2017.08.28

バルセロナが2度目の連覇達成! 善戦の東京都U-12を振り切る/U-12ジュニアチャレンジ2017

1984年10月31日生まれ。山梨県甲府市出身。日本ジャーナリスト専門学校⇒編集プロダクション⇒フットサル専門誌⇒2011年からフリーとなりライター&エディター&カメラマンとして活動。元ROOTS編集長。現在はfutsalEDGE(http://www.futsaledge.jp )などで執筆中。

 8月27日、『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ 2017』は大会最終日を迎え、FCバルセロナが決勝で東京都 U-12を2-1で破り大会連覇を達成。今大会、4度目の栄冠を手にした。

 最終日は、味の素フィールド西が丘で、準決勝、3位決定戦、決勝の4試合が行われた。

 準決勝第1試合は、バルセロナと名古屋グランパスU-12が対戦。グランパスは序盤から、中盤をコンパクトにすることでバルセロナの自由を奪っていたが、時間の経過とともにバルセロナが打開していく。そして14分、クルストバル・モニョス・ロペスからのパスをカリム・トゥンデ・ルイスがダイレクトでヒールで前に送ると、抜け出したソロ・トラオレが確実に決めて、バルセロナが先制に成功した。流れをつかんだバルセロナは、サイドチェンジを効果的に使って攻め込み、終わってみれば5-0で快勝。大会連覇へ王手を掛けた。

 続く準決勝第2試合は、大宮アルディージャジュニアと東京都 U-12が対決。両者ともに、持ち味を出し合いながら拮抗する好ゲームとなった。前半から交互にチャンスをつくりながらも、最後のところで守備陣が奮闘し、試合はスコアレスのまま後半へ。するとアルディージャは33分、古川大洋のサイド突破からのクロスがファーへと流れると、キャプテンの種田陽が合わせて先制点が生まれた。

 対する東京都もすぐさま攻め込むと、ゴール前の混戦から、こぼれ球に反応したキャプテンの吉荒開仁が左足を振り抜き、同点弾をゴールに突き刺した。さらに東京都は1分後の36分、縦パスに抜け出したエース・寺澤公平がDFとGKと競り合いながらゴール左隅に流し込んで逆転。この1点を守り切った東京都が、予選リーグ2位通過から這い上がり、2大会ぶりに決勝へと駒を進めた。

 迎えたバルセロナと東京都の決勝は、今大会屈指のハイレベルな戦いとなった。東京都は序盤から効果的なプレッシングで相手を追い込むと、ゴール前でのチャンスをつくり出していく。今大会のバルセロナは、日本勢に苦しめられることなく順当に勝ち上がってきたが、その大きな要因は、中盤での球際の競り合いや、セカンドボールを自分たちのものにできるかどうかにあった。ただ東京都は、そのバルセロナのお株を奪うような球際の強さを見せ、中盤でボール奪取するシーンを何度も見せた。ただ、王者も黙ってはいなかった。

 10分、左サイドをカリムが崩すと、中に走るクルストバルへパス。するとクルストバルは中央のソロと鮮やかなワンツーでバイタルエリアへと侵入。DFに阻まれながらも右へパスを送ると、フリーで受けたジャン・モリナ・ビラセカが右足を一閃。バルセロナが先制に成功した。しかし、諦めない東京都はその後も攻撃的なプレーを見せていくと、23分、東京都の吉荒のミドルシュートがGKのミスを誘って同点に。バルセロナにとっては、予選リーグ初戦の清水エスパルスU-12戦で喫した以来となる、今大会2失点目となった。

 試合は同点のまま後半に突入。バルセロナはこれまで、前後半や給水タイムで大量に選手を交代してきたが、この試合でも同様に、メンバーを入れ替えて臨む。そんな立ち上がりの隙を突いて、東京都は後半に入っても果敢に決定機をつくり出していた。次の1点が勝負を分ける──。ピッチの緊張感は最大となり、スタンドに詰め掛けた大観衆も、1プレー1プレーを固唾を飲んで見守っていた。そして延長突入が見え始めた終了間際、ゴール正面のルーズボールに反応したのは、アマドゥ・バルデ。飛び出してきたGK堤晃波の動きを見極めた上で、DFと競り合いながらループシュートを放つと、ボールはゴールへと転がり込んだ。

 この瞬間、バルサ・イレブンに歓喜が起きる。優勝を確信したベンチのメンバーもピッチに乱入してお祭り騒ぎ。そして試合が再開して間もなく、試合終了のホイッスルが鳴り響くと、ピッチでは再び、歓喜の輪が出来上がった。それでもすぐさま、熱戦を演じた東京都の選手に詰め寄るバルセロナの選手たち。まさに世代最高峰の戦いが繰り広げられた今大会は、バルセロナの大会連覇、通算4回目の優勝で幕を閉じた。

 なお、決勝の前に行われた3位決定戦は、スコアレスで迎えた後半、エース・鈴木陽人を中心に攻撃を組み立てたグランパスが先制すると、アルディージャもエース・種田が決めて同点に。互いに譲らない好ゲームとなったが、最後はゴール前のこぼれ球に反応した内田康介が決めて、グランパスが2-1で勝利。アルディージャは、種田を中心に、予選で負傷した“本当の”キャプテン・真壁拓海の分まで走り抜いたが、昨年以上の成績にたどり着くことはできなかった。

 表彰式では、福山ローザス・セレソンの石井久継、東京都の寺澤公平、ガンバ大阪ジュニアの今西佑が8得点で並んで得点王を受賞。MVPには、バルセロナのマルク・.ボンバルド・ポヤトが選ばれた。マルクは、「プレーもメンタルも、(カルラス)プジョルのようになりたい」と話した通り、CBとしてチームをけん引。いち早く危険を察知し、的確にボールを奪う守備力と、相手の急所に刺すような縦パスの精度の高さが際立った。

 予選から決勝まで、エキシビションマッチを含めて66試合。そこには、各選手、各チームの思いがぶつかり合い、ハイレベルな試合、力を出し切れなかった試合、様々なゲームが繰り広げられた。バルセロナを中心に話題を集めるU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジは今年もまた、参加した選手、指導者たちに大きな経験と、見る者に大きな驚きと感動をもたらす、意義深い大会となった。

■『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ 2017』4日目結果
会場:味の素フィールド西が丘

準決勝
バルセロナ 5-0 名古屋グランパスU-12
大宮アルディージャジュニア 1-2 東京都 U-12

3位決定戦
名古屋グランパスU-12 2-1 大宮アルディージャジュニア

決勝
バルセロナ 2-1 東京都 U-12

取材・写真・文=本田好伸

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