2011.11.30

フィリッポ・インザーギ「飽くなきゴールへの欲望」後編

 

Interview & Text by Giovanni Battista Olivero
インタビュー、文:ジョヴァンニ・バッティスタ・オリヴェーロ
Translation by Mitsuo Ogawa
翻訳:小川光生

好きな数字は、もちろん「9」だよ。9は僕とゆかりのある数字なんだ

約1時間のインタビューの中で、ピッポはサッカー以外のこともいろいろと話してくれた。
 
インザーギ(以下I)――「好きな色は、赤と黒。理由はもう分かるだろう。ミランに移籍してからもう長い。当然、チームカラーへの愛着も強くなるよね。基本的に縁起を担ぐことはあまりないけれど、ひとつ挙げるとすれば、ミラネッロ(ミランのトレーニングセンター)の食堂で昼食をとる時、必ず椅子にクッションを敷くこと。いつかそれをやってたら、ゴールを量産できたことがあってね。今は僕よりも他のチームメイトがあやかってやっている。好きな言葉(モットー)は、『連帯こそが力となる』。これは、団体競技であるサッカーの世界だけでなく、人生においてもすごく大事なことだと思う。みんなで同じ方向に舵をこいで舟を進めていくことが大事。いい結果を手にいれるための唯一の方法だと僕は信じている」
 
話は好きな音楽、好きな映画のほうに進んでいく。
 
I――「音楽はイタリアのものを好んで聴くね。メロディーラインが美しい歌が好き。好きな女性歌手は、ラウラ・パウジーニ。男性シンガーでは、やはりジョヴァノッティかな。特に彼の『A Te (君に)』が好きだね。映画では、ロベルト・ベニーニ監督の『ライフ・イズ・ビューティフル』が今でも忘れられない。俳優では、リチャード・ギアが一番だね。
 
 好きな数字は、もちろん……「9」だよ。自分の背番号だから。9番はセンターフォワード、点取り屋がつける背番号。今もミランでそれを背負えているのは僕の大きな誇りさ。ちなみに僕の誕生日も8月の9日……。そういう意味でも、9は僕とゆかりのある数字なんだ」
 
インザーギのプライベート・ライフは実に穏やかなものだ。夜外出するのは、主に週の前半。試合が近づく週の後半には、婚約者のアレッシアさん、愛犬のシェリーと自宅で過ごすことが多いという。
 
I――「チームメートとの関係は良好。みんなと仲がいいよ。ただ、ボネーラ、アンブロジーニ、アントニーニと夕飯を食べに行くことが多いかな。もちろん、他のチームメートと出掛けることもあるけれど。ミランでよく行くレストランが4つか5つあってね。2つはサン・シーロの近く。中心街や少し離れた場所も行きつけの店がある(注:インザーギの友人でもあるオリヴェーロ記者の情報によると、彼がよく行く店は、Novecento,La Nuova Arena, 同僚のセードルフが経営するFinger's,Ibizaなど)。派手な遊びは一切しない。みんなでジョークを言い合って笑いあって。それが一番楽しいんだ」
 
練習が丸一日ない日のピッポは、何をしているのだろう。
 
I――「両親が最近ピアチェンツァの近郊に建てた家に遊びに行くことが多いね。やはり家族の温かみが一番だよ。故郷ピアチェンツァは、僕にとって特別な町。ミラノからも小一時間で行けるのがいい」
 
ただ、インザーギには故郷ピアチェンツァ以外にも好きな町がある。
 
I――「子供の頃のことをよく覚えているんだ。幼少の頃、家族でよく行った場所がある。というより、つい数年前まで、夏になると行っていた。トスカーナ州・ルッカ県にあるフォルテ・デイ・マルミ、それからロマーニャ地方・ラヴェンナ県にあるミラノ・マリッティマ……両方とも海沿いの町で普段の現実から離れてゆっくりバカンスを楽しみたい人には絶好の場所さ。食べ物もおいしいしね。ただ、僕の場合、どこに行っても体を動かしてはいる。フォルテではランニングを欠かさないし、ミラノ・マリッティマでは、テニスやビーチバレー、カルチョ・テニスなどをする。冬場には、行ける機会があればクールマイユール(イタリア・ヴァッレ・アオスタ州のスキー・リゾート地)に行ったり。ただ、この3年くらいは、バカンスでは国外に出かけることが多いかな。バハマ諸島に行ったり、スペインのフォルメンテーラ島にも行った」
 
 今でも忘れられないのは、モルジブで津波に遭遇したこと。モルジブはすばらしいところで今まで何回か訪れている。忘れもしない2004年12月26日のことだった。島を津波が襲ったあの日、僕は現地にいたんだ。本当に怖かったよ。あの時の経験は、常に僕とともにある。そして本当に大事なことは何なのかを僕に教え続けてくれているよ」

僕はまだ諦めてはいない。みんなにもう一度、大きな喜びを

ミラン、イタリア代表の一員として今まで何度も日本を訪れたことのあるインザーギ。彼は日本で受けた熱烈な歓迎のことを今でもよく覚えている。
 
I――「日本のファンからは特別な愛情をもらっている。日本人は本当に親切で、いつも僕のことを応援してくれる。横浜でのクラブW杯(07年12月)ではそうした彼らの愛情にドッピエッタ(1試合2ゴール)で応えることができた。イタリアから遠く離れた異国の地にあれほどまで熱烈に自分を応援してくれる人々がいる。それこそが、サッカーというスポーツの持つ魔力だと僕は思っている」
 
日本人の女性については?
 
I――「もちろん、多くの日本の女性ファンが僕を応援してくれていることは知っているし、最高に嬉しい。ただ、今、僕の心臓はアレッシアのために動いている。それくらい、彼女と僕の繋がりは強いんだ。この場を借りて、日本の女性ファンに心からのバーチョ(キス)とグラッツェ(ありがとう)を送りたい。
 
最後に、日本の“ピッポ・マニア”にメッセージを。
 
I――「みなさんにもう一度、大きな喜びをもたらせるようがんばりたいと思ってます。僕はまだ諦めていません。トレーニングも毎日、全力でやっています。いつか必ずまたゴールを決めて、喜びを表しながらピッチを走り回れたらと思ってます。その時、その喜びをみなさんともう一度分かち合えたら、僕にとってこんなに嬉しいことはありません」

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