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U-16日本代表が優勝した初開催のドリームカップ…成果と今後への期待

2015.06.30

文=吉田太郎

「この年代を定期的に鍛えていく。世界のトップクラスとこの年代でやるのは必要」。日本サッカー協会の原博実専務理事は初開催されたU-16年代の国際大会「U-16インターナショナルドリームカップ2015JAPAN Presented by JFA」終了後、そうコメントした。

 欧州からフランス、南米からチリ、そして北中米カリブ海地域からコスタリカを招いて行われた今大会。「ワールドカップでこのグループに入ったら『結構、厳しいぞ』というグループ」(森山佳郎U-16日本代表監督)の3チームを相手に高校1年生と高校2年生の早生まれにあたる日本人選手たちが国際経験を積んだ。そのU-16代表には年代別日本代表初招集の選手が10人ほどいたが、彼らはU-16インターナショナルドリームカップが初開催されたことで「世界」を知る機会を得ることができた。

 178センチ、73キロのガッチリした体を活かした馬力のあるプレー、ハードワークが印象的だった初招集組のFW加藤拓巳(山梨学院高校)は「海外の選手はすごい体が大きくて、そこに関しては勝てないことがわかっていた。動きだしや体の使い方で勝たないといけない」。想像していたことを実際に体感した経験は間違いなく大きい。

 高校1年生ながら名門山梨学院で主軸になりつつある加藤のように、これからの選手が世界を知ることによって、自身の物差しを世界へと変え、通じなかったことを突き詰めてトレーニングすることができる。またチームメートに及ぼす影響も大きいだろう。今年開催されるU-17W杯の出場を逃したことでこの世代の選手たちが世界を経験する機会は減少したが、それを少なからず補う大会になった。

 国内で開催されることによって、多くの人々が海外のサッカーを生で目にする機会を得た。大会期間中には参加国の指導者を招いて指導者講習会も実施。キンチョウスタジアムで開催された最終日には3600人の観衆が集まり、多くの小中高生がそのプレーを目の当たりにしている。原専務理事は「同世代の世界の選手や、指導者もフランスやチリがこの年代でどういうことをやっているのか見てもらうことが大切だと思っていた。(特に日本対フランス戦は)本当にいい緊張感がある試合で、見に来たお客さんもいろいろなことを感じてくれたと思います。大成功じゃないですか」。

 今後は参加国からレフェリーを呼んで、その中でプレーすることもあっていいだろう。また同時期にクラブチームの大会を行うなどより多くの才能、指導者たちが国際経験を得る環境になることが期待される。

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