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【高校選手権展望】<秋田商>選手権最多出場の伝統校 秋田に13大会ぶり白星を

2017.12.27

秋田商MF伊藤颯 [写真]=吉田太郎

 43回の選手権出場回数は史上最多(2位は徳島商の39回)。秋田商は全国4000校を超える予選出場校の中で最も全国を知る伝統校だ。東北地域の高校サッカーをリードしていた1950~60年代に選手権優勝2回、準優勝1回、4強1回、8強6回。85、86年度にも2年連続で準決勝まで勝ち上がっている。

 だが、全国的にレベルアップしてきた近年、寒冷地の公立校は苦戦を強いられている。04年度大会の1回戦で益田(島根)に勝利したのを最後に、現在8大会連続で初戦敗退中。秋田県勢も12大会初戦敗退が続いており、周囲からの連敗ストップに対する期待は大きい。MF伊藤颯が「『全国で勝つには秋商が行かないと』と言われていて、自分自身もそうだと思います」と語っていたように、名門は今年こそ、秋田県に白星をもたらす意気込みだ。

 夏のインターハイは、伝統校対決となった丸岡(福井)との初戦で0-0からのPK戦の末、敗退。それでも、磨き抜かれた走力、運動量をベースとした守備は全国で戦う武器だ。前線からのプレッシングで相手の攻撃を限定。そして、攻守における活動量が特長のMF松野竜士や高さと上手さを兼ね備えたMF出口陽介が中盤で網を張り、最終ラインでは主将のCB奈良学やCB清家尚樹が身体を張って相手の攻撃を弾き返す。

 加えて今年、選手たちが自信を持っているのは攻撃面だ。奈良は「去年も前から行く守備ができていたんですけれども、今年はそれに加えて攻撃でもテンポよく繋げるし、前に蹴ることもできるし、バランスが取れているチームだと思う」と説明する。

 最前線で高いキープ力を見せる10番FW田近晴登や試合を決めることができるレフティーの伊藤颯がコンビネーションで相手の守りを切り崩し、俊足MF伊藤直人や松野、出口も飛び出しからゴールシーンに絡んでくる。また“スーパーサブ”のFW鈴木宝らベンチにも面白い存在。過去4回の全国大会は無得点での敗戦に終わっているが、チームには今年こその期待感がある。

 それでも、清水エスパルス内定FW高橋大悟擁する神村学園と初戦を戦う全国大会では、相手にボールを握られる展開が予想される。容易にチャンスの数を増やすことはできないかもしれない。だが、彼らには“特別な”武器がある。

 県予選準決勝、決勝の1点目はいずれも3年生司令塔・出口のロングスローから生まれた。「2年生の前の春休みに気づいた」というロングスローは昨年から投げ続けていることもあって飛距離があり、そこに奈良らが飛び込む形は対戦相手にとって脅威だ。秋田商は伊藤颯、出口もCK、FKから質の高いボールを蹴り込むだけに、押し込まれる展開になっても我慢強く守ってワンチャンスで仕留めることは可能。県勢13年ぶりの勝利を懸けた初戦は決して簡単な相手ではないものの、全員で必死に、泥臭く食い下がり、白星を勝ち取る。

取材・文=吉田太郎

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By 吉田太郎

サッカー専門媒体を中心に、主に育成年代の取材活動を展開。

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