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蹴って、止めて…PK戦活躍の日本文理GK相澤ピーターコアミ、努力がもたらした成長

2018.01.04

チームメイトと喜びを分かち合う相澤(中央) [写真]=小林浩一

「ここで止めたらヒーローだぞ」。中村和哉コーチから掛けられた言葉どおり、日本文理(新潟)のGK相澤ピーターコアミはチームをベスト8に導く“ヒーロー”になった。

 3日に行われた第96回全国高校サッカー選手権大会3回戦。日本文理vs作陽(岡山)の一戦は1-1のまま決着がつかず、PK戦にもつれ込んだ。先攻の日本文理が1人失敗し、迎えた作陽の5人目。決められたら敗北、という場面で相澤が見せた。自分自身の緊張をほぐすために笑顔を作りながら、両腕を目いっぱいに広げて190センチの体をさらに大きく見せる。「右に来ると思ったので、わざと左に体重をかけてから右に飛びました」。駆け引きの勝利で見事にセーブし、サドンデスに突入する。

 7人目では自らキッカーも務めた。「(キッカーの)順番は決まっていたらしいけど、自分は知らされていなかったので『俺が蹴るの?』って(笑)。すごく緊張した」。それでもコースを狙ったシュートはしっかりとゴールネットを揺らす。そして作陽の8人目。右隅に飛んできたシュートを読み切って弾き返し、ついに決着。喜びを爆発させた相澤は、スタンドのチームメイトの下へと走った。

 今から約1年前、FWからGKに転向した。小、中学校時代にもGKの経験はあったが、駒沢隆一監督からGKを勧められた際、すぐに受け入れられなかった相澤に、決断するきっかけをくれたのが選手権だった。

「フィールドの選手として日本文理に来たので、監督に言われた時はショックが大きくて……ちょうど悩んでいた時に見たのが昨年度の選手権の開幕戦だったんです。関東第一の北村海チディ選手を見て、本当にすごいなぁって。自分もああいうふうに勝負を決めるような選手になりたいと思って、ようやく気持ちに踏ん切りがつきました」

 もともと中学時代にはサッカーのための体づくりの一環として、週に3日ほどボクシングジムに通っていたという努力家。まだまだGKとしての経験値は少ないが、ガーナ人の父親ゆずりの身体能力に驕らず、練習や勉強を重ねている。

「最初はパントキックやゴールキックがハーフウェイラインにも届かなかったんです。だから廣末陸(FC東京)選手とかキックが飛ぶ選手のプレー動画をたくさん見て、どう蹴ったら飛ぶのか自分で考えてキックフォームを直していきました。他にもプロの選手の動画はよく見ます。国内では、中村航輔(柏レイソル)選手はメンタルの強さがそのままセービングやプレーに出ているのですごいなと思いますし、海外では(マルク・アンドレ・テア)シュテーゲン(バルセロナ)選手や(ジャンルイジ)ドンナルンマ(ミラン)選手、(ダビド)デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)選手の動画を試合前に見たりして、ポジショニングやそれぞれの長所を学んでいます」

 GKとしてつかんだ、選手権のピッチに立つ夢。憧れの舞台は、今までのどの試合ともまるで違う。48の代表校の中で、仲間との競争を制した選手にしかできない貴重な経験は、相澤にさらなる成長をもたらしている。

「選手権は今まで経験してきた試合とは雰囲気が全然違って、毎試合、息がつまりそうなくらいツラいけど、それを経験できていることが自分にとっては大きい。経験したくてもできない人がいるんだと思いながら試合に臨んでいます」

 次戦、矢板中央(栃木)との準々決勝に勝てば、新潟県勢初のベスト4進出となる。「記録を作れば新潟県の皆さんの記憶にも残ると思う。勝てばその先が見えてくる」。初出場の日本文理にとって、失うものも恐れるものもない。一戦一戦、目の前の相手にぶつかっていく構えだ。

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