2015.12.17

ピッチ上の誰よりも輝いた明治大主将の和泉竜司、無冠で終戦も「先があるし、泣いてる暇はない」

文=安田勇斗、写真=平柳麻衣

 名実ともに大学サッカー界の“顔”となったが、結局は無冠に終わった。

 明治大学では、あと一歩のところで何度もタイトルを逃してきた。それだけに、最後の大会であるインカレ(アパマンショップPresents平成27年度第64回全日本大学サッカー選手権大会)に懸ける想いは強く、悔しさもひとしおだった。「あと1試合、このメンバーで戦って、最後に勝って終わりたかった。結果を残せなかったのが悔しい」

 だからだろう、自身のパフォーマンスにも満足していなかった。「ゴールとアシストができたのは良かったけど、ミスもあった。右手の骨折は言い訳にならないし、もっとできたと思っている」。こだわりも強く持っている。「どの試合でも一度もボールを取られたくないし、ミスゼロで終えたい」

 初戦の中京大学戦で右手を骨折しながらも負傷を押して出場し、キャプテンとしてチームを引っ張った。ワンタッチプレーで攻撃にリズムを与え、チャンスと見れば果敢にシュートを放ってゴールを脅かし続けた。2点ビハインドからDF室屋成の追撃弾をアシスト、さらにコースを突く巧みなシュートで同点ゴールも挙げた。オフ・ザ・ボールの動きやボールの受け方、体の入れ方、あらゆるプレーにセンスを感じさせる天才肌は、ピッチ上の誰よりも輝いていた。

 実際、相手も脅威に感じていた。2得点を挙げて関西学院大学を勝利に導いた呉屋大翔も、明治大の背番号10を称える。「攻撃はほとんどあいつから始まっていたし、トラップで角度を変えて決めたシュートはすごかった。今日改めて怖い選手だと感じた」

 後半アディショナルタイムに、呉屋にとどめの4点目を決められてからも、最後まで戦い続けた。ドリブルで右サイドを駆けあがり自らゴールを狙ったシーンには、スタンドからどよめきも起こった。そしてホイッスル。明治大はインカレ準決勝で姿を消し、自身も大学サッカー界から去ることになった。

 試合から1時間後、様々な感情を抱えていただろう。しかし大学サッカーからの引退について問いかけると、意外にもさばさばした表情で淡々と答えた。「悔いはない。練習でも試合でも100パーセントでやり続けたし、常にこだわりを持ってプレーできた」

 すべてはこの言葉に集約されている。「先があるし、泣いてる暇はない」。来シーズンから名古屋グランパスでさらなる高みを目指す。加えて「2、3年で海外に行きたい」という野望も抱える。あくまで一つの区切りがついただけ。和泉竜司の“本当のキャリア”はここから始まるのだ。

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