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<選手権フォーカス>【前橋育英】2年生の爆発と3年生主砲が鍵…“タイガー軍団”飛躍の予感

2016.12.27

前橋育英の2年生10番・飯島陸 [写真]=吉田太郎

 前回の選手権でベスト8だった前橋育英は、主将のMF大塚諒を除いて先発10人が入れ替わった今年の群馬県新人戦こそ優勝したものの、その後インターハイ予選でまさかの初戦敗退を喫し、3年連続で出場していたプレミアリーグ参入戦進出も逃して目標を達成できなかった。それでも、選手権には期待感がある。理由は2年生の進化とエースストライカー候補・馬場拓哉の帰還だ。

 選手権組み合わせ決定後の11月末に行われたプリンスリーグ関東の桐光学園戦では前半、パーフェクトに近い内容で有力校をリード。滞空時間の長い跳躍を生かして相手FWの頭上からヘッドを連発した松田陸と角田涼太朗の両CBが前への強さを発揮し、左SB渡邊泰基が攻撃参加から強烈な左足シュートを見舞う。そして前線では10番・飯島陸が鮮やかな身のこなしで桐光学園DFを困惑させてみせた。一度逆転されたものの、試合終了間際に飯島のアシストから松田が決めて引き分け。彼らを含めて、この日は2年生6人が先発して思い切りの良い攻守でチームを後押しした。名将・山田耕介監督も「選手権へ向けて(まだ)何人か出てくるかもしれない」と期待を寄せている下級生たちの存在、選手層の厚さが、選手権へ向けた前橋育英の伸びしろとなり、飛躍を予感させている。

 飯島は選手権へ向けて「楽しみです。爆発したいですね」と気合十分。その下級生たちに負けじと、大塚とMF長澤昂輝の3年生ボランチコンビが中盤でのボール奪取やフィニッシュに絡む動きで存在感を示すなど、チームは攻守で強さ・質の高さを示してきている。そして選手権では昨年度の全国大会・大津戦で後半アディショナルタイムに決勝点を決め、帝京三戦でも頭でゴールを決めている3年生FW馬場の復帰が濃厚だ。

 故障の影響で選手権予選を欠場するなど、今年は十分な活躍ができていないものの、全国大会へ向けてチームに合流し、トレーニングでは好プレーを見せているという。来年のプロ候補とも言える2年生たちの成長、大塚が「すごく練習しているので俺は期待しています」という主砲・馬場の合流という現状からの大きなプラスアルファ。全体的な運動量の面や、安易に背後を取られて失点するシーンが見られるなど若さ故の改善点も見られるが、ポテンシャル秘める“群馬のタイガー軍団”は全国舞台で目の離せない存在となりそうだ。

取材・文=吉田太郎

By 吉田太郎

サッカー専門媒体を中心に、主に育成年代の取材活動を展開。

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