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【MORELIA35周年記念インタビュー】「瞬間瞬間で、自分が“いい”と信じた行動を」セレッソ大阪を牽引する都倉賢の生きざま

C大阪でロティーナ監督の信頼を得ている都倉賢 [写真提供]=MIZUNO

 都倉賢と対峙したときに感じる“底知れなさ”の正体は、いったい何だろうか。「サッカー選手」というカテゴリーには収まりきらない、それどころか、今までに出会ったどんな人物とも似ていない特別さを感じさせられる。

 選手としては、“怖さ”を持つFWだ。五分五分のボールでも、競り合えば何かを起こす。89分静かでも、1分で試合を決める活躍を見せる。劣勢の試合でも、投入されればそれを覆す可能性を感じさせる。相手にとっては「出てきてほしくない選手」だろう。

 充実の時を過ごした北海道コンサドーレ札幌から、セレッソ大阪に移った昨季は大きなケガを経験。今季にかける想いは強い。その想いのなかににじむ、彼が特別たるゆえんを紐解いていく。

取材・文=生駒 奨(サッカーキング編集部)
写真提供=MIZUNO


——明治安田生命J1リーグがいよいよ再開されましたね。都倉選手は初戦のガンバ大阪戦に先発するなどコンディションは良好のように見えます。改めて中断期間から現在までの状況を振り返っていただけますか?

都倉賢(以下 都倉) 今季はイレギュラーなシーズンとなり、僕自身も全体練習を再開してすぐのころは「こんなにも体が動かないものか」という焦りがありました。でも、練習再開からガンバ戦まで4、5週間の時間があって、通常のオフシーズンからキャンプ、開幕という手順とほぼ変わらない準備ができました。今はチームも自分自身もしっかりと仕上がったなと感じています。

——セレッソ大阪を率いるミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は、昨季から緻密な戦術をチームに落とし込んでいましたが、それが中断期間で崩れてしまうような感覚はありませんでしたか?

都倉 それは全く問題ありませんでした。僕たちには昨季に苦労しながら作り上げてきたベースがあるので、中断明け以降も変わらずに全員が共通意識を持てています。ただ、戦術の質が上がれば上がるほど、体にかかる負担も大きくなるもの。そういった意味では、やはり全体練習が再開した直後は「頭で分かっていても、体が追い付かない」というシーンが多くありました。今は体の状態がかなり整ってきましたし、試合を重ねればさらに精度が上がってくるはずです。

[写真提供]=MIZUNO

——中断期間は誰にとってももどかしい時期でしたが、そんななかでプラスにとらえられる出来事はありましたか?

都倉 そうですね。僕にはもうすぐ3歳になる娘がいて、毎日すくすくと成長してくれています。そんな娘と毎日を過ごすことは、プロサッカー選手という“宿命”を背負っているなかでは本来なら諦めなければならないことでした。予期せぬ中断期間によって、結果的にすごく貴重な娘との時間を過ごすことができた。もちろん、仕事としてサッカーをやらせてもらえることへの責任はありますし、毎日練習や試合、遠征があることへのありがたさも実感していますが、この時間を過ごせたことは、これからの人生でも財産になるだろうなと感じています。

——ご家族で過ごす時間ができたことはサッカーへの活力にもなりそうですね。一方で、この期間はご自身のYouTubeチャンネルやInstagramで様々な発信を行い、サッカーファンを楽しませてくれましたね。そうした発信を積極的に行ってきた意図と、そのなかで得た気づきや収穫を教えてください。

