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韋駄天ドリブラー、イサカ・ゼイン「毎試合ゴールを決めて桐光学園の歴史を塗り替える」

2015.12.24

インタビュー=安田勇斗、写真=平柳麻衣

 ガーナ人の父と日本人の母を持つイサカ・ゼインは、桐光学園高校のアタッキングサッカーに欠かせない存在だ。サガン鳥栖も関心を寄せた韋駄天ドリブラーは、チームメートであるU-18日本代表のFW小川航基へのライバル心を隠さず、志高く選手権に臨む。「桐光はいつも『小川、小川』と言われるので、自分が毎試合ゴールを決めて小川だけじゃないところを見せたい」

選手権は短期決戦なので、初戦から積極的にいけるようにしたい

――桐光学園高校では主に左サイドでプレーしています。ドリブラーの印象がありますが、一番の持ち味は何だと思いますか?
イサカ ドリブルもそうですけど、裏へ抜けだすプレーなど、スピードを活かして局面を打開するプレーが持ち味だと思ってます。

――プレーを参考にしている選手はいますか?
イサカ (アレクシス)サンチェス(チリ代表/アーセナル)の動画はよく見てます。クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表/レアル・マドリード)も好きですけど、ちょっと次元が違いますし(苦笑)、タイプ的にはサンチェスの方が似ていると思うので。

――特長であるスピードを上げるために取り組んでいることはありますか?
イサカ スピードを上げるというか、スピードを活かすために体幹トレーニングはよくやってます。特にこの1年はチューブなどを使って鍛えました。

――どのぐらいの頻度で?
イサカ 1年ぐらい前から始めて、学校がある時は毎日、ない時も週3ぐらいでやってます。

――体幹が良くなった実感はありますか?
イサカ 何となくバランスが良くなった気がしますけど、そこまで実感はできてないですね(苦笑)。ただ周りからは、「良くなった」と言われることがあります。

――選手権の予選では思いの外、苦戦していた印象があります。実際にプレーしていかがでしたか?
イサカ 失点する感じはなかったですけど、決めるべきところで決められなかったかなと。予選序盤では前半0-0で少なからず動揺することもあったので、選手権で勝っていくためには、とにかく前半のチャンスを決めきることが大事だと感じました。

――選手間でもそういう話はあったんですか?
イサカ (鈴木勝大)監督からも言われましたし、選手たちでも話し合いました。強い気持ちでゴールを決めきらないといけないので、崩しきってなくてもミドルシュートを狙うとか、大胆にシュートを打っていくことが必要だと感じています。

――そのあたり、予選の中で改善できましたか?
イサカ 準決勝(vs湘南工科大学附属高校)では改善できなかったんですけど、決勝(vs横浜市立東高校)ではアグレッシブにいけました。選手権は短期決戦なので、初戦から積極的にいけるようにしたいと思っています。

――予選で一番記憶に残っている試合は?
イサカ 初戦(vs桐蔭学園高校)ですね。なかなか決めきれなくて延長戦までもつれこみましたし、正直一番焦りました。

――夏にはインターハイに出場しました。久御山高校に敗れましたが(2-2、PK戦4-5)、初の全国大会はいかがでしたか?
イサカ 何もできませんでした。守備が固いチームではなかったと思うんですけど、自分の武器である突破力を全然発揮できなくて。その時に運動量が足りないと気づいて、それからは走りのトレーニングで、自分としっかり向き合ってやっています。

――具体的には?
イサカ グラウンドを3周するメニューがあるんですけど、自分が先頭に立つつもりで全力で取り組んでいます。それまでタイムが3分45秒ぐらいだったのを、3分半まで縮めることができたので少しずつ自信になっています。

――練習と言えば、夏にJリーグクラブの練習に参加したとうかがいました。
イサカ はい。8月の後半にサガン鳥栖の練習に参加させていただきました。でも鳥栖からはオファーが来なかったので大学に進学することになりました。

――鳥栖で印象に残っていることはありますか?
イサカ 水沼宏太選手のキックがすごかったですね。内転筋を使って蹴っている感じで。高校サッカーでそういう選手は見ないですし、自分もキックはまだまだなので取り入れられればと思っています。

――進路は決まっているんですか?
イサカ 9月後半に桐蔭横浜大学に決めました。

――大学サッカーにはどんなイメージを持っていますか?
イサカ 何回か見たことはあるんですけど、正直に言うと、高校サッカーよりも注目度は低いのかなと。でもそこでくさらずに、プロを目指してやっていきたいと思っています。

自分たちが歴史を塗り替えたい

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――話を選手権に戻します。初戦の相手は長崎南山高校になりました。印象はありますか?
イサカ まだそこまではないんですけど、2年の夏に熊本遠征で長崎総科(長崎総合科学大学附属高校)と試合をしたことがあって負けました。結構強い印象があって、その長崎総科を倒して出てくるチームなので、かなり強いチームだと思います。

――選手権に向けてどんなトレーニングを行っているのでしょうか?
イサカ いつもどおりです。今はパスをつなぐことを再確認しています。パスの精度やスピードをそれぞれが意識してやってます。

――選手権で対戦したいチームや選手はいますか?
イサカ 青森山田(青森山田高校)と対戦したいですね。プロに行く2人(DF常田克人MF神谷優太)がいますし、GK廣末陸もU-18日本代表に入っている選手なので、そういうチームに自分がどれだけ通用するか実際に戦ってみて知りたいです。

――選手権での個人的な目標は?
イサカ 桐光はいつも「小川(航基)、小川」と言われるので、自分が毎試合ゴールを決めて小川だけじゃないところを見せたいです。ここで活躍して高校選抜に入りたいですね。これまでは自分のゴールで勝った試合はあまりないですし、得点力は課題だと思っているので、選手権では自分のゴールで勝ちあがれるようにしたいです。

――ではチームの目標は?
イサカ 全国優勝です。中村俊輔先輩(横浜F・マリノス)もできなかった優勝を成し遂げて、自分たちが歴史を塗り替えたいと思っています。

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