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関西大、延長の末に阪南大を撃破…2年ぶりの総理大臣杯出場権獲得/関西学生選手権

2016.05.29

FW吉井とMF藤村が喜び抱き合う [写真]=庄田汐里(関西大学体育会本部関大スポーツ編集局)

文=水野真(関西大学体育会本部関大スポーツ編集局)

 関西学生サッカー選手権大会準々決勝。関西大学にとってこの試合は苦い記憶がある。2015年5月30日、昨季の同試合でも関西大は阪南大学と対峙した。結果は1-4。1点を決めることができたものの完敗だった。しかし、『全員サッカーで日本一』を掲げる関西大にとって、いつか向かわなければならない相手だ。そして、1年後。この阪南大戦までにリーグから通算して5連勝中だ。勢いこのままに、そして、勝利という二文字だけを目指して戦いに臨む。

 しかし、前半は厳しい展開となる。3分、ボールをカットされ早々にピンチを迎える。しかし、これはDF陣の堅い守備で守りきる。その後、7分には関西大がCKを獲得。これを蹴るのは、MF藤村洋太だ。先制して流れをつかみたいがこれは入らない。しかし、その1分後にチャンスが訪れる。DF諸石健太から再び藤村がボールを保持すると右サイドのFW竹下玲王へとつなぐ。阪南大ペナルティーエリア内へ進入すると竹下は相手GKと一対一の状態に。強く蹴り込むがGK真正面にボールは流れる。チャンスが来た。GKが勢いあるボールをつかみきれず、こぼしたのだ。FW加賀山泰毅が走り込むが阪南大にとって間一髪、関西大がボールに触れることはできなかった。11分には阪南大の速攻に対応できず、ゴール前で右サイドからクロスで守りが手薄だった左サイドからミドルシュートを放たれ、得点を許してしまった。しかし、まだ70分以上を残している。諦めるのはまだ早い。関西大の猛攻が始まる。20分には竹下がDF2人に進路を阻まれながらも相手ゴールに迫る。その5分後、8分後にもCKやFKでゴールを狙うも入らない。

 63分頃にはFKとCKというセットプレーから関西大にピンチが訪れる。しかし、DF陣の効果的な守備が功を奏しこれ以上の失点は許さない。その2分後には、加賀山がボールを放つもこれはゴール上へとふかしてしまう。その後には藤村が右サイドで混戦の中、転がり出たボールをシュートもこれも大きくふかし左へと流れる。得点が決まらず敗戦の色が濃厚となった44分。決めたのは途中出場のFW吉井だ。ペナルティエリア外からのセットプレーの攻撃で一度、阪南大ゴール前にボールが落ちるも右サイドに出てしまう。これをすかさずMF布施がゴール前に戻す。ゴール前にいたFW吉井佑将が渾身の一撃、ミドルシュートを決めた。ゴールに刺さったこの得点は吉井にとって今季初得点。そう簡単には負けられない。『日本一』を目指す関西大の気持ちがこもった同点弾で勝負の行方は運命の延長戦へと持ち越される。

 延長前半、目立ったプレーをすることができず、延長後半の10分間に両校が最後の力を注ぐ展開となる。103分にはDF荒木隼人の活躍で阪南大CKを防ぐ。選手、応援、スタッフが声を出し勝利を求めて声を出し合う。それに答えたのは竹下だ。110分にMF清永丈瑠が右サイドライン際から放ったボールは阪南大守備陣4人を抜き、竹下のもとへ。それを思い切り振りぬく。得点シーンは「あまり覚えていない」と試合後のインタビューでは答えながらも値千金のゴールは関西大サッカー、全員サッカーを体現した結果だろう。最後のホイッスルが鳴るまで走り続けた関西大イレブンはその後喜びを爆発させた。

『全員サッカーで日本一』実現へ。関西大はリーグ戦で関西学院大学、関西学生選手権で阪南大を破った。この2校は昨季、全国で1位、2位になった大学だ。関西大は昨季に比べ大きく成長した。しかし、ここで調子に乗らず一歩一歩進んでいかなければならない。

 次戦、準決勝は阪南大と同様に因縁の相手、立命館大学との対戦だ。立命館大は昨季リーグ最終戦で敗北。関西大はこの敗戦でインカレ出場を阻まれた。また、立命館大は『大学日本一』を掲げる大学だ。『日本一』を目指す大学はいつかどこかでぶつからなければならない。しかし、関西大が負けることはない。今日の一丸となったこの気持ちを忘れずに、次戦でも勝利し決勝へと駒を進めたい。

選手のコメントは関大スポーツのホームページ(http://kanspo.univ.nikkansports.com/?p=5423)に掲載しています。また、関大スポーツは関西大学の選手に独占インタビューを行い定期的にインターネットに掲載しております。その他にもTwitter(@kanspo)にて試合速報を行っています。ぜひ、ご覧ください!

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