福島春樹、湯澤聖人ら来季J内定選手も出場へ…2015関東大学リーグが4日いよいよ開幕

文＝平柳麻衣

　JR東日本カップ2015 第89回関東大学サッカーリーグ戦が4日に開幕する。

　今季の注目校は、リーグ4連覇中の絶対王者・専修大。昨季は、最終節まで3チームに優勝の可能性が残された大混戦を制した。今季は、入学から卒業まで優勝のみを知るFW仲川輝人（横浜F・マリノス）やDF北爪健吾（ジェフユナイテッド千葉）といった黄金世代が卒業し、戦力ダウンは避けられない。しかし、2016シーズン浦和レッズ加入内定の大学ナンバーワンGK福島春樹（4年・静岡学園高校出身）や、司令塔のMF北出雄星（4年・三菱養和SCユース出身）は健在で、チームに染み込んだ“勝負強さ”の真価が問われるシーズンとなりそうだ。

　専修大と開幕節で対戦するのは、流通経済大。昨季は総理大臣杯と全日本大学サッカー選手権の夏冬全国二冠を達成。そのメンバーから鈴木翔登（ロアッソ熊本）や江坂任（ザスパクサツ群馬）が抜けたが、2016シーズン柏レイソル加入内定のDF湯澤聖人（4年・流通経済大付属柏高校出身）やMF中村慶太（4年・流通経済大付属柏高校出身）ら大半の主力選手が残っていることは大きな強み。加えて、同校は今年で創立50周年を迎え、中野雄二監督も「今年はリーグ戦も含めた三冠を獲りたい」と意気込んでいる。昨季のトーナメント戦で見せた手堅い守備に加え、攻撃面でも積極性を出していければ十分に可能だろう。

　また、昨季リーグ2位の明治大は、大学屈指の戦力という呼び声も高い。U－22日本代表としてリオデジャネイロ五輪一次予選にも出場したDF室屋成（3年・青森山田高校出身）や、全日本大学選抜のDF山越康平（4年・矢板中央高校出身）、MF差波優人（4年・青森山田高校出身）、FW和泉竜司（4年・市立船橋高校出身）など、最終ラインから前線までタレントがそろう。昨季、後期リーグで無敗を貫いた要因でもある「球際・運動量・切り替えの速さで負けないサッカー」で、タイトル奪取を狙う。

　選手個々の育成を重視しながら、昨年リーグ3位の成績を残した順天堂大は、元日本代表DFで同校OBの堀池巧氏が新監督に就任。その順天堂大に入学するFW名古新太郎（静岡学園高校出身）をはじめ、早稲田大入学のMF渡邊凌磨（前橋育英高校出身）、国士舘大入学のMF田場ディエゴ（日大藤沢高校出身）、中央大入学のMF前川優太（星稜高校出身）といった、昨年度の全国高校サッカー選手権を沸かせた新戦力もチェックしておきたいところ。

　2部では、近年の谷口彰悟（川崎フロンターレ）や車屋紳太郎（川崎）をはじめ、数多くのOBをプロへ輩出してきた名門・筑波大が1年での1部復帰を果たせるか。同じく降格組で、元日本代表の前田秀樹監督率いる東京国際大や、3年前の高校選手権得点王・仙頭啓矢（3年・京都橘高校出身）を擁する東洋大が昇格候補の軸となるだろう。

　かつて「プロ予備軍」と目されていた大学サッカーは、日本代表に選出された武藤嘉紀（慶應義塾大卒／FC東京）や、卒業と同時に海を渡った長澤和輝（専修大卒／ケルン）らを筆頭に、いまや世界で戦う実力を持った選手の宝庫となった。自らの将来、そして母校の名誉を懸け、今年もプロの原石たちが熱い戦いを繰り広げる。

　関東大学リーグ、前期開幕節の日程は以下のとおり。

[関東大学1部リーグ]
4月4日
明治大 vs 順天堂大（味の素フィールド西が丘／12時開始）
専修大 vs 流通経済大（味の素フィールド西が丘／14時20分開始）
5日
駒澤大 vs 桐蔭横浜大（駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場／11時30分開始）
早稲田大 vs 国士舘大（駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場／13時50分開始）
慶應義塾大 vs 法政大（Shonan BMWスタジアム平塚／11時30分開始）
中央大 vs 神奈川大（Shonan BMWスタジアム平塚／13時50分開始）

[関東大学2部リーグ]
4月5日
日本体育大 vs 産業能率大（筑波大学第一サッカー場／11時30分開始）
筑波大 vs 東京学芸大（筑波大学第一サッカー場／13時50分開始）
東洋大 vs 拓殖大（東京国際大学第一サッカー場／11時30分開始）
東京国際大 vs 日本大（東京国際大学サッカー場／13時50分開始）
関東学院大 vs 東海大（朝鮮大学校グラウンド／11時30分開始）
青山学院大 vs 朝鮮大（朝鮮大学グラウンド／13時50分開始）