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2018.07.18

リーグタイトルを目指すケンタトーキョー…さらなる躍進のカギはラスト15分の精度アップ

快足2トップが躍動し、ケンタトーキョーを牽引

 ロシア・ワールドカップはフランスの5大会ぶり2度目の優勝で幕を閉じ、“世界”を沸かせた熱気が依然として漂うなか、今月18日にJ1リーグが約2カ月ぶりに再開する。この中断期間に、ヴィッセル神戸がバルセロナからイニエスタを、サガン鳥栖はアトレティコ・マドリードからフェルナンド・トーレスを獲得。近年まれに見るビッグネームの加入によって、Jの舞台は一層華やかとなった。

 そのなかで東京は中断期間前のリーグ第15節終了時点で、首位のサンフレッチェ広島と勝点9差の2位につける。念願のリーグ初制覇へ、いよいよ“長谷川トーキョー”の第2幕が上がる――。今シーズンの東京は、チームの再建を長谷川健太監督に託し、新たなスタートを切った。開幕から3試合未勝利と“産みの苦しみ”を味わったものの、その後は右肩上がりの成長曲線を描いた。

 その要因を、長谷川監督はこう語った。

「選手が本当によく頑張ってくれた。特に、2トップがはまったこと。それが一番大きい」

 代表経験者がずらりと揃う中盤から後ろの組み合わせは早い段階で固まった。だが、開幕前から前線の組み合わせは試行錯誤が続いていた。指揮官は「後ろは能力の高い選手が多いので、はじめから守備面に手応えはあった。ただ、上位に進出するためには得点を取らなければいけない。その意味で『いかにゴールを奪うか』が今シーズンのテーマだった」と言う。

 柏レイソルから期限付き移籍で獲得したディエゴ オリヴェイラを軸に、いくつかの組み合わせをテストしてきた。トライ&エラーを続けるなか、第5節ガンバ大阪戦で永井謙佑をFWとして起用。「ここ数年、FWとしてプレーしていなかったが、感覚が戻ってくれば、彼のシュートのうまさやポテンシャルを活かした形ができるかもしれない。その期待はあった」。結果的に、長谷川監督が期待を寄せていたこの采配が功を奏した。

 リーグ屈指の快足2トップは、長谷川監督が「ファストブレイク」と呼ぶ攻撃スタイルをピッチで体現。ゴールへの最も効果的な道筋をいち早く見つけ、成熟させることでチームは安定感を増した。J1リーグ4連勝のあとの第8節セレッソ大阪には敗れたが、第9節では首位広島を破るなど、破竹の勢いは衰えず、中断までの残りのリーグ7試合を無敗で駆け抜けた。

“仕上げのリンス”加入で、終盤の得点力アップに期待!


 着実に勝点を積み上げる一方で、ある課題が浮き彫りとなった。ここまでの15試合の時間帯別得点比率を見ると、開始15分までは7得点、15分から30分は1得点、30分から前半終了までは3得点。後半開始15分までが8得点で、そこから30分までが2得点。だが、ラスト15分においては1得点も挙げられていない。J1全クラブで、この時間帯に得点が挙げられていないのは、東京のみだった。

 先行逃げ切りの試合が多かったことも確かだが、中断前のラスト2試合はいずれもスコアレスドローだった。それだけにラスト15分の戦い方、相手を仕留めるゴールをいかに奪い切るか。長谷川監督はこの課題にフォーカスし、中断期間中にはチーム全体のクオリティとフィニッシュの精度向上に取り組んできたという。

「難しい展開でも勝ち切るだけの攻撃力や、仕留める力が必要になる。それは先発以外のメンバーも含めてチームとしてゴールを取れるようにしていかなければいけない」

 この中断期間中にガンバ大阪時代の教え子であるリンスをヴァンフォーレ甲府から期限付き移籍で呼び寄せた。第17節横浜F・マリノス戦から出場が可能となるが、文字通り“仕上げのリンス”という、今の東京にとって打ってつけの切り札を手に入れた。Jリーグでの経験を持つアタッカーの加入により、終盤の戦い方のバリエーションは確実に増し、リンス自身の得点力に掛かる期待は高まりを見せている。

 子どもたちにとっては、待ちに待った夏休みがいよいよ始まる。この間、チームとしても『りらいあコミュニケーションズの日https://www.fctokyo.co.jp/news/9061〕(第17節)『XFLAG Dayhttps://www.fctokyo.co.jp/news/9078〕(第18節)など、趣向を凝らしたイベント盛りだくさんでチームを後押しする。また、『Teddy Bear Dayhttps://www.fctokyo.co.jp/news/9101が開催される第20節にはロシアW杯にスペイン代表として出場したイニエスタが加入したヴィッセル神戸との対戦を控えるなど見どころは多い。

 もちろんピッチ上でも“上位食い”を目論む相手に主役の座を譲るつもりはない。長谷川監督は「W杯で目の肥えたファン・サポーターの期待に応えられるような、東京は面白いと思わせるサッカーをしたい」と口にする。今年の夏を熱くさせるのは、見るものの心を打つほど走り続けるケンタトーキョーで決まりだ。

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