめり込んでいく――。
いよいよ始まるは、待ちに待った「代表戦」である
内勤だった11月7日の正午。昼休みの到来と同時に、戦いの火蓋は切って落とされていた。「第6回レベル別代表戦」の開幕である。「代表戦」とは、ゲーム開始時に登録した場所ごとにユーザーを分けて戦わせ、「ホームタウン」→「都道府県」→「地域」→「日本一決定戦」と、それぞれのエリアで「代表権」を勝ち取りながら戦いのステージを上げていく大会である。初めての大会参加とあっては心が躍るというもの。この日のために強化にも励んできたのだ。そうそう負けるつもりはない。
同僚からは飯に誘われた。珍しく上司からも声をかけられた。否。行かぬ。おれは代表戦を戦うのだから。まずはホームタウン代表を戦う戦いである。与えられる期間は12:00から23:00までの約半日。8位までに代表権が与えられるという方式らしい。私がエントリーしたのは「U-20部門」。参加者のチームレベルが20以下の初心者に限定されたカテゴリーである。これは優勝しちゃいたいところである
代表戦を特徴付けるのは、この「フレンド選手」である
上級者のフレンドから借りたストライカー・[S]ゾラタン。正直、強いっす。
この代表戦が変わっているのは、最大5人までの「フレンド選手」を使えることである。試合を始めようとするとベンチメンバーに代わって颯爽と現れる5人の戦士。白きオーラをまとう彼らは、熱き絆で結ばれた(?)フレンドたちから提供された「フレンド選手」である。中には上級者もいるので、明らかに破格の能力値を持った選手もいたり……。彼らを組み込んで戦っていけばいいわけだな。いきなり3連勝スタートとなった我が八丁堀キング。し、しかしどうにもズルをしているような背徳感があるな…。もともとこの大会に向けて鍛え抜いたチームではないか。お気に入りのイケメン右サイドバック・内山くんをベンチに回して勝って、そこに爽快感はあるのだろうか? ええい、フレンド選手なんぞに頼らず戦い抜いてやるわ!!
自力ではこんなもの。待っていたのは無惨な結末であった
よ、弱い……。俺たちって、こんなに弱かったのか。いや相手が強いと見るべきかもしれない。さすがは東京。激戦区であろうことをすっかり失念していた。ど、どうも分が悪いので、フレンド選手なしで勝てる気はしなくなった。というか、ほかの代表戦参加チームだって当然フレンド選手使っているんだろうし!
選手、お借りしました
まずGKに白石健二。・・・って、『シュート!』の白石健二かよ!
センターバックには吉田麻也。・・・って、ホンモノの日本代表選手かよ!
さらに中盤と前線にも補強し、まさに万全の陣容が整ったと言えるだろう。あ、内山くん。君はベンチ外だ。これは実力の世界なのだから。
借りるだけではなく、貸すこともできるのが代表戦の面白いところだろう
とはいえ、借りているだけではフレンドの皆様に申し訳ないので、ウチの選手を派遣する設定もしておこう。たぶんウチのFWやMFでは力になれまい。人材難になりがちなポジションでありながら、ウチの選手では最高クラスの能力を誇る右サイドバックのザ・アリマを派遣選手に登録しておいた。誰かの役に立てたのであればいいのだが……。
無事に都大会へ。5位だけど。行けなかったらこの連載どうしようかと思っていた(メタ発言)
結果的にホームタウン戦は、フレンド選手たちのパワーを(かなり)借りつつ、見事に東京都代表戦まで勝ち進むことができた。とはいえ、痛感したのはわがチームの地力不足。最初の予選段階とでも言うべき段階でこの体たらくなのだから、レベルが数段上がると予想される東京都代表戦で勝てるかは怪しいものである。そもそもフレンドの皆さんに借りっぱなしで大した戦力提供をできていないのも心苦しい。さらなる選手獲得の手段にトライしてみるしかあるまい。
このゲームの選手ガチャは多種多彩。これまで引いたのは左の3つのガチャである
BFBポイントを購入して引く二つのガチャ、「プレミアムガチャ」と「イレブンガチャ」に挑戦してみることにした。前者はオーソドックスなガチャと言え、一人の選手が当たる。高確率でレア選手が出てくるが、約束されているわけではない。後者の「イレブンガチャ」は名前のとおりに「11人の選手」を引ける強力なガチャだ。FW2人、MF4人、DF4人、GK1人が必ず出てくるので、ポジションが偏る心配もない優れもの。しかも☆5以上の選手が必ず1人は含まれているので「ハズレがないガチャとも言えそうだ。
プレミアムガチャは比較的オーソドックスな選手ガチャだ
イレブンガチャは、なんと11人の選手が出てくるという強力なガチャ
イレブンガチャを1回、プレミアガチャを4回引いてみた。初回の割引特典は地味にうれしいところで、イレブンガチャでDFアピース(☆6)、プレミアガチャでガッアー(☆5)の獲得に成功! さっそく二人を組み込んで新チームを再編した。内山くんはまたベンチ外になりそうだ……。
さあ、都大会だ。戦う準備は整った!
