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関東第一の鈴木隼平がハットトリックで優勝候補を撃破、初の8強導くも慢心なし

2015.08.06

文・写真=吉田太郎

 昨年度の準優勝校である大津に4-1で逆転勝ち。優勝候補を撃破して浮かれてもおかしくない試合直後、ヒーローは誰よりも「切り替えろ」という言葉を発してチームを引き締めていた。

 初のベスト8進出をかけた一戦で関東第一はショートコンビネーションで崩す自分たちの良さも発揮していたが、前半を0-1で折り返した。だが後半、運動量の落ちた大津に対して関東第一は主将のFW鈴木隼平の2本のダイビングヘッドでのゴールで逆転。鈴木隼は相手のハンドで得たPKを左足で決めてハットトリックを達成し、FW岡崎仁太朗のゴールでダメ押した関東第一は会心の逆転勝利をしてのけた。

 チームメートの試合後の雰囲気については「浮かれていましたね」と苦笑いする鈴木隼。もちろん自身の3得点について喜んでいたが、「大津は優勝候補でそれを倒して怖いのは慢心。だから、そこを自分と副キャプテンでいい雰囲気にしてリラックスさせて準々決勝に臨みたい」と前を見据えた。

 小野貴裕監督は鈴木隼について「去年、上手くて勝てないチームに鈴木はずっといたので、どうしないと勝てないとか、どういう空気になったら勝てないというのが分かっている」と説明する。関東第一は近年、相手を上回るようなサッカーをしても結果が伴わなかった。だが、今年は8年ぶり出場のインターハイで大躍進。上手くても勝てないチームも知る主将はV候補を倒してもチームの空気が緩まないことを求めた。

 普段から意識していることは「今年は能力が落ちる分、結束は必要だと思っていたので、コミュニケーションを多く取って、みんなの発言を多く引き出すことで、結束できる雰囲気を作ろうとしている」という。慌ててしまって強気になれない選手を励まし、自信を持ってプレーできるような声がけ。その主将が3ゴールという結果でもチームを後押ししてV候補を撃破した。休息日を挟んで迎える準々決勝。チームを再び最高のメンタル状態にして、4強入りに挑戦する。

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