都倉 僕はセルフブランディングを常に意識していて、YouTubeやSNSをやっているのはそのためですね。もちろん、今の僕ができることのなかで一番価値があるのはサッカーをすることなので、Jリーグやクラブのなかでサッカーをすることが一番ファンづくりにつながる活動だと思うのですが、一方でサッカー選手はいつか引退しなければならないことも事実です。だからこそ、「都倉賢」という一人の人間のファンを獲得していくことがこれからの人生で大きな資産になると考えています。そういった意味で、僕がサッカーだけでなく、人生そのものにどんな意識、考えで挑戦しているのかということを少しでも知ってもらうための手段としてSNSを活用させてもらっています。その活動の一つとしてYouTubeでの配信にも挑戦していますが、収穫としては「出会いのハードルが下がったこと」ですね。今は社会状況的に誰かと同じ空間で撮影することはほとんどなく、ZOOMを使っての対談企画が多くなっていますが、普通の状況だったらなかなかお会いできないような素晴らしい方々が僕のチャンネルに出演してくれています。例えば小野伸二選手(FC琉球)や武井壮さんなどは、実際に移動してお会いすることはもちろん、気軽に電話するほどの関係を築かせていただいているわけじゃないのですが、ZOOMを使うことで、そういった方々が僕のために30分、1時間の時間を作ってくれてお話を聞かせてくれる。そして、YouTubeという場があることで、その貴重なお話が動画として残り、僕のファンの皆さんにも伝えることができる。僕は、人生のなかで人と出会って成長してきたと思っています。YouTubeのおかげで出演してくれる方々、見てくれる方々との出会いが格段に増えた。それが大きな財産になっています。

——すごく楽しんで発信されているのが伝わってきます。YouTubeやその他のSNSで発信する際に、ご自身のなかで決めているルールのようなものはありますか?

都倉 明確なルールはないですが、自分が発信するものを受け手がどう思うか、どんな反応をするか、客観的な視点を持つことは意識しています。例えば、選手のなかには試合に負けたあとにSNSで投稿しづらいという人もいます。でも、僕の場合は勝っても負けても発信を続けると決めています。だって、僕のSNSをフォローしてくれている人は「僕のファン」なわけですから、「負けたときにどうやって気持ちを切り替えているんだろう」というところを気にしてくれている人もいるはずです。もし、「負けたのにSNSなんてやるな」という批判があったとしても、実はそう思っているのは批判の声を上げた人だけで、ほとんどの人は発信の内容を黙って楽しんでくれているのかもしれません。そういう意味では、僕が最近出資することを決めたオンラインサロンにも注目してほしいです。アスリートのいろいろな困りごとを解決するサロンなのですが、そのなかで試合後の囲み取材にファンの方が参加できるような仕組みを作ろうと思っています。これも、「マスメディアでは語れない、本当にファンが気になる質問に答えたい」という思いで取り組んでいます。気になる方は僕のSNSをチェックしてください!(笑)

[写真提供]=MIZUNO

——ありがとうございます(笑)。都倉選手の言葉からは、一人の人間としての芯の強さを感じますね。「将来的にこうなっていきたい」というような指針はあるのでしょうか?

都倉 僕には、5年後、10年後を想像して、そのための種まきをするような器用さや企画力はありません。今、この瞬間をどう精いっぱい生きるか。だから、自分が将来どうなっていくか、僕自身が楽しみですね。例えば、今僕はワイナリー事業もやらせてもらっていますが、きっかけは(アンドレス・)イニエスタ選手(ヴィッセル神戸)のワインを飲んで、「ワイン造りなら、イニエスタに勝てるかも……!?」と思ってTwitterに「都倉と本気で美味しいワイン造りたい人、マジで連絡下さい!」と投稿したことです。まさか、ツイートしたときにはワイナリーのオーナーになるなんて思っていなかった(笑)。でも今は、本気で「打倒イニエスタ」でワインを造っています。何気ないつぶやきですら行動のうち。瞬間瞬間で自分が信じた行動をとり続けていきたいです。

——都倉選手の迷いのないプレースタイルの秘密が分かったような気がします。では最後に、目の前にある今季のJリーグについて、展望と意気込みを聞かせてください。

都倉 今季は過密日程となり、セレッソも総力戦で戦っていくことになります。僕たちはキャンプからしっかりと準備してきて、クラブのみんなとも常々「2チーム作れるくらい層が厚いよね」と話しているほど、誰が出てもおかしくないチーム作りができています。特別ルールで交代枠も5人となり、先発とサブがしっかり役割分担をして流れを作っていくサッカーになるはず。もちろん、選手である以上スタメンを狙いますが、個人的には「FWにとって、ラスト20~30分で投入されて100パーセントの力を出せるなんて、こんなおいしいシチュエーションはない」と思っています。スタメンでもサブでも、僕は準備万端。ロティーナ監督が選んだメンバー、役割、戦術で突き進めば、シーズン終盤、セレッソはタイトルを争っているはずです。

