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東洋大DF郡司昌弥、J3町田との激闘を経て見つけた“現在地”/天皇杯東京都予選

2015.08.21

 関東大学2部リーグで4位につける東洋大学と、明治安田生命J3リーグに所属するFC町田ゼルビアとの一戦で勝負を分けたのは、PK戦のたった1本のシュートだった。

 町田戦に臨む前、東洋大の古川毅監督は選手たちに対して、「我々から見たら格上の相手との試合。どれだけ通用するかチャレンジするいい機会だし、次のステージでサッカーを続けたいと思っている選手にとって、町田戦は一つの物差しになる」と話したという。物差しで正確にプロとの距離を測るためには、いつもと違う自分たちで勝負しても意味がない。「最初から腰の引けたような戦いをしても後期リーグには何も生きない。いつもどおりやってそこからまた学べばいい」(古川監督)という言葉のとおり、東洋大は持ち味とするパスサッカーを町田相手にも堂々と披露した。

 華麗なパスワークや、リスクを恐れないサイドバックの攻撃参加。守備では相手のシュートに対して徹底的に体を張り、ゴール方向にボールを飛ばさせなかった。延長戦を含めた110分間は0-0のスコアレスドロー。後半以降の試合内容では東洋大が圧倒していたと言っても過言ではない。それでも敗戦という結果に終わり、DF郡司昌弥は「これがプロとの差だと思うし、これが前期リーグで4位にとどまった理由だと思う」と悔しさをにじませながら話した。

 町田戦はチームとしてだけでなく、郡司個人が“現在地”を知る機会にもなった。「チームとして通用する部分はたくさんあったけど、個々の部分や細かいところ、一対一だったり、1本のパスだったりというのはまだまだ相手の方が上というか……自分はまだそこで差をつけられる選手にはなれていない。だからこそ、後期の間にその差を埋められるように、そして追い抜いていきたい」

 初の全国大会出場と勝利、そして初の天皇杯予選準決勝進出。充実の夏が終わり、間もなく後期リーグが開幕する。今後はJクラブや1部のチームと公式戦を戦える機会はなく、自らの力でプロまでの道のりを探らなければいけない。「ここで終わってはダメだし、これを後期にどうつなげていくかが大事。これからの練習でまたがんばって、もったいない失点を減らしたい」

 最後に進路のことをたずねた時、郡司は「今の自分はまだ力が足りないので、ここからです」と答えた。町田の屈強なFW陣にも十分に対応していた郡司を見た限り、その言葉は謙遜に思えた。しかし、その言葉こそが、郡司が今後も大きく成長する伸びしろにつながると感じた。

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