2012.02.08

三浦淳寛氏が語る“ブレ球”秘話「着想のきっかけはミスキック」

 横浜のJリーグクラブすべてでプレーし、横浜を愛し、横浜に愛された、三浦淳寛さん。今でこそ”無回転シュート”は広く知られるところだが、世界でもまだ誰も発見していなかった時代に、三浦さんは自らの試行錯誤の中で体得し、何度もゴールネットを揺らしてきた。キャプテン翼スタジアムで開催する大人のためのサッカークリニック『アツクリ ~三浦淳寛さんと一緒にボールを蹴ろう!~』に向け、指導に対する想いと、現役当時の秘話を語ってもらった。


――やはり三浦さんといえばフリーキックのイメージが強いと思います。サッカーにおけるフリーキックとはどんな位置づけだと思いますか?
 
三浦 フリーキックって、ノープレッシャーですよね。誰にも邪魔されず、自分が優位に立った状態で仕掛けることのできるプレーです。当然、良いキッカーさえいれば、得点の可能性はすごく上がりますよね。「キック」というのは、本当におもしろいものだと思うんです。「自分で考えて蹴る」ということにこだわり始めると、本当にアイデアが尽きないんです。ボールのスピードや回転、それから質。自分の中でこだわってやりだすと、すごくおもしろくて、僕ももうずっとフリーキックにこだわってきましたが、現役を退いた今でも楽しいですね。
 
――三浦さんが無回転シュート、いわゆるブレ球シュートを蹴り始めた頃は、世界的に見てもまだ他にブレ球を蹴る選手がいなかったと思うのですが、どんなきっかけで着想されたんですか?
 
三浦 ミスキックがスタートなんですよ(笑)。蹴ったときにダフったというか、地面を蹴ってしまったときに少し粘ったら、前へ押し出す力が強くかかって、無回転でボールが飛んだんです。これはおもしろいなあと思い、それから自分なりに考えて、ボールを押し出す感覚を掴んでいった感じですね。
 
――誰かにヒントを与えられたわけではなく、自分の中で気がついていったと。
 
三浦 そうですね、自分で考えました。ただ、ブレ球にたどり着く前から、僕はこすり上げて蹴るようなキックを練習していました。それはなぜかというと、吉武さん(吉武博文・現U-17日本代表監督)という中学校時代の恩師が、アドバイスをくれたおかげです。当時、アデミール・サントス(三渡州アデミール)が東海大一高校時代に見せたバナナシュートが大流行していたんですけが、そういうカーブをかけるシュートはスピードが少し落ちますよね。だから縦回転をかけたキックを練習すれば、より直線的だし、壁を超えてストンと落ちる、ゴールに入るんじゃないかと言われて、そういう練習をしようっていうことになったんです。翼くんで言うところの「ドライブシュート」ですね。それがある程度できるようになって、その後高校生になって、ミスキックをきっかけにブレ球をトレーニングしていった感じです。
 
――ブレ球を蹴るには、特別な筋肉の鍛え方や使い方が必要になりますか?
 
三浦 もちろん筋肉も大切ですが、まずは蹴り方を覚えることが大事だと思います。蹴り方が分からなかったら、いくら一生懸命繰り返しても、いつまでたってもブレ球は蹴ることができません。だからまずはキックの形を覚えることですね。
 

――ちなみに、これまでのサッカー人生の中で、この選手はFKがうまいなって思う選手は誰ですか?
 