さすがは都大会。相手の強さにも骨がある。て、手強い
新たな陣容を固めて臨むは、東京都の代表戦。今度の突破枠は5つとグッと狭まっている。格闘技の達人になると、組み合っただけで相手の強さが分かるというけれど、バーコードフットボーラーの場合は達人などではない単なるサラリーマンでも画面を観ていれば分かるというもの。さすがに都大会になってくると、ワンランク相手のクオリティーが違う。大活躍する守護神・白石くんにも支えられ(セーブし過ぎてハーフタイムでよくヘバっていた……)、なんとか上位5位以内を固守。無事に3位で都代表となり、関東へ駒を進めることに成功した。
無事に東京都大会グループ3位に滑り込んだ八丁堀キング
いよいよ相手が強い。ハーフタイムでの采配の重要性も痛感した
続いて臨むは関東代表戦。ここに勝てば夢の全国舞台である日本代表戦が待っている。自然と胸躍る戦いは、しかし本当に厳しい激戦だった。借り物の助っ人たちは相変わらずよくやってくれるし、新加入のDFアピースも存在感を出してくれている。それでも「分」と「負」の回数が増えるのは止め切れない。白星を積み上げるライバルたちの戦果にドキドキしつつも、何となく「戦友」のような気持ちも芽生えてくる。一人からフレンド申請が来たので即承認。逆に僕からも代表権を争うライバルたちにフレンド申請をしてみたが、皆が即承認してくれた。なんだかすごくうれしい。これがソーシャルゲームか! 結果として、わが八丁堀キングは2位でフィニッシュ。優勝は逃したものの、全国切符はキッチリ確保することに成功した。
合格ラインが遠いし、突き上げもキツい。参戦者の気合いがさすがに違う
最後は何とか2位通過。苦しかった…
ライバルを打ち払い、踏み入れる先は全国大会。思えば、俺が学生のころは一度も「ゼンコク」に足を踏み入れることはできなかったな、と感慨にふける。決戦は11月10日の日曜日の正午からである。だがそんな日の朝、私の携帯電話が不吉で耳障りな音を響かせた。(太鼓腹の)上司からだ……。
「いまから出てこい。代休はちゃんとやるから心配するな」
「は?」
休日出勤の指示だった。営業1課が担当するはずだったイベントで手違いがあって人手が足りず、急きょ私の所属する2課に応援の要請が入ったらしい。
「そ、そんな今日は全国大会が、日本代表を決める戦いが待っているんです!!」
そんな言い訳がノド元まで出かかるが、通じるはずもない。まあ、イベントといっても試合をこなすスキくらいはあるだろうと電車に乗り込み、渋谷へと向かう。運が悪いというか、イベントの開場時間は正午。なんとも嫌らしいバッティングだ。現地に着いてみて分かったが、なるほどいかにも人手不足だ。さっそく荷物運びを命じられて始まり、そこからはまさに「てんやわんや」。大小のトラブルを部署一丸となって乗り切り、「お疲れ様でした!」のかけ声を聞いたころ、時計の針が指していた数字は――。
なんということだろう。残り時間は15分。もはやこれまでというほかあるまい。地区代表をめぐる戦いならまだしも、これは日本代表をめぐる戦いなのだ。ここから巻き返しを許してくれるような甘っちょろい舞台ではない。それでも数戦をこなしてみたが、さっそく重なる黒星。そもそも正午から戦っていても現状の戦力で勝てたかは怪しいものだ。この敗戦を、受け入れよう。日本サッカーの父として有名なデッドマール・クラマーさんも言っていた。試合終了のホイッスルは、次の試合に向けたキックオフの笛である」と。
八丁堀キングにとっての初めての代表戦は、こうして幕を閉じた。
無惨な結末となってしまったが、まずはこの現実を受け入れよう
編集・構成/川端暁彦
30代男サラリーマンBFB開始記念! フレンドポイント2,000ptプレゼント!
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◆特典入手方法
バーコードフットボーラーゲーム内 > 設定 > シリアルID > 『「サッカーキング」フレンドポイントプレゼント』を選択し、 上記シリアルIDを入力 > プレゼントにフレンドポイント2,000ptが届きます。
※1IDにつき1回のみ入力可能です。
キャンペーン期間:2013年10月25日(金)12:00~2013年12月2日(月)11:59
第一回「31歳サラリーマン バーコードフットボーラーを始める」