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市立船橋、2枚看板不調の中、逆転FKでチームを決勝に導いたMF工藤友暉

2015.11.11

文=峯嵜俊太郎 写真=兼村竜介

 雨が降りしきる中の一戦、決勝点はMF工藤友暉の地をはうような直接FKだった。

 11月8日、平成27年度第94回全国高等学校サッカー選手権大会千葉県大会決勝トーナメントの準決勝が柏の葉総合運動公園競技場で行われ、市立船橋高校が中央学院高校を2-1で破り決勝進出を果たした。

 この日の市立船橋のスターティングメンバーには来シーズンのプロ入りが内定しているMF椎橋慧也とFW永藤歩の名前がなかった。椎橋はコンディション不良によるベンチスタート、インターハイで負ったけがから復帰したばかりの永藤は途中出場したものの「本調子とは程遠い」と朝岡隆蔵監督が語ったように、シュートを1本も打てぬままタイムアップを迎えた。

 市立船橋の2枚看板とも言える2人が不調を抱える中、1-1で迎えた60分、工藤が得意のセットプレーで彼らの穴を埋める活躍を見せた。

「キックには自信を持っているので、セットプレーを取ってくれれば俺が決めるとチームのみんなに伝えていた」

 工藤の右足から放たれた低い弾道のボールは、雨でぬれたピッチの影響もあり、GKの手をかいくぐりネットに突きささった。朝岡監督は、「工藤は感性が優れていて、CKを含めてリスタートで相手の嫌なところに蹴れる。今日もいいボールを蹴り続けていた」と語り、ゴールシーン以外でも再三チャンスを演出していた工藤を褒めたたえた。

 精度の高いキックが武器の工藤だが、それを活かせない時期もあった。「元々ボールの扱いが上手な選手。ただそれを勝負と結びつけた時に、チーム全体のバランスの中で自分を活かしきれなかった」(朝岡監督)。しかしこの1年、市立船橋の主力として経験を積んだ工藤は、「グッと成長して、サッカーの感性やアイデアを残しながらも戦えるいい選手になってきた」と監督から評されるようになった。

 決勝の対戦相手は流通経済大学付属柏高校に決まった。今年の高円宮杯U-18サッカーリーグ2015プレミアリーグEAST第1戦では工藤の直接FKとPKで勝利。第2戦でも工藤のCKから2得点が生まれており、決勝でもセットプレーが鍵を握りそうだ。15日に行われる決勝までに椎橋と永藤が本調子を取り戻している保証はないだけに、ここまで3戦連続ゴールと好調を維持する工藤の活躍に期待がかかる。

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