文=宮内大輔(関学スポーツ)
満を持してインカレに登場した関西学院大学。キックオフ前の独特の緊張感から始まった試合は、思いもよらない立ちあがりを見せる。試合開始から積極的に攻めこむ関西学院大はわずか前半4分、MF森俊介の鋭いクロスにMF出岡大輝がニアに飛びこみ幸先よく先制に成功する。しかし、その直後の5分、今度は札幌大学がすぐさま試合を振りだしに戻す同点弾を決めた。
このまま試合は落ち着きを見せるかと思われたが、関西学院大の勢いは止まらない。10分には、関西学院大のお家芸ともなった右サイドの抜群のコンビネーションが牙をむく。森俊とDF高尾瑠の2人で相手陣内を突破し、高尾がシュートまで持ちこむも、わずかに外れてしまう。その後も出岡やMF福冨孝也が相手バイタルエリアでボールを受けて前を向ける機会が続き、札幌大を押しこんでいく。15分、出岡のスルーパスに抜けだしたFW呉屋大翔が見事なトラップから相手DFを振りきるも、ここはボールはバーの上。
しかし、このままチャンスを作り続けた関西学院大はしっかりと追加点を奪い、18分にはCKを呉屋が合わせ、最後に押しこんだ出岡のゴールで2-1に。呉屋は24分にも森俊のクロスを左足で合わせて得点。「相手がいたけど、慌てることなく決められた」(呉屋)。 28分にはゴール前のこぼれ球をMF小林成豪が豪快ボレーを放つも惜しくもポストに嫌われる。関西学院大は前半この3点を奪い、危なげない試合運びで相手を圧倒した。
迎えた後半。関西学院大は追加点を奪いたいところだったが、それまでの試合展開とは別のものになる。57分には相手にミドルシュートを打たれるも、ここはGK上田智輝がセーブ。63分、80分にはそれぞれMF森信太朗とMF魚里直哉を投入し、状況の打開を図るが、その後も関西学院大はチャンスを作るも最後で精彩を欠き、逆にカウンターを浴びる場面が増えていく。試合終了近くの84分には、札幌大にこの日2点目を決められ、遂に1点差に迫られる。このまま最後まで札幌大の猛攻を浴びるも、DF井筒陸也を中心に球際で対応。追い詰められたものの、前半の3得点を守りきり勝利をおさめた。
「3点取るまではしっかりとプレーできた。3点取った後、力が抜けた瞬間にゲームの流れが持っていかれた」と成山一郎監督が振り返るように、後半は攻められる厳しい展開となった。主将井筒は「甘さを見せずに最後まで戦うことが必要。90分トータルで戦う」と反省を語るも、「攻撃陣は得点する力を持っている。今日の前半のような攻めができたのはポジティブな要素。しっかりやれる強さがある」と前向きに試合を振り返った。
次戦は13日に準々決勝、東京都町田市陸上競技場で、昨年インカレ決勝で敗れた流通経済大学とのリベンジマッチを迎える。「特に意識していない」と呉屋は話すも、関西学院大にとって、絶対に負けられない戦いになる。昨年のインカレ決勝で、流通経済大に敗れた悔しさから始まった今チーム。準々決勝で早くも関西学院大が迎える大一番。借りを返す舞台が、いま関西学院大に用意された。
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