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理想的な体を作るためのカギは「食べること」、アンダーアーマーチャレンジカップで栄養講習会が開催

2015.08.18

文・写真=森田将義

「サッカーをやっていると才能には敵わないって思う瞬間がたくさんあるけど、体作りはやった分だけ自分の力になって、返ってくる。サッカーを練習するだけが、サッカーがうまくなるコツではない」。元Jリーガーの平松大志氏(水戸ホーリーホック、FC東京)が、高校生たちにゆっくりと話しかけた。

 UACCならではの取り組みと言えるのが、体作りに必要な食事やサプリメントの摂り方を学ぶ「栄養・サプリメント講習会」。帝京高校に入学した際は、実力が下から2番目の選手だったという平松氏が体作りを行ってきたおかげでプロ選手にまでなれたと耳にし、講習会に参加した比叡山(滋賀)と一条(奈良)の選手たちの目の色が変わっていく。

 続いて登壇したのは株式会社DOMEに所属する管理栄養士の斉藤裕子氏。メジャーリーグで活躍するダルビッシュ有や柏レイソルのDF鈴木大輔ら多くのアスリートの食事指導を行う氏が選手たちに提示したのはポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドのデータだった。18歳の頃の身長と体重は184センチ・73キロと華奢な選手だったが、適切な食事とトレーニングを続けたことで10年後の2013年には186センチ・84キロまで成長し、世界トップレベルの選手になる要因となった。彼のようなサッカー選手として理想的な体を作るためのカギは「食べること」。試合直前に特別な何かを食べるのではなく、アスリートに必要な食事を摂り続け、「勝てる筋肉」をつけることが大切という。

 食事のカギとなるタンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルの5大栄養素と水を摂ること。斉藤氏は、「毎食意識するのは難しいので、朝食で足りなければ昼ごはんで。昼ごはんで足りなければ夜ごはんでという風に一日の食事で補ってもらえれば」と話す。また、サッカー選手が一日に必要とするカロリーは3500キロカロリー以上。これには、茶碗10杯以上の米が必要で、「アスリートが、お腹がすいた状態でいては、持っている力を出せず負けたも同然。今は3杯しか食べられない選手でも、少しずつ増やしていってほしい」(同氏)。

 ただ、それだけの食事量を朝昼晩の3食で摂るのは難しいため、うどんなどの脂分が少ない捕食を小まめに行うことが重要なポイント。また、選手たちは筋肉の消耗、筋肉痛を減らすために、練習や試合直後に水でプロテインを飲むことも大事などという説明も行われた。

 講習会を終えた比叡山のDF大窪翔は「これまでは、図やデータで体作りについて学ぶことがなかったので、勉強になった」とコメント。一条のDF田中海斗も「体作りは常に意識しているけど、毎日はできていない。今日、聞いた話を毎日続ければ、試合に勝てる可能性が高まると思う」と口にしたように、飛躍を目指す彼らにとって、大事な気づきを得た一日だったと言える。

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