[写真提供]=MIZUNO

都倉の馬力を支える軽さとホールド力。“素足感覚”を突き詰めた最新シューズ『MORELIA NEO Ⅲ JAPAN』

[写真提供]=MIZUNO

——Jリーグ再開以降、都倉選手の足元で光る青いシューズが気になっている人も多いのではないでしょうか。ミズノの名作『MORELIA』シリーズの最新作『MORELIA NEO Ⅲ JAPAN』を着用されているわけですが、率直に履いた感触はいかがですか?

都倉 履いた瞬間、包み込まれるようなフィット感がありますね。それに何と言っても軽さ。前作『MORELIA NEO Ⅱ』もめちゃくちゃ軽くて、「これ以上軽いスパイクはないだろう」と思っていましたが、『MORELIA NEO Ⅲ JAPAN』のほうが軽く感じます。僕は絶対に天然皮革のスパイクしか履きたくないのですが、天然でこの軽さのスパイクは他にない。本当にありがたい存在です。

——天然皮革のスパイクにこだわるのには、どういった理由があるのですか?

都倉 小学生のころ、リバウド(元ブラジル代表)に憧れていたんです。高学年くらいのとき、ブラジル代表でFIFAワールドカップに出場して、大活躍していたので。彼が天然皮革のミズノスパイクを履いていたので、その真似から入りました。そこから、『MORELIA Ⅱ』などの天然皮革のスパイクで少し小さめの物を馴染ませながら履くのが僕のスタイルになりました。

[写真提供]=MIZUNO

——小学生のころからミズノのスパイクがお気に入りだったんですね。

都倉 そうですね。ミズノの天然皮革スパイクは学生にとって高価なものなので、たくさん買えるわけではなかったのですが、試合用は無理してでもミズノを買っていました。練習用はセールで売られていた物を使って、試合用は大事に大事に履いていましたね。中学生か高校生のときには、ミズノからリバウドモデルの『WAVE CUP』が発売されて、それも両親に頼んで買ってもらった思い出があります。めちゃくちゃ磨いて、大切に履いたなあ。

——ミズノのスパイクが本当に好きなんですね。新しい『MORELIA NEO Ⅲ JAPAN』は、軽さ以外にもソール部分のすり減りにくさ、安定性も向上しています。その点については履いていていかがですか?

都倉 安定しないスパイクを履くことは体にとって相当な負担です。FWというポジション柄、激しいポストプレーや強いシュートを撃つシーンも多いので、そういったプレーの再現性や精度を求めるうえでも安定性の高い『MORELIA NEO Ⅲ JAPAN』が間違いなく役立っています。僕は比較的体重も重いほうなので、それを支えてくれる丈夫なアッパー素材も気に入っています。それに、この鮮やかなブルーもいいですよね。セレッソのピンクにも映えるので、見た目の部分も最高ですね。

[写真提供]=MIZUNO

——『MORELIA NEO Ⅲ JAPAN』がかなりお気に入りのようですが、改善してほしいポイントはありますか?

都倉 いや、全くないですね。これ以上のスパイクなんて、存在しないんじゃないかな。ミズノの他のモデルを履いてみたこともありますが、『MORELIA NEO Ⅲ JAPAN』が最高だと思います。

——スパイク選びに迷っているサッカーキング読者にアドバイスをお願いします。

都倉 やっぱり、必ず履いてみて、自分に合うスパイクを選ぶことが大事です。サッカーショップに行けば、店員さんがアドバイスをくれたり、人工芝を用意してくれて感触を確かめさせてくれるはずです。あとは、履き方も重要です。つま先ではなく、かかとに合わせてサイズを決めること。紐を結ぶときは、足首を屈曲させて、母指球に体重を乗せた状態で結ぶといいですよ。プレーするときと同じ状態で足を固定できますから。そうして正しい手順で履いて、歩いたり横の動きを試したりして、しっくりくるスパイクを選んでください。フィットしたスパイクを見つけて、いいプレーができれば、それが思い入れのある一足になっていくはずです。

[写真提供]=MIZUNO

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