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堂安律、一美和成、野田裕喜、小川航基…タレントぞろいのU-18代表がアジア1次予選に臨む

2015.10.01

QINGDAO, CHINA - SEPTEMBER 09: (CHINA OUT) Chinese team and Japanese team gather in front of national flags during a match between China and Japan of 2015 "Changan Ford Cup" CFA International Youth Football Tournament Qingdao at Qingdao Sports Center on September 9, 2015 in Qingdao, Shandong Province of China. (Photo by ChinaFotoPress/ChinaFotoPress via Getty Images)

文=安藤隆人、写真=Getty Images

 エジプト、コロンビア、トルコ、ニュージーランド。

 この4カ国はU-20ワールドカップを開催した直近4大会の国だ。どの国の大会にも、日本代表は出場していない。これまで4大会連続で、アジア最終予選となるAFC U-19選手権の準々決勝で敗れ、世界への切符を逃してきた。昨年10月にはミャンマーの地で、南野拓実(ザルツブルク)という絶対的エースを擁しながらも、準々決勝で北朝鮮にPK戦の末、敗れた。

 もうこれ以上、世界から遠ざかるわけにはいかない。2017年に韓国で開かれるU-20W杯を目指し、内山篤監督率いるU-18日本代表は、新たなる戦いをスタートさせる。

 AFC U-19選手権バーレーン2016予選。来年に開催されるAFC U-19選手権の出場権を懸けた、いわゆる「アジア1次予選」が、10月2日からラオスで開催される。U-18日本代表はラオス、フィリピン、オーストラリアと対戦し、1位になれば来年、バーレーンで開催されるAFC U-19選手権の出場権を手にし、2位の場合はA~Jまでの10グループの2位の中で、成績上位5チームに入れば、出場権を手にすることができる。

 当然、日本は1位通過を狙うのだが、日本が入ったグループJにはアジア最大のライバル、オーストラリアがいる。いきなりの関門となった今大会。U-18日本代表はどのような戦いを見せてくれるのだろうか。選手を紹介するとともに、彼らの戦いを展望していきたい。

 まず守備面は、センターバックの野田裕喜(大津高校)と町田浩樹(鹿島アントラーズユース)がけん引する。野田は、経験面ではこのチーム屈指で、すでに2015年JFA・Jリーグ特別指定選手としてJ2ロアッソ熊本でJリーグデビューを飾っている。これもただ出場したのではなく、スタメンかつ的確なコーチングで周りを動かし、高校3年生にしてディフェンスリーダーとして堂々たるプレーを見せていた。U-18日本代表でもそのリーダーシップが期待される。町田は身長188センチの高さだけでなく、左利きという武器を持っている。左足のフィードを軸に、攻撃をコントロールする存在として能力を発揮できるか。さらに、センターバックには185センチの冨安健洋(アビスパ福岡U-18)、中山雄太(柏レイソル)といった攻撃の起点にもなれる選手もおり、層が厚いポジションになっている。

 中盤には技術レベルの高い選手がそろっている。中でも堂安律(ガンバ大阪ユース)、岩崎悠人(京都橘高校)、佐々木匠(ベガルタ仙台ユース)、坂井大将(大分トリニータ)は注目だ。堂安は複数のポジションをこなせるユーティリティープレーヤーで、絶妙なファーストタッチから繰りだされるドリブルは、どこで起用しても大きな武器となる。ドリブルと言えば、堂安と同じ学年の岩崎もずば抜けた力を持っている。彼のドリブルの特長は「重心移動のスムーズさ」で、ぬかるんだピッチなど劣悪なピッチコンディションであっても、滑らかにボールを運ぶことができる、ただのドリブラーとは一線を画す存在だ。佐々木はインテリジェンスにあふれ、動きながら正確なワンタッチプレーで攻撃のアクセントとなる。坂井もミスの少ないプレーが魅力で、何より前回のアジア予選を経験していることが大きい。

 佐々木と坂井のダブルボランチは、高さはないが、ボールを動かすという面では適したコンビとなっている。ボランチに関しては、U-17W杯UAE大会でベスト16進出の原動力となった鈴木徳真(筑波大学)、多彩なパスを持っている森島司(四日市中央工業高校)と、遜色ない選手がそろっており、ここも激戦ポジションとなっている。

 FWは小川航基(桐光学園高校)と一美和成(大津高校)の高体連ツートップ。ともにフィジカルが強く、シュート力を兼ね備えている。中でもエースの小川は、大会直前のジュビロ磐田と静岡産業大学との練習試合で、4ゴールと大暴れをするなど好調をキープしているだけに、この2トップが日本の強烈な武器となってくれるだろう。負けん気の強い吉平翼(大分トリニータU-18)、岸本武流(セレッソ大阪U-18)のJユースストライカーも強烈な個を持っており、層を厚くしている。

 直前の2試合では、内山監督は様々な組み合わせをトライしており、本番はどの組み合わせで挑んでくるのか。どの組み合わせでも、攻撃力の高いサッカーを展開できる。

 もうこれ以上、世界から遠ざかってはいけない。ましてや1次予選でギリギリの戦いをしていてはいけない。彼らに課せられたタスクは大きいが、彼らなら必ずやってくれるはずだ。まずはラオスの地で、力強いスタートを切る。

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