2018.08.03

【インハイプレビュー】成長と突き上げの夏…選手権王者、冬夏連覇なるか(前橋育英)

[写真]=安藤隆人
世界各国を放浪するサッカージャーナリスト。巷ではユース教授と呼ばれる。

 昨年のインターハイでは、優勝した流通経済大柏に準決勝で敗れ、2度目の栄冠には辿り着けなかった。しかし、夏の悔しさをバネに冬の高校選手権では破竹の快進撃を続け、決勝でその流経大柏を破って一気に初の選手権制覇にまで登り詰めた。

 前橋育英サッカー部の歴史を塗り替える原動力となったのが、インターハイを境にグッと伸びた2年生達だった。選手権決勝で値千金の決勝ゴールを決めたFW榎本樹は、昨年のインターハイ直前までレギュラーではなかった。

 しかし、3年生のレギュラーCBが負傷したことで、空いた背番号4に滑り込む形でメンバー入り。すると1回戦からスタメン出場して大会の得点王に輝いた。この時、榎本と2トップを組んでいたFW高橋尚紀も、Bチームで参加をした直前の関東大会で躍動し、トップチームのレギュラーにまで駆け上がった選手だった。

 榎本と髙橋尚の2年生2トップは夏の主役となった。ずば抜けたスピードを持つ2年生FW室井彗佑もまた、ジョーカーとして存在感を見せた。そして夏は絡めなかったMF秋山裕紀も冬の選手権で田部井涼(現・法政大)が負傷欠場した準々決勝と準決勝で活躍するなど、夏のベスト4がもたらした効果は大きかった。

 今年は榎本、高橋尚、室井、秋山が軸となり、昨年と変わらぬ強烈な攻撃陣を形成。守備陣は松田陸(現・ガンバ大阪)、渡邉泰基(現・アルビレックス新潟)、角田涼太朗(現・筑波大)とタレントがごっそりと抜けたが、ともに184cmのGK山口瞬、CB岡本悠作が成長してきており、今は経験を積んでいる段階だ。

 さらにこの夏に向けて、昨年同様に下からの突き上げがある。インターハイ予選前の関東大会において、Bチームが優勝を飾ったのだ。そして、そのメンバーからチームナンバーワンの快足を誇るFW石井陽向と、2年生ボランチの渡邉稜平、CB吉田和暉と左サイドバックのレフティー・塩田直輝がトップチームに昇格し、直後のインターハイ予選決勝の桐生第一戦でスタメン出場。3-0の勝利に大きく貢献をした。

「関東大会組が一気に良くなって来た。スタメンで使っても何も遜色はない。インターハイに向けて誰が食い込んで来てもおかしくない」と山田耕介監督が語ったように、昨年の榎本、髙橋尚同様に大化けする選手が出て来る期待感がある。

 前橋育英にとって、冬に繋がる躍進の大会となるのか。シードのため2回戦の出場となる前橋育英は、大津(熊本)と初芝橋本(和歌山)の勝者と対戦になる。特に大津は今大会で注目の一校で、勝ち上がってくれば強敵となるが、昨年も3回戦で優勝候補筆頭の青森山田と激突し、3-1の勝利を収めるなど、激戦が彼らの成長を促進させた。

 いきなりやって来る山場を克服すれば、昨年と同様にチームとしての成長を掴めるだけに、この難関を全員で突破すべく、“上州のタイガー軍団”はその牙を研ぎ澄ましている。

取材・文=安藤隆人

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