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吉岡雅和が決勝ゴールの駒澤大 5年ぶりに専修大から白星を挙げる

2016.11.02

吉岡の得点をアシストした中原は、守備でも積極的なプレスを仕掛けた [写真]=柴崎拓見(駒大スポーツ)

JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦第20節 駒澤大学1-0専修大学

文=柴崎拓見(駒大スポーツ)

 前節の日本体育大学戦とは打って変わり、前半から駒澤大学は守備が安定していた。持ち前の前線からのハイプレスが機能し、専修大学の攻撃陣を要所、要所で抑え込んでいく。すると23分、中央の大村英也が左サイドへボールを振ると、反応した中原輝が駆け上がる。相手ディフェンダーをいなしクロスを上げると、ファーサイドの吉岡雅和が頭で合わせ先制。その後も左サイドバックの熱川徳政らが起点となり、専修大ゴールを脅かすものの、追加点を挙げるには至らず前半を折り返す。後半は一転して専修大が優位に試合を進める。3トップの攻撃的な戦術を前に駒澤大は押し込まれる展開が続いたものの、ボランチの種岡岐将、DF宮坂瑠をはじめ積極的なプレスで相手攻撃陣に仕事をさせない。終盤にはGK松村隆太郎との一対一の場面も作られたが、松村のファインセーブ、またこぼれ球の対処なども徹底した駒澤大が逃げ切り、今季2度目の連勝を飾った。

 専修大相手に5年ぶりの勝利を収めた駒澤大。この試合の大きなポイントを握ったのは、粘り強い守備を実現させるための“守備意識の徹底”にあった。前節の累積警告で出場停止となった星キョーワァンに代え、後期リーグでは宮坂とほとんどの試合でコンビを組んできた伊勢渉を起用。さらに攻守のバランスを考慮し、再び右サイドハーフに大村英哉、左サイドハーフに中原と、おなじみの人選配置に回帰する形となった。ただし、大村と中原には今まで以上に守備意識を高めた状態で試合に臨み、積極的にプレスをかける方針をとらせた。

 前半から、“駒澤スタイル”は効果を発揮した。高い位置からのプレッシャーが機能し、サイド攻撃が決勝ゴールにつながった。中央でボールをトラップした大塲淳矢のボールを大村が拾い、サイドの中原へパスを送る。この時吉岡は空いた大村のポジションを埋め合わせていた。結果的にこのポジショニングが相手ディフェンダーのマークを錯乱させる効果を生む形となる。駆け上がった中原からのクロスに反応した吉岡はノーマークでファーサイドの斜め45度からヘッドで押し込み、5年間の雪辱を晴らす決勝弾を決めた。「中原は、切り返しての右足のクロスはいいものを持っていて、素晴らしいクロスを上げてくれると信じていたので、しっかり自分は相手を振り切って中に入ることを意識した」(吉岡)。また、69分、82分には両サイドの中原、大村を下げディフェンダーの須藤皓生と菊池翔を投入。前期リーグでの守備のもろさが嘘のようであった。

 終盤の連勝で勝ち点6を荒稼ぎした駒澤大。残留争いから完全に抜け出したことにより、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)出場という目標が現実味を帯びてきた。「頑張ったからこういった結果がでた。“ヘタでもチビでも遅くても”頑張れば勝てることを証明できた。これを続けられれば、もう少し上へ行けると思う」と秋田浩一監督は自信をのぞかせる。前節ではディフェンダーの攻撃参加により攻撃の質が上がったが、今季は攻撃陣の守備への貢献により、粘り強さに磨きがかかった。「前線の選手が頑張ってくれたので、パスコースも大体わかるし、自分たちは相手の縦パスを集中して意識して押さえることができた」(宮坂)。この勝利により4位順天堂大から勝ち点2差の7位へ浮上した駒澤大。久しぶりのインカレ出場へ向け、また第2節で負傷離脱し復帰が待たれる正キャプテン、森健太のためにも、次節・国士館大学戦へ闘志を燃やしている。

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