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笑顔なき7発大勝…初戦突破の米子北、2回戦で持ち味発揮なるか

2015.08.03

文・写真=森田将義

「明日は厳しい試合になるはず」。佐賀学園(佐賀)に大勝し、幸先の良いスタートを切った米子北(鳥取)だが、城市徳之監督から笑顔は見られなかった。「本来は堅守速攻のチーム。奪ったら素早く前線の選手に当てるのがうちのスタイル」(同監督)ながらも、この日は引いてブロックを固めた佐賀学園の守りを回避するため、ボランチを起点としたテンポの良いボール回しで、チャンスを演出。12分には味方シュートのこぼれ球を拾ったMF岡本悠太郎がミドルシュートを決めて先制すると、以降は立て続けに得点を重ね、前半を4-0で折り返したが、「相手との距離を見ずに、ポンポン繋ぐだけで判断が悪かった」(同監督)。

 後半は1週間で最大6試合を行う日程に備え、主力4人を途中交代させて、温存させる作戦に出ながらも、佐賀学園を押し込み、42分に奪ったMF江口大輝のゴールを皮切りに3得点。終わってみれば7-0の圧勝で、高い攻撃力を示す一戦となったが、城市監督から聞える言葉は「チャンスの半分くらいしかゴールが奪えなかった」と厳しいものばかり。ベンチに下がった選手が雷を受ける場面も見られたように、内容的には満足のいく試合ではなかった。

 西武台(埼玉)と戦う2回戦への危機感を強める中、鍵となるのはMF江口。入学直後は「技術力は高いけど、試合で活かせていなかった。『どこでサッカーを教わってきたんや』ってくらい」(城市監督)と評価が低く、これまでは試合に絡むことができなかったが、指揮官も「努力の人」と評するほどの猛練習を重ね、最終学年を迎えた今シーズンからレギュラーに定着した。この日は、2得点をマークしたものの、チームとして慣れない足下での戦いを強いられ、持ち味を出し切れなかったが、「縦に速い攻撃をすることで相手のDFラインが下がり、こぼれ球が拾える。そこから、江口に繋ぎ、彼のクロスからゴールを目指すのが形」(同監督)という米子北らしさが発揮できれば、より特徴が引き立つ。次戦こそは、江口を中心に内容、結果ともに満足のいく試合ができるか注目だ。

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