2018.01.08

攻守で圧倒、22得点0失点で大会を制した藤枝順心…連覇に挑む来季へ「進化していく」

2大会ぶり3回目の優勝を果たした [写真]=吉田孝光
10年以上にわたり女子サッカーを追いかける気鋭のライター

 第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は7日、神戸市の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で決勝が行われ、岡山県作陽高校(中国1/岡山)に2-0で勝利した藤枝順心高校(東海2/静岡)が、2大会ぶり3回目の優勝を収めた。

 夏の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)で準優勝の藤枝順心は、今大会の全5試合で、22得点0失点という数字を残し、攻守で他校を圧倒して、全国417校の頂点に立った。

 しかし、 6951人が見守った決勝の前半は、藤枝順心も苦しい戦いを強いられた。

 作陽の池田浩子監督が「相手の3トップに対して引かずに、ハイプレッシャーで抑えるように持っていきたい」と話した狙いがうまくはまり、藤枝順心の強力な攻撃を封じながら、作陽がコンスタントにチャンスを得る。

 だが、13分にDF山田優衣が左足シュート、23分にFKからFW牛久保鈴子がヘディングシュートを放つが、いずれもゴールにつなげることができずにいると、攻め手を欠いていた藤枝順心の攻撃が牙を剥く。

 40分、FW今田紗良のドリブルからFW青木なつみが先制点を挙げると、その5分後にはDF大村琴美のロングフィードを受けたMF並木千夏がフリーとなり、右足でシュート。前半終了間際の2得点で、藤枝順心が優勝に大きく近づいた。

 殊勲の先制点を決めた青木は「1年ではベンチにいただけだったし、2年はケガで選手権に出ることができなかった。今回が初めての選手権だったけど、ずっと目指してきた舞台。苦しい時間に決められてよかった」と、流れを引き寄せるゴールでスタンドを大いに沸かせた。

 作陽は後半から次々と選手交代し、また、ポジションも次々に入れ替えて変化に富んだサッカーを発動。ボランチのMF山崎涼帆がFWへ、センターバックのDF蓮輪真琴がボランチに入るなど、藤枝順心に揺さぶりをかける。しかし、今大会無失点の藤枝順心の守備は強固だった。

 藤枝順心のキャプテンMF千葉玲海菜は「自分としては、本当は攻撃に参加したいけど」と吐露しながらも、中盤の底で守備陣と連係し、時には最終ラインまで下がって守りに徹する。

 作陽は終盤が近づくと、3バックにしてさらに重心を前に置いたが、藤枝順心は1年生センターバックDF長江伊吹のカバーリングも光り、作陽の攻撃をシャットアウト。

「競り負けないこと、シュートを打たせないこと。全員の守備意識が優勝につながった」と、千葉は無失点優勝に胸を張った。

 藤枝順心を3回目の優勝に導いた多々良和之監督も「前半の苦しい時間を耐えて、前半終了間際に効果的に得点が奪えた。後半もうまく得点を取らせない試合運びができた」と納得の表情を見せた。

 それでも藤枝順心は、これから未経験の連覇に向けて走りだす。冷静な指揮官らしく「優勝したからこれでいいではなく、今日の試合も見直して進化していく。前みたいに自由にサッカーをさせてくれないから」と、歩みを止めない姿勢を示した。

「来年から追われる立場になるが、プレッシャーに感じず、この経験を生かしてほしい」と、千葉は最後までキャプテンらしく、後輩にエールを送ることも忘れない。

 チーム史上最高位の準優勝に輝いた作陽も、藤枝順心の背中を再び追う。

 決勝でも左サイドから度々チャンスを作り、両足で正確なコーナーキックを蹴った2年生の山田優衣は「前半のチャンスでしっかり決めきれなかったことが悔しい。1失点目から2失点目まで早かったので、そうさせないような守備がもっとうまくできれば」と、再びこの舞台に戻ることを決心した様子。

 試合後は選手以上に涙を流し、準優勝ながらも選手たちから胴上げされた池田監督は「厳しいトレーニングをたくさんしてきたが、ついてきてくれた3年生に感謝したい」と話しつつ、「ここで優勝できなかったことにも、何か意味があるはず」と、実直・熱血で知られる指導者らしく、試合終了のホイッスルが鳴った30分後には、来季を見据えた。

文=馬見新拓郎

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