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慶應大が国士舘大との上位対決を制し、優勝戦線に生き残る/関東大学リーグ第20節 

2015.11.02

文=森本凜太郎(慶應スポーツ) 

 前節、プレッシャーのある中、早稲田大学に敗戦を喫した慶應義塾大学。負ければ優勝が遠のく国士館大学との一戦で、選手たちが躍動した。前半に2点のリードを奪うと、後半早々にも1点を追加。期待の新戦力もデビューを飾り、悲願の優勝に向けたラストスパートへエンジン全開で突き進む。

 まさに“寝耳に水”だった。チームは一週間をとおして池田豊史貴を国士館大のエースである松本孝平に見立て、対策を練ってきた。だが、松本は累積のため出場停止。チーム全員、その事実を当日の朝になってやっと知ることになったのだ。そんな中でも、「自分たちのサッカーを追求しているので変わらずにやろう」と須田芳正監督。とにかく勝ち点3を奪うべく、大一番に臨んだ。

 そんな慶應大はFWの位置に田中健太ではなく、渡辺夏彦を先発に起用。また、チームの練習から松本役として存在感を放っていた池田は初のベンチ入り。デビューに期待が掛かった。

 試合は開始早々の6分、左サイドでボールを受けた松木駿之介が華麗なシザースからDFを振りきると、中央へ速いボールを送る。そこに走りこんだ山本哲平がニアで合わせ、1-0。早い時間で先制点を決め、チームに勢いをもたらす。その後も主導権を握るのは慶應大。次々とチャンスを作り続けると、37分にGKの宮原隆志からボールを受けた溝渕雄志が一人、ドリブルで持ちあがると山本がフリーになった瞬間を見逃さなかった。“必殺”とも言うべきスルーパスを送ると、山本がGKとの刹那の勝負を制して2-0。前半を良い流れで折り返す。

 後半も慶應大が押しこむ展開は続く。48分、井上大のクロスを受けた山本がエリア内でボールをキープ。渡辺が引き取ると、見事左足でネットを揺らした。74分、沈黙が続く国士館大の諸岡裕人に強烈なシュートを放たれるも、クロスバー直撃で難を逃れる。すると81分、慶應大は松木に代え、池田を投入。練習で評価を高めたストライカーがデビューを飾った。ファーストプレーで警告を受けるも、チャンスが訪れたのは88分。競り合いから1人で持ちこむと際どいシュートを放ち、“慶應大の池田”として国士館大ゴールに襲い掛かる。ゴールとはならなかったが、強靭なフィジカルを活かした彼のプレーはチームの武器になる可能性を秘めている。試合はこのまま3-0で慶應大が快勝した。

 勝ち点3をしっかりともぎ取った。前節の敗戦をきっちりと修正し、見事上位対決を制した。残り2試合、依然として勝利が求められる試合が続く。それでも、63年ぶりのリーグ制覇に向け、チームの士気は高まるばかりだ。11月14日、最後に笑っているのが慶應大になりますように。彼らの戦いぶりに想いを馳せるのである。

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