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高校選手権はいよいよ8強…頂点前に散った有力校の戦いを振り返る

2015.01.04

山梨学院の小川雄大 [写真]=瀬藤尚美

 いよいよ選手権もベスト8が出揃った。この中で波乱があるとすれば、1回戦で青森山田が中津東にPK戦の末に敗れたことが、一番に挙げられる。だが、それ以外波乱は起こらなかった。

 優勝候補筆頭の東福岡が3回戦で静岡学園に敗れたことは、大きな驚きが合ったかもしれないが、静岡学園はそれを成し遂げる実力が備わったチーム。3-0というスコアには少々驚いたが、それだけ静岡学園が波に乗っているということが言える。

 ベスト8に入れなかったチームで、もう少し見たかったチームがいくつかある。まずは初芝橋本。前線に長身のターゲット、スピードアタッカー、テクニシャンと個性的な選手をバランスよく並べ、彼らがフレキシブルに動くアタッキングサッカーは非常に面白かった。初戦の相手がベスト8に進出した前橋育英で、相手の試合巧者ぶりもあり、0-1の敗戦。初戦で大会を後にした。

 同じく前橋育英に3回戦でPK戦の末に敗れた山梨学院大附属も、堅い守備から鋭いショートカウンターを仕掛ける好チームだった。FC岐阜入団内定のFW小川雄大が万全のコンディションでスタートから出られたら、もっとスピーディーなサッカーが見られたかもしれないだけに、それは心残りであった。

 3回戦で立正大淞南に敗れた尚志、星稜に敗れた米子北もグッドチームだった。尚志は絶対的エースの林純平が負傷でコンディションが上がらない中、FW小野寛之らがキレのあるプレーを見せ、攻守の切り替えの速いサッカーを展開した。米子北もチームのホットラインであるMF君垣隆義とFW定本佳樹のレフティーコンビが爆発。君垣は3戦連発でゴールを挙げるなど、絶好調だっただけに、このホットラインはもう少し見てみたかった。

 そして、1回戦ナンバーワンの好カードであった、流通経済大柏vs作陽。この試合で見せた作陽のサッカーは素晴らしかった。最後はホームの後押しを受けた流通経済大柏に執念で追いつかれ、PK負けを喫したが、組織的なサッカーの質は非常に高かった。プロ注目の2年生MF伊藤涼太郎が躍動し、来季への楽しみがまた一つ増えた。矢板中央も2回戦で流通経済大柏をPK戦まで追いつめた。星キョーワァン、森本ヒマン、川上優樹ら2年生が大きな経験を積んだだけに、ここも来季が楽しみだ。

文=安藤隆人

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