2011.11.07

インタビュー:リベリー「進撃はこれからだ」

[連載|ワールドサッカーキング 11.11.17(No.196) 掲載]

今シーズンのフランク・リベリーには、バイエルンを牽引し王座奪還を実現するという決意が見てとれる。昨シーズン、不調にあえいだチームと自身のプレーを大きく変えたものは何だったのか。常に本音を語ってきた型破りなエースに、現在の心中を聞いた。
リベリー

インタビュー・文=ピーター・クラーク 翻訳=阿部 浩 アレクサンダー

 昨シーズンはリーグ3位に終わったバイエルンが、リーグ首位を快走している。その大きな理由の一つが、フランク・リベリーの、言わば「復活」だ。昨シーズンはけがの影響に加え、ルイ・ファン・ハール監督との関係悪化がチーム全体に深刻な影を落としていた。頑なに戦術にこだわる監督の哲学と、リベリーの奔放なプレースタイルはチームにとって致命的なレベルにまで、溝を深めてしまったのだ。互いを中傷するコメントがマスコミを通じて頻繁に行き交う中、リベリーの出場時間も徐々に減っていく。こうした悪循環の中で、ここ数シーズン絶えることのなかった移籍のうわさがいよいよ現実味を帯びてきていた。

 ところが監督交代で状況は一変する。新監督のユップ・ハインケスは、類いまれな能力を持つエースに再び自信を植えつけたのだ。彼の心中に何が起こったのか。その本音に迫る。

ファン・ハールから信頼されていると感じたことは一度もなかった。

今シーズンは昨シーズンの不調がうそのような快進撃だね。絶好調の理由はどこにあると思う?

リベリー 俺が知る限り、今シーズンのバイエルンは過去最高のスタートを切ったんじゃないかな。特に守備が良くなっている。以前は連係不足やイージーなミスから失点することが多かったんだけど、今シーズンはそういったプレーが一切なくなった。今のところ、死角は見当たらない。

ファン・ハール時代、チームの最大の弱点は守備陣だったね。その弱点を改善できたのはやはり、マヌエル・ノイアー、ジェローム・ボアテング、ラフィーニャといった新加入選手の活躍によるところが大きいと思う?

リベリー 新入りの選手はよくやっていると思う。でも、忘れちゃならないのがハインケス監督の手腕だ。今、チームが組織として機能して順調に勝てているのは、新監督の正しい指導があったからだ。

リベリー
左:ハインケス監督とリベリーの良好な関係はチームに好影響を与えている 右:09ー10シーズンにはファン・ハール監督の期待に応えたリベリーだがその後、関係は悪化していった

君がそこまで監督を褒めるのは珍しいね。ハインケス監督との関係は良好と見ていいのかな?

リベリー 当然さ。俺は9月に妻のワヒバとの間に初めての男の子を授かったんだ。長男が生まれて間もなくしてハインケスから携帯に連絡があった。監督はサッカーの話を一切せずに、「奥さんと子供は無事だったか?」と聞くだけだった。ありがたかったね。俺のキャリアの中でこんな気遣いをしてくれたのはハインケスだけだ。彼こそ本物のボスだよ。

君には3人目の子供だけど、待望の長男誕生は格別な思いだったんじゃない?

リベリー もちろんとても感動したよ。病院の分娩室に入り、妻の出産を見守ったんだ。子供が無事に生まれた瞬間、俺も妻も涙が止まらなかった。

ところで、君がハインケスから指導を受けるのは2度目になるよね。

リベリー そう。最初はバイエルンで2年目のシーズン(2008-09)の終盤に監督としてやってきた時だった。でも、その時、監督は数試合だけ指揮してチームを去ってしまったんだ。

君は、前任者のファン・ハールとあまり良い関係ではなかったようだけど、監督との信頼関係はプレーに大きく影響するものなのかな?

リベリー もちろんさ。監督から信頼されているという実感があるとないとではモチベーションが全然違う。これは俺だけじゃないはずだ。サッカーをプレーするすべての選手に言えることだと思う。

ファン・ハールは冷徹で人間的な魅力に欠けていたと言われることが多いけど、君は彼のことをどう感じていた?

リベリー それはもう過去の話だ。俺は終わったことをあれこれ言うのが好きじゃないんでね。

今でこそ言えることを一つだけ聞かせてくれないかな。

リベリー あえて言うなら、ファン・ハールから信頼されていると感じたことは一度もなかった。感想はそれだけだ。

<誌面に続く>

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