三浦 いっぱいいますけど……僕、一番印象に残っているのはジーコなんですよね。彼が日本代表監督で、合宿に行くじゃないですか。だいたい、トレーニングの最後に、僕と俊輔(中村俊輔/横浜FM)、アレックス(三都主アレサンドロ/名古屋)、小笠原(満男/鹿島)、遠藤(保仁/G大阪)あたりで、FKを蹴っていたんです。そのときに、一番正確なシュートを打っていたのが、ジーコだったんですよね。僕らはスパイクを履いて蹴っているのですが、ジーコはトレーニングシューズで、いとも簡単に決めるんです。本当に正確に、狙ったところへボールを入れてしまう。やっぱり、キックの技術というものは、一度ものにしてしまえば、年を取っても衰えないものだなと思いましたね。いくつになっても、しかも現役の代表選手の中にいても、「やっぱりすごいな」って思わせるレベルのキックです。そういう意味で、僕にとってはジーコが一番衝撃的でしたね。
 
――さすがジーコというか、すごくおもしろいお話ですね。
 
三浦 ほんとにね、一番入るんですよ(笑)。嬉しかったのは、ジーコがみんなに、「もうちょっとこうやって蹴ってみろ」とかいろいろアドバイスをしていたんですけど、唯一僕だけ、教えられなかったんですよ。「アツ、お前の蹴り方は独特だから、俺には教えられない」って。それは個人的に、すごく嬉しかったですね。僕のキックは、本当に自分なりに考えてやってきたもので、なかなか人が真似することができないものだって証明された気がして。今のボールって、割りとブレやすいものも多いと思うんですけど、僕が蹴り出した当時はそういうボールじゃなかったですからね。そういう中で、試行錯誤しながら練習してきたものなので、ジーコに認められてすごく嬉しかったです(笑)
 
――クリニックでは『企業秘密』とも言えるそのキックを教える可能性もありますね。
 
三浦 僕、現役のときってあんまり人に教えたくなかったんですよ(笑)。でも今はもう引退して、将来監督になりたいという夢もあるので、今自分の持っているものを教えて、少しでもアドバイスできればという思いがあるんです。だからクリニックが始まる前や終わった後のちょっとした時間に、本当に気軽に「どうやって蹴るの?」とか聞いてもらって、「こうだよ」って見せてあげられるような、そういう関係を築きたいですね。絶対そういう方が楽しいと思うんですよね。現役の選手でも、僕に質問しにくいと思っている選手がいたりするんですよね。教えてって言ったら、ぶん殴られるんじゃないかとか(笑)。だけど、実際はそんなことないですから、このクリニックを通してもっと僕自身についてもわかってもらえればと思っています。
 それから、サッカーにはうまくなるための「ヒント」「コツ」みたいなものがあるんです。フェイント一つとっても、ほんのちょっと角度を変えるだけで抜きやすくなるとか。自分自身プロとしていろいろなことを経験してきて、常にそういうことを考えてきたので、それらを伝えて、うまくなるための手助けができたらなと思います。
 
開催日時 2011年2月26日(日)20:30~22:30
定員 32名(先着順。ソサイチコートで開催となります)
参加費 3,000円(税込/当日支払)
クラス エンジョイクラス
形式 レッスン&ゲーム形式(ゲーム形式は8人制にて行います)
最少決行人数 8名(未開催の場合、開催2時間前までにご連絡いたします)

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三浦淳寛さんからのメッセージ
「試合に生かせるヒントを伝えたいと思っています。一緒に楽しい時間を過ごしましょう。多くの方のご参加を心より待っています!」

【プロフィール】

三浦

三浦淳寛 Atsuhiro MIURA
国見高、青山学院大を経て、94年に横浜フリューゲルスへ加入。その後、横浜F・マリノス、東京ヴェルディ1969(当時)、ヴィッセル神戸、横浜FCでプレーし、所属した全クラブで多くのファン・サポーターに愛された。日本代表としても活躍し、シドニーオリンピックにはオーバーエイジとして出場。フリーキックを得意とし、Jリーグでの直接ゴール数は最多を誇る。惜しまれながら、2011年4月に引退。現在は、現役時代にこだわったキックの技術を伝えるべく、指導者の道を歩んでいる。

※ご予約後に、都合によりキャンセルを希望される場合は、施設(045-222-3283)までお電話ください。3日前よりキャンセル料《参加費全額》が発生いたします)

キャプテン翼スタジアム
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