
サポーター製品やアイシング用品、さらにテーピングやトレーナー用品の開発・販売を行う「マクダビッド」でブランドマネージャーを務める五所隆之氏は、特にプレーヤー自らが自身の身体を守ることの重要性についてこう話す。
「サッカーは非常にコンタクトの激しいスポーツ。第1回でお話ししたとおり、肉離れや打撲はプレーヤーにとって大敵です。特に、相手選手とのクロスプレーが多く、セービングで地面に身体を打ちつけるGKというポジションは、打撲というケガと常に向き合いながらプレーしなければなりません。マクダビッドは、その対策となる革新的なアイテムを開発し、世界でも有数の選手たちに愛用されています」

確かにGKは、ボディコンタクトの激しいポジションだ。ゴール前の混戦では勇気を持って相手の足元に飛び込まなければならない。空中戦になれば無防備の状態でボールに集中しなければならない。もちろん、セービング一つをとっても、今度は対相手ではなく、地面とのコンタクトを避けられない。生半可な気持ちでプレーできるポジションではない。わずかな一歩が勝負を分ける。だからなおさら、ケガを恐れていては務まらない。
ただし、“気持ち”の入れ方だけでケガが防げるわけではない。だから無防備な身体を守るためには、それ相応のアイテムを身に付ける必要がある。
「練習の段階でいかにケガを予防するか、これがとても重要なことだと考えています。練習でケガをして試合に出られない、あるいは100パーセントの力を発揮できないのでは意味がありません。GKは練習時からしっかり自分の身体を守り、試合で最大限のパフォーマンスを発揮できるようにしてほしいですね」
もちろん世界のトッププレーヤーたちは、この考えを十分に理解し、それぞれに対策を講じている。彼らがユニフォームの下に着用しているのは、さまざまな機能と防護性を備えた最新型の“戦闘服”だ。試合で100パーセントの力を発揮するために、練習では100パーセントの気を配って自分の身体を守る。しかし、残念ながら育成年代においてはこの考え方が浸透しているとは言い難い。
「例えば高校生の場合、代えが効かない絶対的な守護神というケースが少なくないですよね。だから仮にケガをしていても、打撲程度では休むという選択をしない。でも、多くの子どもたちが土の硬いグラウンドでプレーしていますし、故障を抱えた状態でプレーを続けていると、試合で最高のパフォーマンスを発揮できない。彼らは、無理をする、我慢する、ということを繰り返しているのです」
だからこそ、早い段階で対策を講じる必要がある。
「レベルが上がるほど目指す目標は高く、きっとプロになることを夢見ている選手も数多くいるでしょう。だから、ケガで悔しい思いをしてもらいたくない。私たちは、世界のトッププレーヤーが実践している“自己防衛策”を、小学生の子どもから大学生、社会人に至るまで、すべての年代に同じように実践してもらいたいのです」
五所氏がそう力説する理由は、自社で開発した革新的なアイテムに対する絶対的な自信にある。

シャツ、ショーツ、アームスリーブ、レッグスリーブなどのラインナップに内蔵されている「HexPad」が、GKの「身体を守る」というニーズを満たすものであることは一目瞭然だ。
GK用のアンダーウェアはもう何十年も前から市場に出回っているが、従来品の多くは1枚形状のパッドが埋め込まれたものだった。しかし、これは“板状”という性質から、身体へのフィット感を得られず、腰、肩、肘等の動きの中でさまざまに変化する部位を守るアイテムとしては不十分だった。そこで誕生したのが、この「HexPad」である。
六角形の独立した粒状のパッドが一体的なハニカム構造を形成して支え合い、効果的に衝撃を吸収・分散する。それぞれに独立した厚さ9ミリのパッドを組み合わせることで、身体の動きに合わせてパッドが自在に変形する。だから激しい動きでもズレることなく、違和感なくカラダにフィットし、GKの動きを妨げない。もちろん、防護性も抜群だ。

左:独立した六角形のパッドが的確に衝撃を吸収 右:六角形のパッドは違和感なくカラダにフィットし動きを妨げない
また、吸汗速乾性に優れた素材を用いているため、汗や水分の吸収による重量感を感じることもない。両面をサンドするように圧着することで、運動中にパッドがズレることもない。もちろんそれは、プレーヤーがパッドを身にまとっていることを忘れるくらい、プレーに集中することを意図している。さらに、六角形パッドの間には隙間があり、通気性も確保。まさに身体と素材が一体化することで、従来のアイテムが抱えていた問題を一気にクリアした。

五所氏が続ける。

「前回紹介させていただいた大腿部やふくらはぎのサポーターと同様、これらの商品についても『プレーヤーが100パーセントのパフォーマンスを発揮する』ということをコンセプトとして開発しています。日本サッカーの発展において、“ケガをしない環境”をいかに作るかは、とても大きな課題の一つ。芝生のグラウンドもまだまだ少ないし、ケガによって道をあきらめてしまう子どもたちも多くいます。だから、私たちは様々なアプローチによって、その可能性を未来につなぎたい。そういう思いを持って、これからも開発にあたっていきたいと思います」
プレーヤーが100パーセントのパフォーマンスを発揮するために必要なのは、その選手の能力だけではない。与えられた環境や自身のコンディションによって、優れたアイテムの力を借りること。それもまさに、プレーヤーの可能性を確実に広げる方法の一つと言える。
>>第1回 プレーヤーをサポートする“画期的”なアイテムが生まれた理由
>>第2回 「全体圧迫」と「部分的圧迫」2つの圧迫方法を実現する革新的ギア「コンプレッション・サイラップ」&「コンプレッション・カーフラップ」