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大阪桐蔭の2年GK上田大志、緊急出場も気迫のプレーで貢献

気迫あふれるプレーを見せた大阪桐蔭の上田大志【写真】=川端暁彦

 夏の全国高等学校総合体育、インターハイの通称でよく知られるこの大会は、「高校生のオリンピック」とでも捉えれば理解しやすいかもしれない。サッカーのような団体球技から水泳のような屋内個人競技、あるいは登山のようなちょっとマイナーな競技まで幅広く開催されている。開催地は各都道府県の持ち回りだったが、2004年からは経費節減などを目的にして広域開催となっており、今年は南関東地方が会場。サッカー競技は男子が山梨県、女子が東京都で開催される(8月1日~8日)。

 男子サッカーの出場枠は全部で『55』。47都道府県の中で参加校の多い北海道、東京都、千葉県、愛知県などに加えて開催県に『+1枠』が与えられており、大阪府からの出場枠も『2』。こうした地域では通常のトーナメント戦ではなく、決勝リーグ方式が採用されるケースがある。ベスト4チームの中からより強い高校を全国に送り込もうという主旨である。今年の大阪府では、大阪桐蔭高校、阪南大学高校、金光大阪高校、そして府立勢で唯一の勝ち残りとなった大塚高校の4校が決勝リーグで出場権を争っている。

 その初戦では大阪桐蔭が大塚に、阪南大が金光大阪にそれぞれ勝利。J-GREEN堺で開催された1勝同士の大阪桐蔭と阪南大の第2戦は、「勝てば王手」という位置付けのゲームだった。共に全国に出れば上位候補となるであろうチーム同士の一戦は、立ち上がりから大阪桐蔭が主導権を握り切る展開となった。

 その契機は3分の先制点。立ち上がりから高い位置で圧力をかけ続けたことが実り、FW清水大輝のパスを受けたMF神田瑛士郎が巧みに決めて、1-0。DF上加世田航也は「『いい守備から入って勢いを付けよう』と試合前に言っていたとおり」と胸を張る先制点は、大阪桐蔭に自信を与え、阪南大に動揺を植え付けることになった。

 大阪桐蔭が優位を占める中で試合の流れが変わる可能性があったのは、大阪桐蔭GK石原亮太が負傷交代した12分のシーンだろう。副将を務め、コーチングにも長ける元気者の交代は、大阪桐蔭イレブンの危機感を喚起するには十分すぎるもの。代わってピッチに送り込まれたのは、2年生の上田大志。「最初のCKは本当に緊張した」と正直に告白しつつも、「石原さんのためにも絶対に勝ちたかった」と気迫あふれるプレーを披露し、前半終了間際にはビッグセーブでチームを救うなど、ゴールを死守してみせた。

 永野悦次郎監督はそんな上田のことを「すごく一所懸命な子なんだけれど、ぶっきらぼうなところがあった。どんなときでも明るく味方を励ませる石原との差はそこにある。そんな話を本人にもしてきた」という。だが、この日は「最後まで前向きに声を出していた」と、成長を感じさせる姿を見せ付けた。春のフランス遠征ではトゥールーズとの試合でビッグセーブを連発して、「何者なんだ、アイツは!?」と驚愕されたという逸材は、唐突に巡ってきた出番で確固たる存在感を示した。

 以降の時間帯は、久保田和音、久保田貴大の“ダブル久保田ボランチ”を軸にボールを動かす大阪桐蔭が優位に試合を進め、後半に入った43分(総体は35分ハーフ)には久保田和音が直接FKを鮮やかに突き刺して決定的な2点目を奪取。後半はこの久保田和のプレーも冴え渡って、阪南大を圧倒。大会前にBチームから抜擢されたCB坂之上倖輝が空中戦をことごとく制して逆襲の芽を摘み取ったことも大きく、完勝と言える内容で大阪桐蔭が決勝リーグ第2戦を制した。

文=川端暁彦

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