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堅守を見せた多摩大目黒、ワンチャンスを決め初のベスト4進出/選手権東京都予選Aブロック

2015.10.20

文・写真=峯嵜俊太郎

 一方は、高円宮杯U-18サッカーリーグ東京1部(T1リーグ)で18試合86失点と最多失点で最下位。もう一方は、高円宮杯U-18サッカーリーグ東京2部(T2リーグ)で17試合45得点と最多得点で首位。前者の多摩大学目黒高校と後者の東京実業高校の一戦は、対照的なシーズンを過ごしたチーム同士の対戦となったが、この試合では多摩大目黒が堅守で東京実業攻撃陣を無失点に抑え、準決勝進出を決めた。

 カテゴリーでは上位リーグに所属する多摩大目黒だが、遠藤雅貴監督いわく、「自分たちはチャレンジャーという気持ちで臨んだ」。T1リーグでの18試合全敗と厳しい結果に、「リーグ戦でなかなか勝てず、選手たちは自信を喪失していた」(遠藤監督)という。

 それでも、「リーグ戦とトーナメントは違う」と遠藤監督が語るように、ピッチ上の選手たちの士気は高かった。東京実業のFW栗田マークやMF黒川滉揮がスピードを活かしたドリブル突破で何度も多摩大目黒のゴールに襲いかかったが、DF宮崎隼らが体を張ったディフェンスでシュートをブロック、そして大きくクリアする。その度に歓声が沸き、選手たちも雄たけびを上げ、チームの士気を高揚させた。

 多摩大目黒が守備で見せた高い集中力は、攻撃でも発揮された。前半24分、スルーパスに抜けだしたFW加藤天馬は、この数少ないチャンスにGKをかわす冷静さを見せ、最後は無人のゴールにボールを流しこんだ。試合の大部分で東京実業にボールを支配されながらも、そうして奪った虎の子の1点を守りきった守備の堅さは偶然ではない。

 リーグ戦では苦しんだ多摩大目黒であったが、遠藤監督が語るチームの強みは、主将のMF中島慶之を中心にチームに浸透した「真面目さ」。「自分に与えられた役割をしっかりやる。今日はそれが組織としてできたと思う」。初のベスト4進出を決めた多摩大目黒、この試合で見せた堅守を、再び見せれば全国への道も開けるはずだ。

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