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大津を全国屈指の強豪にした平岡和徳監督…的確な判断と素早い決断力で多くのタレントを輩出

2015.12.26

文・写真=安藤隆人

 大津高校を語る上で平岡和徳監督を抜きでは語れない。大津を全国屈指の強豪に仕立て上げ、これまで土肥洋一、FW巻誠一郎(ロアッソ熊本)、MF谷口彰悟、DF車屋紳太郎(共に川崎フロンターレ)、DF植田直通(鹿島アントラーズ)といったタレントを輩出してきた。

 平岡監督の手腕は選手育成と、その選手の配置の妙にある。巻に空中戦の強さを徹底して鍛え、屈強なFWに仕立て、中盤の選手だった谷口をエレガントさと泥臭さを兼ね揃えたセンターバックに、FWをやっていた荒削りな植田を、圧倒的なヘッドの強さを誇るセンターバックに仕立てた。選手の特性を見抜き、積極的なコンバートから『天職』を見つけさせ、伸ばしていく。

 今年のチームにも平岡監督の手腕によってコンバートされ、活躍している選手がいる。ガンバ大阪に入団が内定しているFW一美和成は、昨年の5月までセンターバックだった。彼の高さ、フィジカル、そしてアジリティーとシュートの上手さを見抜き、FWに起用し、これがはまった。この話しは有名な話しだが、2年生GK前田勇矢も実はコンバート組だ。彼は中学時代にGKを辞めてFWに転向。FWとしての能力が開花し、FWとして大津に入学。しかし、今年になるとGKのポジションが固まらなかったことから、「手足も長いし、高さもある。アジリティーも高くて、キックもうまい。今からGKに転向しても遅くない」と判断し、本人を説得させ、GKに『再コンバート』させた。これがはまり、長いブランクを物ともせず、一気に正GKに定着。今では不動の守護神になっている。

 的確な判断と素早い決断力。名門・大津が毎年のように高い総合力を保ち、個性派が育っていくのは、名将の手腕が大きい。

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