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U-22代表&全日本選抜のDF室屋「攻め上がった時の最後が課題」/全日本大学選抜合宿

2015.04.23

全日本大学選抜とU-22日本代表を掛け持つDF室屋成 [写真]=兼子愼一郎

文=安田勇斗

「コンディション的に厳しい中、選手選考というプレッシャーを与えられた時に、誰がその重苦しい状況を払拭するかを見ていた」。全日本大学選抜の神川明彦監督は、各地域リーグの連戦明けで迎えた今回の合宿で、選手たちの奮起を期待していた。なぜなら、「圧力に屈せず自分らしさを出せる者が、最終的に日本代表で輝く選手になる」からだ。その中で指揮官は、明治大学の教え子でもあるDF室屋成を名指しで評価した。

 神川監督が「調子は悪かった」と指摘する通り、20日から22日まで都内で行われた合宿で、室屋はやや精彩を欠いた。本人も「動きが重くて、練習もキツかった。練習試合ではオーバーラップするのに必死で、その先のプレーがうまくいかなかった」と振り返る。

 無尽蔵のスタミナを誇り、左右両足で精度の高いクロスを上げ、攻守に安定した働きを見せる室屋は、U-22日本代表でも活躍する大学サッカー界の“出世頭”だ。合宿最終日に行われたブリオベッカ浦安との強化試合(30分×4本)では2本目と3本目に右サイドバックとして出場。コンディションが万全ではない中、声を張りあげて味方を鼓舞しつつ、精力的にアップダウンを繰り返した。

 神川監督はこの戦う姿勢を褒め称えた。「あいつはやっぱり気持ちが強い。試合中にどなったりもしてたしね」。ピッチ上での闘争心はベンチだけでなくスタンドにも届いていた。しかし、ピッチを一歩出ると一転して、アスリートから気さくな若者に戻る。

 2本目、ペナルティーエリアに進入しながらもボールを失ったシーンについて、「またやってもうた」と苦笑いする。持ち味である攻撃でのミスを悔やんだ。「自分の長所は攻撃。その良さをもっと出して、周りに合わせてもらえるぐらいにならないといけない」。課題も明確だ。「攻め上がった時の最後のところ。ファーストタッチやクロスの精度を上げることが今の一番の課題」。

 目指すは来夏のリオデジャネイロ・オリンピック出場。そのファーストステップとしてまずはユニバーシアード代表のメンバー入り、そして韓国で行われる大会での躍進を誓う。「全日本で活躍して次のステップに進みたい」。伸び盛りの21歳がキャリアの階段を一気に駆け上がる。

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